『なんだ、この出来損ないは』
自分が生まれるよりも前に、私に“異香”の印を刻みつけた吸血鬼。初めて会ったその瞬間に私はそう拒絶された。その人の為にいたかったのに、たった一人、吸血鬼と“異香”の住む街で暮らすことになったユウリ・エンデュラン
スは、捨てられたことにより周りに嗤われて過ごしていた。
ーーーーあの夜に、金を纏った吸血鬼にで会うまでは。
『異香』
公の意味…優れた良い香り。『異』は抜きん出ていることを指す。
上記より、この物語の中では、吸血鬼によってその香りを与えられた者を指す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-31 07:11:18
60135文字
会話率:30%
「“花”を見つめるのもいい加減にして下さいませんと」
「う、うううううるさい!!なんだっ、今日はやけに辛辣だなヴィシックっ!」
王城に使えるメイド長、ヴィシックは今日も今日とて主人をヘタレだと思った。
窓の外に見える主人の好きな人。会った
瞬間から叶う見込みのないーーーー兄である王太子殿下の婚約者。不毛なことにそんな相手を好きになった上素直になれない主人へ、今日も今日とて溜息をつく。
これは、そんな主人へ忠誠を誓う、一人のメイド長のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-21 21:11:01
5445文字
会話率:41%