「イリア・ルーヴァン。お前との婚約、この場を持って破棄させてもらう」
舞踏会の中心で私は婚約を破棄された。
婚約者である殿下の隣には妹のルキナがおり、一見すると婚約者を取られたように見えるだろう。
しかし、この茶番。すべては私が仕組んだ
ことだ。
実は水面下で交流を始めたばかりの海上国家から王太子の妃になる者を、国は希求されていた。
王は、諸事情あり私に白羽の矢を立てた。
海上国家の存在をまだ隠しておきたい国はどうしても婚約解消の理由を明らかにできない。そのため、私は自ら茶番を仕掛けたのだ。
こうして、婚約破棄の言質を取った私は海上国家の王太子殿下に嫁ぐため南の海岸へと向かった。
約束の海岸で、私は海上国家の王太子カルロスと出会う。
海を生きるカルロスは、なぜか知的才女であるはずの私を可愛いと言い出す。
可愛いなんて言われたことがない私は、カルロスの甘い言葉に動揺してしまうのだった。
※設定は大雑把です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-28 19:00:00
6795文字
会話率:24%