これはレイラ嬢とアーノルドとエディ、それぞれ三者三様の罪と欲望、胸が狭くなるような愛情と聞き届けられなかった願い、手に負えなくなった執着と歪みと罪悪感と、そこへほんのひと匙の狂気と背徳感を加えた、三角関係の恋愛物語。
「レイラちゃん、君の
ことが好きだ! 俺と結婚してくれ!」
「はっ、はいぃっ!?」
ここは魔術が国によって制限された世界。レイラ・キャンベル男爵令嬢は戦争の英雄“火炎の悪魔”になんと、初対面でプロポーズされてしまった。しかもそんな彼は、冷酷非道な売国奴と呼ばれる、一等級国家魔術師の軍人で。
おかしい。レイラは“魔術雑用課”と馬鹿にされてしまいがちな、日常魔術相談課の面接官としてここにやって来た筈だ。それなのにどうして、私のバディ採用面接に、こんな雲の上の存在の一等級国家魔術師がやって来たのだろうか?
なんやかんやでついうっかり、彼女はエディ・ハルフォードを自分のバディとして雇ってしまう。そこからレイラとエディは仕事のバディとなって、首都リオルネの一般都民の皆様の為に、今日も今日とて魔術を使って日々のお困り事を細々と解決してゆく。(庭先のポンプを直したりだとか)
それでもレイラにはアーノルドという、日常魔術相談課の部長で“女殺し”と呼ばれる希代の色男が、彼女の婚約者であり、なおかつ一緒に暮らしている義兄として君臨していたのである。
「なぁ、アホノルド? レイラちゃんと婚約破棄してくれないか?」
「断る。何でも素直に頼めばいいと思うなよ、このクソ悪魔が」
果たして、戦争の英雄“火炎の悪魔”は彼女に振り向いて貰えるのか?
「わ~! 流石は一等級国家魔術師のエディさんですね!まさかトイレの頑固な黒ずみがこんなにも一瞬で落ちるだなんて!」
「俺は確かに君の為なら何でもするよって言ったけどさぁ! 俺が想像していた意味と全然まったく違うんだけど!?」
それでもどうやら、レイラ嬢とアーノルドの関係も正常ではないらしく?
「っアル兄様の大嘘吐き! 私にただ、執着しているだけのくせに!」
「まだそんな口が聞けるのなら上等だ、お前は本当に嬲りがいのある・・・・・」
これはあくまでも日常の物語。今日も仕事をして美味しいご飯を食べて、職場の同僚と騒いで、時には誘惑されてつい負けてしまったりと、そうやってレイラたち三人は時間を重ねてゆく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-05 16:47:13
1061209文字
会話率:64%
『緑銀の笛』を持つリーシャと、『暁光(ぎょうこう)の指輪』を持つフィリックス。
幼いころに祖国の権力争いに巻き込まれ親を亡くしたふたりは、隣国の庇護のもとで大きくなっていた。自らの力のなさを悔いて、ただひたすら己の研鑽を積むフィリックス
。一方のリーシャは、祖国に関わる記憶がないまま、愛されて幸せに成長していた。
7年後、ふたりは再び学園で再会する。リーシャへの思いを止めることができないフィリックス。双子としてそだてられたリーシャを心から愛するマティアス。リーシャを見守る風龍ヴィルフリート。
「生き抜いて幸せになれ」父の残した言葉を考えるたびに、幸せになることへの罪悪感が募るフィリックスだったが、リーシャと再会することで自らの幸せとは何かを考えるようになる。そして、リーシャもまた自らの出自を知ることで、緑銀の笛の力を知ることとなるのだった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-04-02 06:00:00
95353文字
会話率:40%
生まれてからゲリラ兵として育てられ、その任務を全うしていたルーアン。赤子から老人まで言われるがままに殺し命令を遂行してきた人生。犯罪に対して罪悪感すら教えてもらえずそれが『日常』で生きて来た。
そしてルーアンは捕まり投獄され処刑される時間
を待つ。そんな時、人の形をした『靄』が彼に提案してきた。
〝その人生は仕方がないものだったが、それでもキミのしてきたことの正当性にはならない。しかしキミには抗える分岐点も道もなかった。そんな不憫なキミに、私から選択肢を与えよう。あの『ヒトラーの魂』が余っている。その罪の重さ故に誰も受け取らない魂だ。殺した1100万人とも言われる人生の時間を稼ぐことが課せられる。その贖罪を全うすれば『死』が受け取れるのだが……どうするかね?〟
最初はこのまま死ぬことを望んた。
しかしある日、自分が殺した男女のことを思い出す。女を愛していた男は喜んでその女の代わりに処刑された。
男にはその心が分からなかった。『愛』とはなんなのか……ふとそれが知りたいと思うようになった。
それを知るためにヒトラーの魂を受け取る。
──そして彼の罪も受け取った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-02 00:00:00
227515文字
会話率:19%
土曜日に猫を埋葬すると、死んだ猫の霊が連れて行ってくれるという神話を聞いたことがありますか? 中村平成はたまたま道端で死んだ猫を見かけ、可哀想にその死体を家に持ち帰り、埋めた。 そして今、彼は別の世界にいます。 しかし、この魔法の世界では、
彼は魔法をまったく使うことができません。 神は彼に力を与えた突然の事件に罪悪感を感じ、後で魔法の世界で生き残ることができました.折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-26 19:14:58
4749文字
会話率:31%
戦争兵器として生まれた少女エミリー・クリスタ。マルディア王国という軍隊最強の国で彼女は戦士以外の道を認められなかった。それは特殊スキル魔力増幅、的補正を持って生まれたためだった。付いた異名は『死の悪魔』だった。人々とは上原に、人を殺すことに
罪の意識を覚え、味方を死なせてしまう事にも自責に念に焼かれる彼女は、罪悪感と、悲しみ以外のほとんどの感情を失っていた。そんな中に彼女の前に現れたのは、他国の王子だった。エミリーよりも背が低くて、酒癖が悪い。喧嘩っ早くて、戦闘能力も低い彼の取り柄は、異次元な頭の良さだった。王子の目的は人が死なない世界を建立すること。エミリーはそれに同意した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-14 20:00:00
3723文字
会話率:56%
わたしが書いた本、「死と夢」を読んだ妻が昏睡状態に陥った。数ヶ月も意識が戻らない妻に対し、罪悪感をもった。そして、次第に絶望し自殺を試みた。
わたしは死者となった。そしてある町へと向かう。その町で生活しながら、妻の昏睡について、町の秘密につ
いて知ることになる・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-03 03:27:32
1097文字
会話率:0%
「シェリー。お願いがある。エルの代わりに学園へ行ってくれ」
「無理に決まってるでしょ!」
エヴァンズ伯爵家の令嬢シェリアーナは魔法事故により5歳児(精神だけ)となってしまった双子の弟の代わりに女人禁制の学園へ通うよう両親からお願いされる。
絶対無理だと抵抗したが、無理矢理男装させられ学園に通うことに。しかもバレるのは絶対厳禁だという。
納得出来ないシェリアーナだったが、入れられてしまったのなら仕方ないと学園生活を開始。だが元々男勝りの性格であったシェリアーナはこんなに楽しい場所は無いと学園生活を満喫し始める。
ただ楽しい反面、面倒臭い事も。弟の事故の加害者である王太子マリウスが事故の罪悪感からやたらと絡んでくるのだ。しかもこの王太子がシェリアーナに気がある事は社交界では公然の事実というのも面倒臭いところ。
そんなある日、学友のフレッド、王太子マリウスと共に遠乗りへ行く事に。帰り道、雷雨に遭い雨宿りに訪れた村でシェリアーナは雷に打たれてしまい……。
好きな子と青春がしたい王太子×怒りっぽいけど騙されやすい女の子のラブコメです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-01 23:47:38
10179文字
会話率:32%
おぼろげではあるが、『日本』という所の前世の記憶というものがあったシャルルマリー。
しかし、前世の記憶に出てくる『乙女ゲーム』で割り振られた自分の役は悪役令嬢。自分に用意された道はすべてが命を落とす結末ばかり。でも、それに気が付いた時には
もう時すでに遅し。こうなったらせめて大好きな親友の『ヒロイン』アリアと『メインヒーロー』であるアレクセイが一番幸せになれるエンドを目指すしかないと、『シナリオ』通りに動き、最後には命を落とした。師匠であり、最も愛したオズワルドを想いながら。
それから三百年ほど経ったころ、まさか『マリネット』として第二の人生を歩むことになるとは知らずに。
敬愛する師匠に対する前世での罪悪感から全力でオズワルドから逃げ回るマリネットと、遺言だけ残して死なれてしまい、溺愛をさらに拗らせてしまった師匠であるオズワルドによる大陸中を巻き込んだ追いかけっこの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-27 20:05:54
25491文字
会話率:39%
2011年3月11日大地震と大津波が原子力発電所を襲う。その未曾有な災害に対して電力会社も日本政府も為す術もなかった。その中、孤軍奮闘で立ち向かう主任黒田一樹と操作員の小島鉄平がいた。彼らは絶対絶命の危機を何度も救い一時は最悪事故が避けられ
ると思われた。しかし、彼らの奮闘もむなしく、想定外事象が続き水素爆発が起きる。日本では250キロ避難の最悪シナリオが出るほど緊迫した状態になった。黒田の家族は津波で亡くなり、小島の家族は避難中に亡くなる。悲痛な思いの中2人は命を掛けて事故に対応した。原発事故が起きる7年前、黒田は普通の運転員の一人で小島は学生だった。この2人が運命の糸に操られるように原子力発電所の安全を担う立場になっていく。黒田は子会社に出向となり、出向先社長から原子力発電所の運転訓練用シミュレータの提案書の作成を命じられる。社長の熱意と妻の協力より提案書は完成する。その提案は採用され、その製作の為に新人を募集し、その募集に小島と弟をバイク事故で亡くし失意の西田が採用された。最高の技術力を持つ日芝千葉工場の小林主査がシミュレータを製作することになる。シミュレータ完成後、中越沖地震が起き、黒田は徹底的な地震対策の為、その調査を西田に命じる。西田は津波高さ15.7mを求め会社に提出するが、認められることは無かった。西田はその計算データ外部流出より会社を辞める。その当時小林主査はアメリカでプロジェクトリーダ―として活躍していた。西田の辞職を知ると西田をNRCへ紹介する。1年半後、小林主査は黒田と小島をアメリカに呼ぶ。渡米した黒田と小島は9.11テロで遥かに進んだ安全対策を目にする。帰国後黒田は安全対策案を報告するが、受け入れられることはなかった。黒田の話を聞きつけた新聞記者がその原発大惨事予測について記事をする。黒田と小島は安全対策担当から排除され運転員に戻される。2011年3月11日。黒田と小島が運転中に大津波が襲い原子力発電所は水素爆発に至る。事故がほぼ収拾され発電所から離れた2人には事故を救えなかった罪悪感に苛まされることになる。小島は会社を辞め、黒田は妻を亡くした寂寥感から西田に原子力を小島に娘雪子を託して人生の幕を引く。10年後西田はNRCから戻り、原子力規制委員会の副委員長の就任の記者会見で驚きの宣言をする。小島は墓参りで10年前に託された手紙を雪子に渡す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-22 23:53:43
410285文字
会話率:50%
絶対的な強さを誇る美しき女聖騎士団のユーリ。
彼女はわずか10歳の時に天才的な能力と魔力を開花させたがそれが引き金となり起きた事故で兄が死亡、弟は大怪我で生死をさまよったあげくなんとか命は助かったが一生歩けなくなってしまった。
母親
は息子の死の原因はユーリだと責め父親は彼女を別邸に送った。
両親に恨まれたユーリは寂しく悲しい日々を過ごした。
優しくかわいい弟は事故後もユーリを責めることはなかったが、ユーリは罪悪感から15歳になると逃げるように実家からでて行った。
ユーリはその後聖騎士団の討伐隊長として活躍をするが、ある日そのユーリの地位を脅かす若き騎士ヴォイドが現れた。
討伐隊長の座を奪われたユーリは内心ではヴォイドをよく思わなかったが、ヴォイドは異常なまでの忠誠心でユーリに近寄り、彼女に執着する。
宴の後飲みすぎたユーリが自室で目覚めると裸で、、さらに隣には裸のヴォイドが寝ていた。
実はユーリの背中には聖女の証が刻まれていた。秘密を知られて困惑するユーリだが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-10 12:17:04
29046文字
会話率:34%
高校二年生、冬。
私は初めて学校をサボっている。
罪悪感と本音。迷い、葛藤している。
私は一体、どうするべきか。
最終更新:2023-01-30 11:00:00
1394文字
会話率:6%
排他的主義な愚か者の転生記!
全てを恨みながら不安と罪悪感に苦しみ、42年間生きた主人公は鬱病になっていた!心が完璧に壊れてしまった彼はもう他人のことも自分のことも考えないことにした!あくまで立場を守りながら成り上がってゆく!どんなにかわ
いい女の子もデメリットが多ければ即切り捨て!悪魔パルサパンと契約し、力を手に入れた主人公はひたすら本性を隠し通す!最後に待つのは希望か、それとも失望か、。
※乙女ゲームの世界に転生したとは知りません。
※乙女ゲーム要素はふりかけ程度です。
※同じ転生者が出てきます。
※クズです。
※主人公は最後まで心から恋愛しません。
週1以上更新予定……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-20 14:21:59
38601文字
会話率:45%
誓言の聖女として人々の怪我や病気を治しているノエル。
娯楽や外の世界との接触を制限されたノエルの楽しみは、何年も先の聖女の仕事が終わって自由になった時の事だ。
その話をウキウキと護衛である騎士団長カウフマンに話したところ、
「自由になった
らと聖女様は仰った。ですが、それはないのです」
彼は真面目な顔で、そして罪悪感混じりにそう言ったのだった――――。
これは恋というものを知らない聖女と、彼女に献身的に使えるちょっと口の悪い騎士団長とその周囲の、なかなか面倒な恋のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-14 21:28:47
95096文字
会話率:45%
親友からおすすめされたライトノベルを借りて、その帰り道に呆気なく死んでしまった主人公は、親友から借りたそのライトノベルの主人公に転生してしまう
生まれるはずだった主人公の体の中身を、人生を自分が狂わせてしまったと、罪悪感を抱いた少年は、そ
の主人公に成り代わろうとする
「異世界系の主人公なら、きっと多くの人を救ったはずだ。それこそ、英雄のように」
これは、本来の主人公に成り代わるために奔走する少年と、共にそんな少年と共に歩む少女の成長の物語である折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-09 21:00:00
79051文字
会話率:46%
神崎ヒロトは幼馴染のシオリを救おうとした末に命を落としてしまう。
その後異世界に勇者として召喚され、女騎士ロージュと出会う。ロージュはヒロトを歓迎し、共に旅をしたいと喜んだ。
だが、本来勇者ならば6属性すべての魔法属性適正を持ってるはずがヒ
ロトの魔法適性はゼロ……。魔法の使えない存在だった。
予言が正しければ今日勇者が現れるはず……。国王たちはもう一度勇者召喚を行うと召喚に成功する。そして新たに現れた男はシオリを強制的に自分の物にしようとしたタカトだった。
タカトは強力な魔力適性を持ち、国王から勇者と認定をされる。そしてヒロトは魔力なしのゴミだと言われて奴隷落ちをしてしまう。
それでもヒロトはシオリもこの世界に来ていることを知り、諦めずに立ち上がる。
予言はタカトではなくヒロトのことだったのだ!
[第一章]完結。
第一章では主人公の無双などはありません。基本的にヒロトを見捨てた罪悪感を持つロージュに焦点が当たっております。ご注意下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-08 22:11:25
148631文字
会話率:36%
修道院で暮らす孤児の私は駆け落ちした伯爵令嬢の忘れ形見だった、と知らされて愕然とした。小説中の小説のヒロインで王太子と恋に落ちるヒロインに転生しているのに気が付いたからだ。王太子は悪役令嬢のキャロルと婚約破棄、だけどキャロルには密かに想いを
寄せられていた若き公爵ウォルターとの溺愛いちゃラブ生活が待っている。対するステラは能無しで役立たず、王太子に呆れられ夫婦中はギスギスし荒れていく。つまり、ステラはキャロルが幸せを掴むための踏み台ヒロインなのだ。
そんなのは真っ平ごめんなので悪役令嬢と王太子との恋愛成就の為にあれこれ頑張ってみるけれど、ちょっと気掛かりなのはキャロルといちゃラブするはずだった若き公爵ウォルターのこと。キャロルとの結婚を私に妨害されるウォルターにちょっぴり罪悪感を抱いていたら、偶然ばったり出会ってお友達認定されちゃったんですが……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-04 19:19:00
193434文字
会話率:52%
大賢者セージは己の命と引換えに邪神を封印する。女性と話すのが苦手で、非モテ人生を歩んでいたセージが死の間際に願ったことは、美少女に生まれ変わること。自分が女の子なら、女の子と話すときも緊張しないだろうと思ったのだ。謎の存在によって願いを叶え
られ、病弱な美少女に憑依転生するセージ。しかし、少女の身体を乗っ取った罪悪感に耐えきれない。その結果、回復魔法で少女を救い、自身はヒツジのわたぐるみに魂を移すのだった。
――これは、ヒツジさんボディに憑依したかつての大賢者が、美少女パーティを結成してわいわいきゃっきゃの冒険を目指す物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-01 19:22:40
159984文字
会話率:51%
死体の隠し場所がひまわり畑だと突き止めた探偵。しかし、一向に死体は見つからない。子供たちが見守る中、死体探しが続く。ひまわりを犠牲して――
最終更新:2022-12-31 08:00:00
988文字
会話率:33%
将来の夢というものを見失ってしまった大学二年生の河館咲希は人付き合いが苦手で、友人もほとんどおらずぼっちの日々を過ごしていた。
そんな咲希はいつも通り大学の廊下を歩いている時にある落し物を拾う。
「これ、落としましたよ……ね?」
腰ま
である黒髪に相反する白銀色の睫毛、白百合色の大きな瞳。
振り返ったのは歳に見合わないほどの美貌を持った華奢な少女だった。
「…………すみません、失礼します」
少女は差し出された栞を奪うように受け取り、去っていってしまう。
持ち主に返せたことに安堵してこの話は終わったかと思われたが、昼食を食べに向かった食堂で、見覚えのある少女が不良2人に絡まれていた。
もちろん見て見ぬふりをできるはずもなく、咲希は少女を救ってしまった。
「お礼をさせてください」
それがきっかけで始まる謎の関係。
少女にあるのは罪悪感だけで、それ以外の感情なんて微塵も無かったが、それはお互い同じだった。
少なくともその時まではそのはずだったのだ。
これは、一人の少女と青年が夢をさがしに行く物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-31 05:00:00
231158文字
会話率:46%
伯爵家の次女として生まれたカサンドラは、幼い頃から愛くるしく美しい娘だった。
周囲に深く愛され、何不自由なく幸せに暮らしてきた。
カサンドラの幸福は、18歳で社交界デビューをしたと同時に崩れ去った。
姉の婚約者がカサンドラに心を移
してしまう。それが全ての始まりだった。
婚約破棄された姉が憤慨し、絢爛豪華な舞踏会の最中にカサンドラへと銃口を向けた。
罪深いカサンドラに死を与える為に。
カサンドラと怒り狂った姉が揉み合った末の拳銃の暴発……
命を落としたのは哀れな姉だった。
息絶える姉を間近で見つめながら、止まらない姉の血に腕を濡らす瞬間が何時までもカサンドラを酷く苦しめ続ける。
夜も眠れずに自分を責め続けたある日、伯爵家は気候が過酷な土地に古い屋敷を所持しているという事実を知る。
過酷な土地で一人きり、誰も頼らずに暮らす事は、少しは姉に対する贖罪になるだろうか……?
一人で過酷な土地へと向かう為、カサンドラは家を飛び出した。
家族にも、友人にも、誰一人として居場所を教えずに。
これは傷付いたカサンドラの再生とスローライフの物語
◆◆◆◆◆◆
※冒頭部分に流血シーンがあります。
※架空世界のお話です。元になっている国はございません。
※主人公に非常に癖があります。
※作者は初心者なので変な文章や誤字脱字が有ると思います。
その際は教えていただければ嬉しいです。
アルファポリスでも先行して投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-30 18:00:00
181481文字
会話率:30%