大貴族の出でありながら帝国騎士団に従事するキリエの周りには、うんざりするような仕事と筋肉馬鹿ばかり。しかも副官は融通の利かない鉄面皮。――どうして私の周りはこうなのかしら。
今日もキリエは溜息代わりに煙を吐く。
最終更新:2015-10-28 00:00:00
29178文字
会話率:33%
帝国大元帥を務めるアントン・ラグラスの娘マルトーは偉大なる父の助けとなることを目標に帝国騎士を目指すが、各地方を巡察し、そして帝都の変貌を目の当たりにして、帝国を覆う問題が極めて深刻であること、父が難しい立場に立たされていることを知る。マル
トーが晴れて帝国騎士叙勲が決まった日、幼馴染みの騎士ギムナス・アールセンと再会し、親睦を深めるが彼が
「王党派」と呼ばれる急進的な若手騎士達の指導者であり、アントンとは敵対する存在だと聞かされる。父を信じ、改革の成果が出るのを待って欲しい、とマルトーは訴えるが、話は決裂してしまう。ギムナスが王党派であることは秘密にすると誓ったマルトーだったが、直後に父のアントンから帝国騎士内の急進的な勢力の動向調査を命じられる。マルトーは即答して引き受けるが、内心ではギムナスを裏切るのか、父を裏切るのか、の二択に困惑し、己の無力に愕然とし自己嫌悪に陥っていく。
それでも騎士としての責務を果たしていたマルトーは、任務中に賊の子どもを殺めてしまい、五日間の休暇を言い渡される。悄然としながら家に戻ったマルトーに大貴族の令嬢からお誘いが届く。叙勲祝賀会で知り合い文通相手となっていたユーリシアからの誘いだった。お茶会の中でユーリシアの既存概念に囚われない自由奔放な考え方に感銘を受けたマルトーは、ギムナスともう一度向き合い、彼の性急な考えを止めることを決意する。だが、彼女の想定よりも早く、事態は動き始めてしまう。貴族の肝いりに新設された都衛士隊が帝都の新月地区を焼き討ちする事件が起こり、これが引き金となり王党派の騎士達は決起し、主要市庁舎の占拠、という行動にでる。次々と状況が進展していく中で、マルトーはもっと早く行動を起こさなかったのか、ギムナスが背負っていた苦悩を一緒に分かち合うことをしなかったのか、と自分自身を責め、無念さに慟哭する。その葛藤の中でマルトーはギムナスのことを想う自分自身の気持ちに気がつく。王党派の決起が不発に終わり、反乱軍として追い込まれている事を知ったマルトーは、ギムナスのために王党派への合流を決意する。新月地区にてギムナスと再会し、彼に自らの想いを伝えたマルトーは、ギムナスの命を助けるために帝都脱出を提案する。重傷のギムナスを逃がすため、囮部隊を率いて出撃したマルトーは、奮戦するも数に勝る正規軍に圧され、最後は自ら川に身を投じる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-26 01:00:00
102089文字
会話率:44%
実家の田舎領地を継いだ元帝国騎士マンフレートの元に、縁談が舞い込んできた。「だがな、ハルトヴィヒ……。いくらなんでも、第五十二息女はないと思うのだ」「十人も百人も、大して違いはありませぬ」婚約者や恋人がいるわけでなし、この縁談、断る理由もな
いのだが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-07-16 15:35:44
37375文字
会話率:31%
ユーグニスタニアの三大勢力が一角、グラナベルト帝国。
最近、帝国内で国そのものを覆しかねない論争を呼んでいる事柄があった。それは「女性騎士団」の創設。保守的な貴族や男尊女卑に凝り固まった者達で溢れ返る帝国で渦巻く、侮蔑や嘲笑、差別と偏見。「
人間至上主義」がもたらした、他種族との埋め難い軋轢と怨嗟。それらを煽るかのように暗躍する犯罪者や邪教の集団。これは対術式師用騎士 -術式騎士- を擁する最精鋭部隊「キルヒア・ライン」に身を置く、後に帝国七武神の一角となる2人の男女が遭遇する【奇譚】というべき物語である。※初投稿です。拙文が多々あると思いますが、ご容赦下さいませ。本作はいえこけい氏が執筆しております「リーングラードの学び舎より(N7826BD)」の二次創作です。執筆にあたって、作者様よりの許諾を得ております事、また本編の都合上、設定変更の恐れがございます事を予めご了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-03-24 19:18:54
31925文字
会話率:26%
これは、帝国騎士団団長と王勅騎兵のある日の出来事
最終更新:2012-08-30 22:00:00
2952文字
会話率:60%
夏の終わりの辺境で、護衛士ラウルは奇妙な男装の美少女を保護してしまう。襲われ逃げてきたというその少女は遠い隣国の地へと向かっており、結局ラウルは見殺しにもできずに共に旅立つことになる。
同じころ、とある帝国騎士も因縁の事件を追ってやはり
隣国へと向かっていた。そして国境で出会ったのは事件の最重要参考人の女。騎士は女を拘束しようと試みるが、ある重大な事実に気づいてしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-05 20:09:49
288322文字
会話率:36%
昨日を司る塔に人類は居なかった。血に染まった善人は史上最凶のマゾヒストだった。世界最後の巫女は欲深き守銭奴だった。桃源郷に転がり込んだ人間は番人をしていた。今日も核地雷は笑っていた。使用人は一人で炊事洗濯簿記戦闘を全て熟す。お嬢様は屁理屈を
捏ねるのがお上手。そんな七人が営む『便利屋』は今日もいつも通りの異常運転。※その内、表紙が出来ると思いまする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-01-09 17:00:00
11743文字
会話率:48%
愚かな国々と名付けられた戦争が終わった世界……人間、末天人、半獣人、そして世界にたった独り残された竜人が織り成す物語。金欠独立軍に所属する一七歳にして中尉のメイト=ヴァルター、ヴァミル帝国騎士団十番隊の若き隊長クラド=チビィ。人の味方である
独立軍、正義の味方である帝国騎士団、幾度となく衝突する二人。選ぶべきなのは人か正義か、大切なものを考えるシリアスファンタジー小説……に桁違いの戦闘能力を持つ竜娘が一人います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-01-08 20:26:23
61571文字
会話率:47%
ライティル、クラディス、リッツ。
ガルドニア帝国にあるエルドラン国立騎士軍隊養成学校にて三人に訪れる、三者三様の出逢い。
『従者(アントラージュ)』という愛すべき使い魔の存在。
孤独な僕の傍に居てくれたのは、いつだって君だった。
仲間
、友達の大切さ。見守ってくれる人の暖かさ。怒ってくれる人の有難さ。
自分を慈しみ、愛情の中で育ててくれた家族への感謝。
これは世界に星の数ほどある、でもたった一つのファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-01-30 20:43:41
29046文字
会話率:10%
帝国騎士クアッドと宮廷魔術師リーファ。二人は幼馴染で気の知れた仲。難しいことはよくわからないけれど、何と無く大丈夫。二人は常に前向きな思考でどんな状況でもくじけない。そんな二人が織り成す奇跡のような行き当たりばったりの行動。「他人は暗い過去
を背負っていると言うけど、俺たちは気にしてないね!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-06-28 01:37:05
62278文字
会話率:57%