優奈と洋輔は子供の頃から二人で将棋を指すことを楽しんできた。
それは将棋を指すこと自体を楽しむことでもあるが、二人の時間を持つことを楽しむことでもあった。
しかし、いつしか洋輔に美穂という同級生のガールフレンドが現れ、その時間が終わりを告げ
ようとしていた。
優奈は自分の気持ちに区切りをつけるための決意を秘めて、洋輔との最後の対局に挑む。
コバルト短編小説新人賞、もう一歩の作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-10-01 21:04:47
8363文字
会話率:25%
ぼくの祖父は将棋をしています。でも、相手は目の前にいません。立派な将棋盤はつねに広い和室にぽつんとあって、駒もほとんど動きません。動くときは、夕立が降った後。庭に小魚の刺さった矢が立っている日。それを見つけたら、ぼくは祖父に届けます。矢は
、深海からの手紙。返事は、小瓶に詰めて海に投じます。そんなやりとりの、ゆっくりとした対局。やがて祖父が亡くなりました。ぼくの父は早くに亡くなっているので、ぼくが対局を受け継ぐことに——。
他サイトに「瀬川潮♭」名義で発表した旧作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-12 09:45:39
994文字
会話率:29%
高校生活最後の囲碁大会。主人公とライバルの潤との最終決戦が始まる。その結末は。
最終更新:2012-07-18 02:22:58
3431文字
会話率:11%
杉本7段は中学将棋の主催者である。
アマ有段の中学生ばかりの子に弱々しい女の子を見たのである。
「女の子かっ…この中学大会では珍しいなっ」
興味からチラッと手筋を覗いた。
「えっ本当かっ!」
杉本は女の子の軽快な捌き駒に魅いる。そ
して終盤の手筋を見て唸ってしまった。
劣勢で難局は一目みてわかる。どうしても敗着である。
(敗け覚悟で)飛車の手筋を強引に切り開こうとしていく。
「この劣勢からどう思って飛車筋を指すんだ。この娘さんは将棋を知っているのか。それとも…」
プロの杉本から見て先の読めない難局。相手の手筋が正確に王将の詰みを示していく。
パチン!
「あっ!」
女子中学生は局面を打開して終盤を捌いてしまう。
終盤まで縺れ劣勢だった局面は信じられない強引な将棋となり飛車を打ち込み逆転勝利。
「フウッ~危なかったわ」
それが師匠杉本と愛弟子中学生棋士・伊緒の出会いであった。
杉本に弟子入りをしプロ指導を受ける。女流奨励会は快進撃を続け勝ち進む中学生女流棋士伊緒の姿があった。
可愛い将棋屋さん伊緒ちゃんと勝負してみますか。
「私(将棋は)手加減いたしませんよ」
伊緒は厳しい女流棋士の世界で勝負!
かわいいお嬢さんは盤面を睨めば怖い勝負師になる折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-08-22 20:25:23
66363文字
会話率:30%
その少年は幼少から囲碁の手解きを受けすくすくと伸びていった。
努力が認められ若手囲碁棋士プロデビューも果たすがそこに落とし穴があった。
青春時代の甘酸っぱい恋である。
恋は勝負師たる棋士に必要なのか。
最終更新:2007-05-04 05:49:31
57667文字
会話率:40%