東条朝陽が生まれてから十二年の間を過ごしてきた、『八雲町』にはなにもない。
かろうじてコンビニはあるが、全国チェーンの牛丼屋や中華料理屋、イタリアンレストランはない。
目立ったお祭りもなければ、郷土愛すらもない。
あるものと言えば、全国展開
されている総合スーパーとシャッター商店街手前の寂れた商店街だけだ。
田舎と呼ぶには本物の田舎には失礼ではあるものの、『街』とは決して呼べない場所だ。
それでも、この町には西野日奈がいる。
名前の通り、お日様みたいな笑顔がかわいい、初恋の女の子がいる。
それだけで、朝陽にとってこの町は特別な町だった。
そんな初恋の女の子がいるだけのなにもない町で、朝陽と日奈は一人の女に出会った。
女は二人に訪ねる。
『わたし、きれい?』
日奈は答えてしまった。
そして、女は嗤った。
『これでも……?』
口元まで大きく裂けた不気味な笑みを浮かべて。
────口裂け女が、立っていた。
※こちらの作品は『カクヨム』にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-02 07:00:00
43301文字
会話率:28%
以下のお題で書いています。
■シャッターチャンス
■愛を囁く
■もう手を離さないで
~http://お題.com~
最終更新:2020-08-23 21:25:27
3557文字
会話率:25%
私は、坂口絵美。もうじき十八才になる受験生だ。
二学期の期末試験の前、私は授業中に、奇妙な夢を見た。
私は、何十体もの人形のいる部屋の中にいて、春子ちゃんという可愛いらしい少女に、その人形をあげたところだった。
友達の由香に冷やかさ
れるが、私は、その日の朝、生まれて初めての恋に陥っていた。その青年の走り去る姿が、カメラのシャッターを押してしまったように、私の頭から消えない。
由香の家で一緒に勉強することになった私は、由香の隣の家の前で、また偶然に、彼に出会う。そして、また、由香の家でも。
彼は、私を『華さん』という人と間違えているようで、突然私に抱きついたりしたので、由香と二人のお兄さんから、変態扱いされる。
由香のお祖父さんは、かなり惚けていて、やはり、私を『華さん』と呼ぶが、お祖父さんの持っていた昔の写真に写る『華さん』は、私にソックリだった。華さんの膝には、不気味に目を光らせた黒猫が座っており、その周囲には、ポツポツと灯る明かりのような目をした無数の日本人形が写っていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-19 14:56:31
68922文字
会話率:27%
私立探偵である橋田 亮 は細々と事務所を開いてたある日受けた依頼により彼は非現実の中に引き込まれて生死をわける選択を迫られる
最終更新:2020-07-05 19:45:50
2771文字
会話率:87%
3つ年下の妹は、自分の結婚相手を「ねえちゃんのカメラに認められた男」と呼ぶ。その背景には、私の気まぐれと彼女のこだわりと、あの日の激昂があった。
花嫁姿の妹をファインダー越しに見守りながら思い出す、若く苦くも光放つ原点ともいえる日々。姉とし
て、仕事人として、シャッターを切り続けた姉に、妹がひそかに送ったものとは。
※友人の結婚祝いに寄稿した作品です。同人誌として刊行しているため、こちらには加筆修正前のものを掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-17 13:44:48
7822文字
会話率:45%
お菓子メーカーの会社に就職が決まった風野涼がお盆休みに実家の田舎に帰って来た。
実家への帰り道シャッターの閉まった一軒屋があった。
そこは昔子供の頃によく友達と集まっていた今ではあまり見なくなった駄菓子屋だった。
最終更新:2020-04-29 18:53:14
351文字
会話率:0%
デジカメで写真を撮るのが好きな女の子が桜の木の下で女の子と出会うお話。
※pixivにも投稿しています
最終更新:2020-03-26 22:26:29
9801文字
会話率:61%
前を見ると、黒い頭の群れはずっと先まで続いている。その光景は僕に動物園を想像させた。動物の群れ。群れは圧倒的な力で僕を飲み込む。軽く眩暈を感じて、行列を崩さないようにシャッターの閉まったタバコ屋の前に立って、僕は、吸っていた煙草を捨てた
。僕は、肺に一杯空気を吸い込んだ。新鮮とは言い切れない空気が肺に刺さったが、眩暈はとまった。タバコ屋の隣の店はゲームセンターだった。小学生の女の子が「太鼓の達人」をしていた。親を探してみたけど見当たらなかった。僕は、眩暈が戻ってくる前に僕はひっかけ橋の方向へ歩き出した。
受験に落ち、予備校に通っている「僕」の前に現れた「少女」
蝶ははばたく。現実と幻想の青春物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-22 13:08:00
4447文字
会話率:41%
喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。
今日のお客様は
シャッター街となった商店街で父親と靴屋を営む裕人。
そのお店に、人材育成コンサルタントの桜島が下駄を求めて訪れた。
裕人の悩みに応える桜島は、彼をカフェ・シェリーへと連れて行く。
そして、自分の店を世界一にするための方法に気づく。
果たしてその方法とは?
この作品はAmeba Blog(https://ameblo.jp/cafe-shelly/)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-28 14:28:38
14959文字
会話率:57%
桜並木の下、一つシャッター音が響く。
内気な女性、八重はカメラマンのアルと出会った。
一枚の写真が繋ぐ男女のラブストーリー。
最終更新:2020-02-26 11:53:59
18014文字
会話率:55%
第26回電撃大賞の1次通過作品となります。
公募用に改稿したバージョンとなっている為、以前連載していたものと若干変わっています。
ごく普通の高校生でアニメオタクの数馬九十九。
九十九はオタクだからといって引き籠りってわけでも、友達
がいないわけでもない。ごくごく当たり前の高校生活を送るティーンエイジャーである。
そんな九十九が、冬のコミックマーケットでのある事件を切っ掛けに、コスプレイヤーを撮影するカメラ小僧、「カメコ」の世界に興味を持ち始める。
貯金を崩して買った一眼レフカメラを手に、写真の練習をしてきた九十九。
いよいよ、コミケでの初めてのカメコ参加の日に、九十九はコミケ会場で見知った人物に偶然出会った。
土留彩羽。
九十九と同じ高校に通う一つ下の後輩。
彼女とは図書委員の時に、貸出係などで何度か顔を合わせるくらいで、特に親しい先輩後輩というわけでもなかった。
しかし九十九は、夏コミのコスプレエリアで、コスプレイヤー達を見つめる彼女の姿に目を奪われてしまった。
彼女に向かって無意識にシャッターを切った時、土留彩羽が最高のコスレイヤーになれると確信した九十九は、彼女にコスプレをしてみないかと言ってみる決意をするのであった。
「地味な子はなにをやっても地味なんですね」
数馬九十九、17歳高校二年生。
土留彩羽、16歳高校一年生。
初心者カメコと初心者レイヤーの二人が織りなす、ドタバタコスプレ恋愛コメディ。
はじまります!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-02 09:00:00
93738文字
会話率:40%
生きることを知らない僕ら
最終更新:2020-01-06 05:46:39
4053文字
会話率:13%
スタンダスタ・クルール(主人公)が住む村の子供たちは「16歳」になると、みんな「村」を出る。それは村に伝わる昔のしきたりの様なもの。村の外を出て様々な経験をし、自分の将来を決めることがこのしきたりの目的である。
・・・とはいえ、道中に出てく
るモンスターを倒すことに快感を覚え、のちに職業戦士となる子供たちがほとんどである。しかし、クルールは剣を持って戦う事を嫌った。決して人々に害を与えるモンスターを殺生することに否定的な訳ではないのだが、そもそも自分に戦士が務まるとは思えないし、何よりクルールにはぼんやりとではあるが、やりたいことがあった。大好きな「カメラ」を持って旅をすることである。そしていつか「カメラ」を使った職業に就きたいとも考えていた。だが自分一人、カメラ片手に旅に出るのはあまりに危険すぎるので、誰か一緒に旅に出てくれる人は居ないだろうかと探していたら、、、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-03 06:08:45
80246文字
会話率:59%
何十年と住み慣れた故郷へ訪れた。
幼い頃から見てきたその場所の面影は無かった……
最終更新:2019-10-30 17:58:43
801文字
会話率:0%
都内の広告代理店に勤務している坂田祐介は、一九九八年初春に不思議な体験をする。それは、現実の時間で七、八秒の出来事が記憶の中での体験では一年にも及ぶものであった。坂田の体験したはずの記憶を辿りながら物語は展開していく。
ある日、同僚のグラフ
ィックデザイナーの早川満は突然「山」が理由もなく気になりはじめて翻弄する。早川は坂田を巻き込みながら、何故「山」が気になるのかを探っていくうちに登山家の黒川一郎と出会う。黒川は二人にふくろう蝶の不思議な話をし、ファイルムメーカーの企画する世界の著名なカメラマンがある「瞬間」に一斉にシャッターを押す写真集の制作を依頼してくる。「写真集」と「山」。物語は偶然と必然のプロットを繋ぐよう展開する。すべての偶然が繋がっていく。
早川が気になっていたのは実は「山」ではなく「ピラミッド」であった事に二人はたどり着き、それは三千年後の人類にとって重要な全世界で展開されるプロジェクトである事を認識する。操られている・・・・・・誰かに。
二人は、ピラミッドプロジェクトの全貌を必死で探ろうとする。登山家である黒川は実は、人類学、医学、天文学、考古学などの学位をもつ学者であった。黒川は水先案内人のように、二人を導いていく。そして、ついに「山」「写真集」そして「ピラミッド」が繋がり「ピラミッドプロジェクト」の全貌が明らかになる。しかし、実行するにはどうしても必要な協力者がいる。
黒川は、手をかざして不治の病を治すことが突然できるようになった高木光を紹介する。高木は政財界の人脈をもって「ピラミッドプロジェクト」に協力することになる。そこに、英国から帰国した男、加藤が一九九九年一二月三一日に、全世界のテレビ局が同時に二四時間番組を放送するという「ミレニアムプロジェクト」の協力を高木光のところに持ち込む。「ピラミッドプロジェクト」と「ミレニアムプロジェクト」が繋がっていく。早川が「山」が気になってから、やっとたどり着いた「ピラミッドプロジェクト」・・・・・・。
しかし、その瞬間、坂田は一九九八年の初春、黄色い斑点のてんとう虫が腕時計のベルトの所にとまっていた「瞬間」を見ていた。いったい「瞬間のベクトル」の中で何処にいたのだろうか?「過去」なのか「未来」なのか、「現在」なのだろうか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-19 17:00:00
4540文字
会話率:77%
青春っぽいものです。男女で考えちゃって下さい。なかなか美味しい展開をどう対処するかみたいな話です。夏の終わりにぜひどうぞ。というかこれめっちゃ短いな。
最終更新:2019-09-14 19:30:55
1649文字
会話率:13%
三題噺ーキーワード ヒョウ、てるてる坊主、シャッター
最終更新:2019-06-21 00:00:00
229文字
会話率:56%
人生にうまくいかず、心折れかけた少年は、腕時計が止まっていたことに気づき、馴染みの時計屋さんに向かうけど、もうすでにシャッターは、閉まっていた。他の店にも訪れたけど、この時計はなぜか?特別だった。この時計を直すところはどこか探しても見つから
ない、彼は自力で探すことにした。(この詩から物語が書けたらと思いますね)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-12 02:43:21
685文字
会話率:0%
「ちょっと遠くの寂れた商店街に美味しいたこ焼き屋があるんだよ」
そんな幼馴染みの言葉に興味本位で向かった商店街は今にも無くなってしまいそうなシャッター街。
そこで食べたたこ焼きは確かに尋常じゃない美味さだった。
「これ本当にたこ焼き?」
「くら焼きだよ」
「くら、って何?」
「クラーケン」
「解せぬ」
たこ焼きならぬ、くら焼きを出す店を経営する夫婦
古物商の金髪エルフ娘
革細工を格安で売るドワーフ
エルフ娘にセクハラする謎のジジイ
そんな彼ら彼女らが集うこの場所こそ
『第十七区二番街 異世界商店街』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-06 12:32:30
17811文字
会話率:27%
いつもと同じ景色。いつもと同じ時間。
自転車を漕ぐスピードも、私を置き去りにする景色も、何も変わらない。なぞって繰り返すだけの毎日。
だけど「つまらない」なんて零した私は、何も変わらないと思っていた毎日の中に、絶対に同じものなんて一つ
もないものが私の真上に広がっていることを知らなかっただけなんだ。
永遠に残しておきたいものはいつだって私の心の中だけにある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-30 12:57:38
2250文字
会話率:28%