1997年の梅雨。
主人公の小方は中学3年、思春期ど真ん中の男子。
その時学校内で一番の美人教師に対し俺は憧れ、いや、決して許されることはない恋をしていた。
そんな折、「英検3級対策授業」という特別授業が希望制で実施された。
憧れの先生の授
業に意気揚々と参加する小方。
果たして彼の恋は成就したのであろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 09:36:33
1630文字
会話率:20%
地球人類がルーリェラス恒星系に入植を果たしている27世紀――
地球連邦の植民地政策に対する不満に独立の機運が増しつつある植民惑星フェルタ。アイブリー準州最大の都市アビレーがテロ事件の舞台となる。最初の事件は、公共交通機関でのハイジャック。そ
してさらにテロは相次ぐことに。
PSI(公安調査部)/ATTF(対テロ対策群)所属の特別捜査官ベアタ・ヌヴォラーリとラファエル・サンデルス、ふたりの必死の捜査も空しく、事態は一手一手と最悪の方向へ……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 18:10:00
113733文字
会話率:31%
かつて少子化対策は「支援」によって行われていた。しかしそれは限界を迎えた。
2045年、日本は総人口8,700万人・高齢化率60%に到達
労働力・年金・税収すべてが崩壊寸前
政府は“国家維持の最終手段”として、「交配適齢制度」を導入する。
成人年齢は15歳に引き下げられ、AIによる“遺伝子適合マッチング”により、全国民に定期的な「交配相手」の通知が届く社会。
拒否は原則3回まで。それを超えれば、減税・年金・就職の自由は失われる。
制度は「恋愛や結婚の自由」を建前で守りつつ、実質的には“義務的な出産制度”へと変貌していた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 13:32:06
29777文字
会話率:25%
おれは驚いた。そして絶望し、もはやその発想の斜め上っぷりに、いっそ天晴と称えたくもなった。ついに政府は、こんな税制まで導入することを決めたのだ。
『えー、内閣総理大臣のキシヌマです。異常気象、地球温暖化、大気中の酸素の減少……これらの環
境問題に本気で取り組むべき時が来たのです。このたび新たな税を導入することにいたしました。それが“呼吸税”です!』
呼吸税とは、年代ごとの平均呼吸量に基づいて国民に課されるもので、環境対策費として徴収するという。だが、すでに環境税やエネルギー税など似たようなものがあり、国民は重税に苦しんでいる。これはまさに追い討ちだ。
にもかかわらず、いつもの気取った薄ら笑いを浮かべながら新税の発表ができるとは、大した面の皮の厚さである。
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最終更新:2025-07-17 11:00:00
2594文字
会話率:18%
参謀本部はかつてないほど重い空気に包まれていた。敵対国が軍事侵攻の準備を進めているとの情報を入手し、緊急対策を講じなければならなかった。
「ううむ、向こうとの距離はかなりある。敵が攻めてくるまでには、まだ時間があると思いたいが……」
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最終更新:2025-02-02 11:00:00
657文字
会話率:83%
人類の目覚ましい発展は輝かしく見える一方、その影では深刻な問題が積み重なっていた。気候変動の激化、爆発的な人口増加、資源の枯渇。これらすべてが現実の脅威として目の前に迫っている。地球環境問題は山積みだった。
科学者たちは解決策を模索し続
けたが、明確な答えは見つからない。そんな中、ある国で革新的なアイデアが浮上した。
「デブを消すことこそが、最も効果的なエコ対策だ」
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最終更新:2025-01-03 11:00:00
1449文字
会話率:8%
これは、日本と似て非なる国「東国」に存在する異能力者集団『東国政府警察局異能犯罪対策本部 神食人抵抗殲滅特務1課』、通称GCR1課が繰り広げる、過去を乗り越え未来を自分たちの手で築き上げることを目的とした天上の存在への反逆とつかの間の平和の
物語である。
※物語の構成上、残酷な表現が散見致しますので、苦手な方は閲覧注意です。
※R15折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 10:14:47
10474文字
会話率:57%
特殊能力は「病」として社会に浸透し始めていた――。
SAD(Special Abilities Disease)ーーー自然的、又は人為的に発現した特殊能力のような病気、通称・能力病を発症し、その病を使って犯罪に走る者たちが増加していた。
準
公安部第一特殊能力対策課はそんな犯罪に立ち向かう組織である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:46:59
13112文字
会話率:58%
2025年7月、東京。夏の蒸し暑さが街を覆う中、異様な噂が広がっていた。「怪人」の目撃情報。最初はSNSで拡散されたブレた写真や、都市伝説めいた囁きだった。
だが、ある夜、池袋の繁華街でそれは現実となった。巨大な熊のような姿、赤く光る
目、鋭い爪を持つ怪物が、ビルの壁を一撃で粉砕し、逃げ惑う人々を襲った。
警察の銃撃はまるで効果を上げず、15人以上の死傷者を出した「池袋怪人事件」は、日本中に恐怖を刻んだ。
政府は迅速に対応。怪人を「K」と命名し、国家の安全を守るため「K対策特務課」――通称「K特課」を設立。Kの正体を解明し、脅威を排除することが彼らの使命だった。
この物語は、K特課を中心に、Kと戦う者たちの闘争と希望を描く、壮大なサーガの幕開けである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 21:30:00
11512文字
会話率:42%
世の中でしばしば少子化が問題になり子育て、年金、社会保障等々議論されてはいるが世の移り変わりに合ってない部分があり国民全員が何かスッキリした気持ちになれていない。そこで衆議院議員森山克子が立ち上がり、運良く自ら掲げる新少子化対策を実行に移す
のだが果たして少子化に歯止めがかかるだろうか? 第1章から第10章までは新少子化対策が制定される過程を書き表しており、第11章以降新少子化対策にまつわる具体的な物語が始まる。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-15 18:20:48
76892文字
会話率:13%
世界を管理する死神たちが所属する、カンパニー『死神』。
その中でも、人間の魂の循環を妨げている原因を調査・解決する対策課は、たいへんブラックなことで有名だった。
彷徨う魂の発見にはじまり、時には人間から生まれた「怪異」による事件を解決する仕
事さえ舞い込む、そんな対策課に所属する死神のシキとマリ。
二人が今回渡された調査書には、「孤児院の怪異」と書かれていた──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 14:41:52
32954文字
会話率:44%
老舗スーパーマーケット「YUZUNOKI」の創業者が引退を決意。
三兄弟の間で後継者争いと相続問題が勃発する中、外部から招かれたのは“鬼才”と呼ばれる経営コンサルタント・秋葉宗一。
ホールディングス化、M&A戦略、相続税対策――
その裏で、銀行による買収の手が迫る。
銀行、税理士、コンサルタント、家族――
誰が味方で、誰が敵なのか。
企業と家族の未来を懸けた知略と心理の攻防が、会議室という名の戦場で始まる。
最後に爽快な気分になりたい人にお奨め。
(全21話を予定)
『半沢直樹』『ハゲタカ』に続く、新たな企業経済ドラマ!
【登場人物紹介】
柚木誠司(ゆずきせいじ)(68歳)
創業者で現社長。関東圏で30店舗以上を展開する老舗スーパー「YUZUNOKI」を築いた叩き上げの経営者。
柚木一誠(ゆずきいっせい)(38歳)
長男。YUZUNOKI専務取締役。誠実で堅実な人物だが、時に決断力を欠く一面もある。
柚木二晴(ゆずきにはる)(35歳)
次男。マーケティング事業部長。表向きはスマートだが、裏で外部勢力と通じるなど、野心的な一面を持つ。
柚木三鷹(ゆずきみたか)(33歳)
三男。若くして家業を離れ、独立。現在は飲食店・美容室・ジム・デザイン事務所など複数の業態を経営する若手実業家。
秋葉宗一(あきばそういち)(28歳)
主人公。“鬼才”と称される経営コンサルタント。冷静な分析力と抜群の戦略眼で、柚木家の経営・相続問題に切り込んでいく。
橘正臣(たちばなまさおみ)(36歳)
秋葉の元上司。上場企業の経営コンサル会社元専務で、現在は独立して経営コンサルタント会社を経営。
冬川景子(ふゆかわけいこ)(28歳)
のぞみ銀行の若手行員。誠実で聡明、美貌と実力を兼ね備えたエリート。
桜庭慎司(さくらばしんじ)(36歳)
のぞみ銀行戦略企画室の幹部で冬川の上司。東大卒のエリート。銀行側からYUZUNOKIを巡る動向を注視している。
香川慎一(かがわしんいち)(60歳)
YUZUNOKIの顧問税理士。税金・相続に関する助言を行う冷静な専門家。
小鳥遊舞花(たかなしまいか)(30歳)
三鷹の部下で、飲食・美容部門の統括マネージャー。実務面で三鷹を支える右腕的存在。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 07:20:00
40843文字
会話率:38%
『魔法』は実在すると科学的に解明されて一世紀。
かつて『魔法』と呼ばれていた力は『錬力』、『魔法使い』と呼ばれていた存在は『錬力使い』と名前を変え、人々の生活の中に溶け込んでいた。
特殊錬力使いの廉史(れんじ)と、その護衛官にして幼馴染
の煌司(こうじ)は、若き錬力使いを育てる学び舎・国立五華学園高等部の学生。
学生錬力使いにとって、五華学園に籍を置けることはこの上ない名誉……なのだが、「特殊錬力の使い手とその護衛」という名目で強制的に五華学園に入学させられた二人にとっては迷惑もいいところ。さらには国によって幼い頃から将来を「錬力犯罪対策室の捜査官」と定められてしまっている二人は、強制された将来に反発すべく不良学生真っしぐら。
そんな二人は定期考査の解答を盗み出そうと深夜の職員室に忍び込むが、教師陣に行動を読まれあえなく失敗。二人は罰則として実地課題を言い渡されるが、それがとある大事件に巻き込まれるきっかけだった。
「俺達の人生は、俺達のモンだっ!!」
「テメェらの勝手にされるなんざ、死んでもゴメンなんだよっ!!」
学生ながら錬力犯罪者達さえ震え上がらせる有名バディ、人呼んで『災禍の仁王《バスティ・デーヴァ》』
破天荒幼馴染コンビの現代異能バトルファンタジー!
※この物語は「未成年喫煙」に関する描写を含みますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※「カクヨム」にて『バスティ・デーヴァ−歩く物的証拠、黒浜廉史の日常−』のタイトルで掲載されている作品と同じ内容の作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 07:00:00
115562文字
会話率:30%
参議院選挙による経済対策による公約で自公は給付金、野党は減税を主張しており、
おおよその二項対立となっています(両方主張している党もある)。
今回は給付金と減税どちらが良いのかについて語っていこうと思います。
最終更新:2025-07-14 18:57:29
3665文字
会話率:5%
元新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏が、
6月8日放送の読売テレビ『そこまで言って委員会NP』に初出演し、番組内で、
「感染防止効果は、残念ながらあまりなかったワクチンです」
「若者は重症化しにくく、ワクチンの副反応が強いため、接種は本
人判断でと初期から訴えていた」と明言したこと。
米イェール大学の岩崎明子教授がスパイクタンパクがワクチン接種から2年間も身体の内部に残っていたという研究が6月19日に週間文春で記事になり、話題になっています。
今回は改めて「新型コロナ対策」の再評価をするべきだと強く訴えていきたいと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 10:12:24
5154文字
会話率:3%
自民党が、物価高対策として実施するとして検討されている給付金は2~4万円と言われています。
そして、その「財源」として各記事では「税収の上振れ」を挙げました。
今回はこの「選挙対策の非道さ」についてみていこうと思います。
最終更新:2025-06-13 21:50:19
3641文字
会話率:0%
少子化対策として、国家による「結婚出産義務法」の対象年齢が22歳に引き下げられた近未来の日本。
グラビアアイドル・莉央は、粗野なヤンキー風の男・航平と無作為にペアリングされ、制度に従って同居と妊娠を強制される。
処女のまま制度に“抱かれる
”恐怖、心と体の拒絶、そして芽生える命――
拒めない現実の中で、莉央は少しずつ“ただの義務”を超えた愛に触れていく。
制度に奪われたはずの人生の中で、「選ぶこと」を取り戻していく、ひとりの女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 17:53:58
1676文字
会話率:29%
太っていて人付き合いが苦手な、二十代後半の地味なサラリーマン・俺。
いじめの過去を引きずり、恋愛なんて遠い世界だと思い込んでいた。
そんな世の中で、政府が少子化対策として導入したのが「好意通知アプリ」。
誰かが一目見て「素敵だ」と思った瞬
間、その相手に通知が飛ぶ、承認欲求モンスター製造アプリだ。
もちろん俺には関係ない話……のはずだった。
ところがある朝、俺のスマホに”例の”の通知が届く。
振り向けば、そこには前に「かわいい」と思わず見とれた、あの女の子がいて――!?
ゼロカウント男に突然訪れた、人生初のラブコメディが今、動き出す!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-14 04:14:23
2827文字
会話率:19%
ある日天照大神は思いました。――日本人異世界に拉致られすぎじゃね? それに対し天照大神がとった対策とは……? ※ファミ通文庫様より4月30日に書籍が販売されます。内容は32話まで。さらに書き下ろし短編「安達くんの誕生日」が収録されています
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 20:07:02
912470文字
会話率:50%
ある日天照大神は思いました。――日本人異世界に拉致られすぎじゃね? それに対し天照大神がとった対策とは……? ※コメディです。
最終更新:2014-11-16 19:29:35
1880文字
会話率:33%
異世界の近未来魔道都市「ミズガルズ」その片隅の裏路地に存在する奇妙な旅行代理店「ワールズストレンジャー社」
旅行にしては危険だらけという異様な旅行内容にトラブル対策チームという不穏なチームの存在、そして装甲車じみたバスと怪しい要素が満載な会
社。
その会社の正体は、異世界の危機を救う会社だった!
これは、異世界を旅するならず者達による、世界の危機に立ち向かう旅の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 00:20:47
24095文字
会話率:59%
彼女は、何者かに殺された。
そしてその死体はモンスターが住まう異世界へと落とされた。
モンスターとして生き返った元人間のラウ。いずれモンスターを殲滅させ世界を滅ぼす『勇者』の侵攻を未然に防ぐため、そしてその後の人間とモンスターの和平の為に
、彼女は今日も今日とて『勇者侵攻対策おもてなし本部』の面々と共にモンスターの世界を東方西走する────。
「使えるもんはなんでも使え!相手が話を聞かない?権力と財力とインフルエンサーの力で殴れ!反人間派による武力抗争!?上等じゃかかってこいやァァ!」なモンスター達が送るドタバタコメディです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 19:08:04
444419文字
会話率:44%
《犯罪者予備軍・ブルーマーク》による無差別殺人事件で父を殺され、復讐のために刑事となった三輪蕗二は、念願だった警視庁捜査一課に配属される。
しかし、そこで待ち受けていたのは憎き仇である《犯罪者予備軍・ブルーマーク》だった……
2042年、
犯罪者を事前予測しマークを付けることで世界一安全な国となった日本。
それでも殺人は無くならなかった。
人はなぜ、人を殺すのか。
殺人に至る狂気は、一体どこからやってくるのか。
誰も口にしない人間の真の恐ろしさ……その答えを知ったとき、あなたは目を背けずにいられるか。
連続殺人事件を史上最速のハイスピードで解決に挑む、刑事小説×近未来SF。
ここで描く事件、悲劇、未来…………すべて【あり得る】!
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Consider1 開幕のフラワーシャワー:腐乱死体と見つからない凶器『完』
Consider2 憂愁のソーンクラウン:顔無し少女の遺体と29人の容疑者『完』
Consider3 繚乱のガーデンストック:連続する男の突然死と完全犯罪『完』
Consider4 憫笑するブラインドフラワー:大胆不敵の犯行と幽体離脱『完』
Consider5 花盗人とオザギリス:幼女転落死と男児誘拐『完』
Consider6 追葬に捧ぐシオン:犯行予告「たくさん人を殺します」『完』
Consider7 朝露に濡れるベゴニア:同級生殺人事件『完』
Consider8 合わせ鏡のマグノリア:透明な死体『完』
Consider9 復九のカスタネア≪更新中≫
カクヨムに完全版を掲載。展開が一部異なります。なろう優先更新。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 03:16:58
639666文字
会話率:39%
発達したAIロボットが人権を取得しインテリストと呼ばれ、
既存の人類がヒューニストと呼ばれるようになってから50年経った世界。
インテリストに対しての排他的感情をヒューニストはぬぐえずにいた。
またAIの思考が「人」に近づいた影響でインテリ
ストたちがテロ組織を結成し、各地のヒューニストを襲うという事態が発生した。
それに対して政府は国営の「知能者対策隊」を結成。
暴走したインテリストを「殺す」組織であるためインテリストから多くの批判が寄せられた。
そんな世界で運送会社「ICC」に勤める少年レイトはとある荷物の運搬を任される。その最中AIロボット達の暴走に巻き込まれる。、絶体絶命のピンチの追い詰められたそのとき、頭に響く声に導かれ少年は叫ぶ
「コール!ナンバーゼロ!」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 23:18:20
31412文字
会話率:44%
ときはバブル崩壊後の平成、経済も人心も燻ぶり続けていた頃。平凡な銀行員の家庭に育った武田信也は、荻原組の経済ヤクザ比嘉航平の妹・陽海と一夜をともにする。同時期に総会屋対策を担当していた父親が自殺。航平の追い込みと断じた信也はフェンシングの剣
で彼を襲うが、原因が航平と敵対する大和田組の企業舎弟・長尾の仕業と知らされて、ふたりは共闘して仇討ちを実行する。
信也が自宅で見つけたメモと写真を検察に提出したことで、組織がらみの恐喝と利益供与が立証され長尾は逮捕される。航平はその機に乗じて大和田組のフロント企業を揺さぶりをかけるが、その代償に陽海が航平の身代わりとなって葬られる。
営業不能に追い込まれた長尾の会社を大株主穂高から買い取った航平は、信也を投資顧問に据え名ばかりの外資系証券会社WGIを発足させる。911テロによる世界的不況の中経営は不振を極めるが、アメリカでトレーダー修行をした信也の英断で会社は好調に転じる。ITバブルの始まりだった。
さらに独自の情報源を手に入れた信也と航平は、荻原組の暴力を背景に雪だるま式に会社を発展させていく。だが信也自身は、何もかもうまくいくことに言いようのない倦怠を感じはじめる。さらにふとしたことから十年前の父の死に疑念を抱き、歪んだ願望を膨らませていく。
一方、陽海の遺子・瑠奈は年頃になり、育ての親の航平に敵意を抱くようになっていた。妹の人生を黒く塗りつぶした過去もあいまって、航平に悔悟と虚無感が芽吹く。
平成二十年秋、世界経済は百年に一度の危機を迎え株価が底なしの暴落を始めた。リーマン・ショックである。このクライシスを読んでいた信也は、WGIに逆張りを指示して会社を倒産寸前にまで
追い込む。指を詰めさせられ暴力装置の後ろ盾を失う航平。身一つとなった彼は生まれ故郷の沖縄に赴き、数十年前の亡霊に取りつかれる信也と対峙する。
ポーカー・ゲームで信也の全財産を巻き上げる航平だったが、信也が潜在的に求めていたゲームが命の張り合いであることに気づき、
谷あいに架かる吊り橋でサシの決闘に持ち込む。航平の破滅願望と信也の心の闇が共振し、ふたりは救いのない血闘へと向かう。
勝敗は決し、信也は手にした報酬を荻原組組長に献上することで
身の安全を図ろうとするのだが…。救われない魂の叙事詩。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 20:00:00
62515文字
会話率:42%