ほんの軽い決心で心療内科閉鎖病棟に入院した入江梨沙(25歳)が、薬物療法と隔離療法の末、二か月の間に××と化すまで――。
*
医療法人カナリア心療病院は、入院設備の整った、*県内唯一の歴史ある女性専門の心療内科。都市から離れた山
間部にあるものの、設備は非常に充実しており、人権感覚があり、そして極めて清潔。
25歳の梨沙は、スピード狂であることを心配され、彼に促されるがまま、ここカナリア心療病院に入院することとなった。担当医の成瀬川による診察の結果、基本的に薬物療法による治療で合意し、二か月をめどでの入院と決まった。徹底的な身体検査の後に梨沙が連れて来られたのは、患者が自らの意志で自由に出入りできない閉鎖病棟だった。
梨沙が入った三階閉鎖病棟には、様々な精神疾患を抱えた17名の女性が入院していた。不安障害、PTSD、摂食障害、アルコール依存症、薬物依存症、多重人格など、中には梨沙に似た症状の者もいた。患者たちは病棟の不文律により二つの派閥に別れており、梨沙が入院した時は、多重人格のオザキ率いるオザキ派と、病名不明のヤナギ率いるヤナギ派に分かれていた。どちらかに入るよう迫られ、梨沙はヤナギ派に入ることとなる。
そんな三階閉鎖病棟を仕切っているのは、個性豊かな8人の看護師たちだ。更年期でどことなく不安定な看護師長の松田、心優しく患者たちから慕われている種原、ミスばかりの自分に嫌気がさしている友崎など、看護師も全員女性である。
基本は食後に服用する処方薬による治療だが、患者たちはそれぞれの方法で、自らの病気と、そして、自らが抱える辛い過去と闘っていた。梨沙は周りの患者たちが確かに治癒へと向かっているのを眺めながら、ここでの生活に充実感さえ覚え始めてゆくのだが――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-27 21:16:24
1241文字
会話率:59%
大手都銀を定年まで勤めあげ、現在は時短のシルバー雇用、休日はゴルフ三昧の優雅な老後を過ごしていた。が、ある日、交通事故に会い一命は取り留めたものの五感を奪われ、所謂、植物状態に陥ってしまう。
ただ、ただ、思考するだけの日々、は唐突に終わりを
告げる。
看護師が医療ミスで点滴に不適合薬のパックを付けてしまったのだ。
男の行先は天国か?それとも・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-25 07:46:19
7393文字
会話率:31%
ここは私が営む『すこやか薬師堂』、訪れるお客様は様々な悩みを抱えています。
現代社会に病んでしまった皆様を健やかにするお手伝いをするのが、私の仕事です。
そして治す病は体でなく心の方。
処方する薬は医療用ではありません。少し不思
議な効果を持ったお薬です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-10 12:25:37
1994文字
会話率:47%
ナディアレーヌはエルロッドウェイ皇国の皇女であり、医療を生業とする小さな皇国の
一人の皇女だ。
家族には大切にされ、兄達には溺愛されているが産まれた瞬間から背負うべき密命があった。
17歳のときに神託が下り、神託により一人の人を助け抜くとい
うもの。
その人が望めば共にあり、その人が願えば一緒に命を絶ち、その人を自らが望むことはならない。
相手が望むことを叶えるというナディアレーヌには酷な密命。
そして17歳を一月超えたときについに神託が下る。
ドゥーゼット王国の若き国王陛下。
その人がナディアレーヌが仕えるその一人の人だと。
彼女は幼い何も知らないときに彼に会っていてある年から毎年5月1日に少しずつ思い出す。
小さいときに救った彼を17歳の今、目の前にしたときに彼女は何を思うのか。
そして、彼は何も知らないフリをしながらどういった気持ちで彼女を自分の国に呼び寄せたのか。
孤高の国王陛下と言われた彼が望むべきものはなんなのか。そして二人に下った神託の謎は?
17歳まで自由がないと思いながらも健やかに真っ直ぐに全てを受け止めてきた少女が
愛する人に出会い悩み笑い幸せを掴むまで。
力づくでも精一杯笑いながら戦って時には涙して自分で幸せを手にするまでのとびきり幸せで
とびきり恋に不器用な二人が心を通い合わせるまでのお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-22 17:15:32
387913文字
会話率:24%
残念ですがこれが日本の医療の実態です。日本は精神医療で約40年遅れの水準です。
最終更新:2022-12-08 08:55:57
1129文字
会話率:39%
広島県のとある病院。数年前に出来た病棟には、軽度の疾患から重度の疾患まで、様々な病状の患者が入院している。その病棟の名は、「量子力学病棟」。ここに勤める医師の新井(あらい)は、大学院で量子力学を研究した後に医師となった、珍しいタイプだ。手術
をしない、薬も使わない医療の実現化を目指し、たった一人でこの道を歩む。
「あなたが想った通りになるけぇね」
これが、新井の魔法とも言える言葉でもあり、決してまやかしではない、「科学に基づく法則」だということを、新井は自らの医療で立証していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-01 14:41:52
999文字
会話率:71%
怪我の程度とか、病名とか、小説に出してませんか?
日常的に使っている言葉、それは本当に合っていますか?
※『たまに気になる医療用語』は成績が底辺付近を彷徨っていたと思ったら、底が抜けて落っこちてしまった元薬学生さんが脳内整理がてらお送
りするコラムです。過度な期待は控えてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-23 17:00:10
12716文字
会話率:7%
とある博士の息子が不治の病に罹った。
医者によればその病を治す薬を作るにはには百年の歳月が必要という。
助けるべく、博士が作り出そうとしたものは、タイムマシーンであった。
不治の病の息子を助ける、という思いのみだけ持って必死にタイムマ
シーンを作り続けた博士の末路は…
もはや何作目かもわからない底辺高校生作家の短編です。
毎度のごとくちょっとブラックなので悪しからず。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-09 12:00:00
2054文字
会話率:2%
「あなたが噂の魔女か?」
出会い頭に不躾な質問をした騎士ハルが森の中で暮らす薬師のトーナに1つの依頼を持ってきた。その内容は領主の娘の治療であった。
しかし、この依頼が黒髪、赤眼というだけで『魔女』と謂れのない迫害を受けていたトーナの運
命を大きく変えるものになるとはこの時の彼女はまだ知らない。
これは天涯孤独の身となり、誰からも理解されず、それでも魔獣の棲む森の中で誇り高く薬師の本分を貫いてきたトーナと、そんな彼女の苦難を救おうとする白銀(しろ)騎士ハルの恋物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-31 14:00:58
135732文字
会話率:37%
アーノルドは宮廷医療所で女神の祝福を授かった医者で、相手を見ただけで体の内部の状態を確認でき、右手を添えて力を注ぎこめば体の不調を治す事ができるスキルを持っていた。
そのスキルで一人で何十人分の作業を行う事ができ、一人で手術まで行う事がで
きる。宮廷ではサボリ用として能力を隠していた。
そんなスキルを持った俺は常にやっている感を出しつつ、宮廷医療班で自堕落な生活を送っていた。
そんな俺は何故か宮廷のお嬢様であるシャルロッテのお気に入りだ。
シャルロッテの婚約者であるバッカスはその関係が気にくわないのか、医療ミスの責任を全て俺に擦り付けて宮廷からド田舎に追放されるように仕向けてきた。
俺は抵抗する事も面倒だったので潔く田舎に向かうと、そこで体も精神もボロボロの奴隷の亜人族と出会う。俺は気まぐれで治療をすると、何故か懐かれてしまう。
そして、次第にド田舎にいる俺に治療を求めて来る者が後を絶たずどんどん栄えていくのと対照的に、宮廷は俺が抜けた事で医療班は機能しなくなり、廃れていく。
俺を追放に追い込んだバッカスも婚約を破棄されて路頭に迷っているらしい。
ざまぁみろ。
それはさておき、俺は毎回1人ずつ診断するのが面倒なので、薬を作って治す薬師として生活していた。
そんな中、宮廷のお嬢様や心配性な幼馴染も駆け付けてきて、一緒にド田舎で薬屋を通じて開拓していくのに協力してくれるようになる薬師ラブラブいちゃいちゃハーレムストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-24 07:38:58
100047文字
会話率:50%
時事、政治に関するアイデアを語るテーマでの1編で、医療費の問題についてのアイデアです。
最終更新:2022-06-23 13:07:42
727文字
会話率:0%
薬学専攻の理系男子が異世界TS転生してリケジョに変身?
トオルは飛び降り自殺の巻き添えに遭って年齢イコール彼女いない歴のまま死亡。異世界に転生した。ただ、女神様が仰るには『元々、アナタはこの世界の住人で、丁度200年前に亡くなりました』と
のこと。つまり『出戻り』と言われた。
自分が理想とするイケメン男性への転生を希望していたけど、何故か理想の女性の姿にTS転生していた。女神様は、多分わざと勘違いしたに違いない。
その世界は、地球とは男女比率が大きく異なり、ほとんど女性ばかりの世界だった。だったら何故、男のまま転生させてくれなかったぁ!
転生前、トオルは大学院薬学研究科の修士課程に在籍していた。そこで勉強した化学・薬学の知識を駆使して、この異世界で生きて行く。まさに、理系男子から理系女子に大変身!
ただ、トオルが自分の転性に気付くまで少し時間がかかります。気付くのは4話目です。
お手数ですが、評価、感想をよろしくお願い申し上げます。
TS転生のため、検索ワードには敢えて男主人公と女主人公の両方を入れてあります。また、トオルを自殺に巻き込んで殺してしまった女性も特例で別の異世界で転生しています。その話が『大人のための動く等身大美少女フィギュアとして異世界転生したけど意外とマジメに生きています!』になります。
本作はHAMELNにも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-22 05:56:17
438052文字
会話率:36%
発達障害を苦に自殺した、野間学(のま まなぶ)。
仕事中世ファンタジー異世界に「レベル1僧侶」として転生してしまう。
本の虫として本を読み漁った知識や、メンタルクリニックの通院経験などを活かし、精神医療が発達していない世界で僧侶カウンセラ
ー「ノーマ」として頼りにされていく。
薬草に詳しい薬屋の見習い魔法使いサーヤとタッグを組み、行列のできるメンタルヘルス相談所が開業する──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-20 22:00:34
8286文字
会話率:28%
主人公、千葉七夜、彼は幼馴染との約束の為に勉学に励み、朝は新聞配達、夜は工事現場と苦学生ながらも励んでいた、在る日何気ない気持ちで宝くじを50枚買い、そして5枚が大当たり、500億の資金が転がり込んできた、それを知った有象無象が来たが適当に
あしらう、ひょんな事で資金を手に入れた七夜、大切な彼女、浅井瑞姫の父、茂が科した無理難題をクリアする、時は未来287後の世界、宇宙の民、他の惑星との交流が始まって70年経っていた、七夜は在る事件を切欠に瑞姫と彼女の家族を失った、だが彼女瑞姫は、火葬しても何故か燃えなかった腐敗もない、七夜は彼女をモルモットにさせまいと瑞希の為に作った要塞並の家の地下に最高の滅菌設備を整え隔離した、七夜は蘇生薬を作るために医者になり医療や新薬の研究をしていく、様ざまな新薬を開発するが、蘇生するまでには至らなかった、新しく誕生した新薬のレシピを研究員に渡し、疲れを癒すために眠りに着く、翌朝目が覚め外へ出て見ると、そこは七夜が知る世界ではなかった、何故か脚を生やして憑いてくる我が家と共に、その世界で瑞姫を目覚めさせる冒険と旅をする事を決意する
この作品は自作品です、転載重複は許可しておりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-19 14:32:16
101535文字
会話率:48%
時は2143年、技術が進歩し仮想空間に意識を潜らせることができる夢のような時代。
リアルでの職業が看護師の主人公、月見里ルイはこのアカシック・レコードの医療状況を見て思う。
「は?」
病院が12時間待ち、辺境には薬すら届かない、病気は気
合いで治す、衛生観念の欠如、etc…ふざけてる……
これは主人公が魔法と圧力、ほんのり化学を使って聖域なき改革を始める、そんな物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-13 20:35:22
23497文字
会話率:33%
主人公カイリの大切な真友であるタトゥが
16歳の春に突然消えた
その後 夢に現れ 必ず逢いに行くという
カイリとタトゥともう一人の真友ミヤビは
10歳から16歳まで ずっと一緒に
夏祭りとメリークリスマスイブの夜を過ごした
しかし タトゥは
生まれつき頭の病気で
ミヤビも生まれつき心臓病で
長生きできないと聞かされ
カイリは子供の頃から医者を目指していた
いつか三人で打ち上げ花火を観た夜
タトゥの人生は打ち上げ花火みたいで
ミヤビの人生はは線香花火みたいだと
言っていた事を思い出す
そして 淡紅色の雪が降ったクリスマスイブの夜
カイリとミヤビは教会で永遠の愛を誓い合う
その後 2月14日 バレンタインタインデーに
ミヤビは薬の過剰摂取で死に
1ヶ月後 3月14日 ホワイトデーにタトゥは
カリスマドクターの医療ミスで
ニューヨークの病院で死んでいた
ずっと隠蔽されていた事件が
カイリがタトゥの夢を観た翌朝の
テレビのニュースで流れ
タトゥのビデオレターが届いた
カイリは世界中のタトゥとミヤビを救う為に
医者になる事を誓った
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-02 06:19:30
5601文字
会話率:0%
祖母はあやかしの世界〈まほろば〉で診療所を営む獣医師です。
私、芹崎小夜もそこで働こうとしたのですが、あやかしの理解度を試す三つの課題を出されました。
なにせあやかしは危険だし、その特有の行動が病の原因になるし、人と共に生きるからこそ訳アリ
になる生き物ですから。
そんなわけで私は今日も猫の守護霊センリと共に課題に取り組みます。
そう、祖母があやかしを救うことに人生を捧げるその理由を知るために――。
想いが紡いだ絆を知る――。 薬剤師の卵・小夜とあやかしの物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-28 17:42:52
151643文字
会話率:32%
看護学生である神崎奏(かんざき かなで)は、幼い頃から人の生死に対して心を痛めてきた。ついに看護師として働く日が来たと思ったのも束の間、まさかの異世界転移をしてしまう。しかもその世界には回復魔法や薬草で怪我は治せても病気を治すことは出来な
かった。奏は最低限の医療知識をフル活用し、医療が全く発達してない異世界に住む人たちの病気や怪我を治すべく奮闘していくのであった折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-09 20:00:00
18847文字
会話率:55%
前世で医者だった主人公が医学の知識をもって、魔法と薬が治療の手段のすべてである世界で異質の存在として活躍する予定?
最先端の医療科学技術の代わりにファンタジーおなじみの登場モンスターの固有スキルを医療機器の代わりに使うところに独創性が出せた
らいいなあ、的な何か。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-27 13:13:24
23386文字
会話率:33%
60歳間近の薬剤師の田中春子は愛媛県今治市で「こまち薬局」という相談中心の薬局を一人で経営していた。夫は13年前に急死し、15年間自宅で介護した母は3年前に旅立った。今は薬局兼住宅で次男良夫と二人で暮らしている、母から引き継いだ薬局は今年で
創業20年を迎える。変わりゆく薬業界の中で、調剤薬局でもドラッグストアーでもない健康相談を主とした薬局を目指す春子だった。良夫は、中学3年生から不登校になり、それから11年間引きこもっていた。5年前愛してやまなかったパソコンが壊れた事により良夫は社会復帰を決意する。春子は社会に出たいと言う息子の願いを叶える為に寄り添い奔走する。社会復帰するために、のサポートセンターに通いながら、良夫は、自分にどんな仕事ができるのか模索し、人と会わずにできる仕事をハローワークで探すが、今治のような田舎には、良夫の希望とする職場はなく、コンビニで早朝の掃除の仕事を始める。自転車しか乗れない良夫は、雨の日も風の日も夏の暑い日も一日も休まず自転車で職場に通った。遅刻欠勤もせず、盆も正月も働いた。1年が過ぎた頃、まじめに働く良夫は掃除から接客を任されるようになった。もともと対人恐怖症の良夫は職場の人間関係に悩み、転職を考え始める。ハローワークに通ううち、運転免許を必要とする仕事が多い事に気付き、自分で稼いだ金で運転免許を取得し、電気工事会社に就職するのだった。想定外の息子の成長に驚き、共感し、感動する春子は母親として社会人の先輩として良夫に助言し、寄り添うのだった。令和2年の1月に中国武漢で新型コロナウィルスが感染拡大し、コロナ禍は、春子の経営する「こまち薬局」にも大きく変化を及ぼした。報道に翻弄され押し寄せるマスク難民。デマに踊らされトイレットペーパ―や消毒液、ガーゼに体温計まで売り切れた。コロナ感染拡大は1年7か月が過ぎても収まる気配を見せなかった。4回も発せられた緊急事態宣言の中、異例のオリンピックが始まった。感染拡大は止まらないが、ようやく今治のような田舎にでも高齢者のワクチン接種が進んできた。それに伴う副反応への不安など絶滅危惧種化した町の相談薬局を訪れるお客さんと向き合いながら、現代の医療のへの不満と疑念を抱きつつ、町の薬屋として人々の健康を願い日々模索しながら店頭に立つ春子だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-10 18:00:00
21842文字
会話率:56%