かつて自分がいた町に戻ってきた一ノ瀬昂大は、従姉妹である蛍はじめ時の巻き戻ったようなひとときを昔の友人と共に過ごしていたが、戻る時刻は近づいていた。
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最終更新:2020-07-03 16:35:07
4948文字
会話率:54%
恐ろしい夢で目が覚めた。部屋のカーテンを開ければ綺麗な青空が街を優しく包んでいる。もう学校に行く時間だと思ったけれど、スマホの電源を入れると時刻はまだ午前5時。登校時間までかなりの余裕がある。再びベッドの上に横になったのだけれど、あの夢が
気になって仕方がない。4畳半の狭い部屋、そして煎餅布団。段ボール箱の上に無造作に並ぶ空の缶ビール達。その缶のビル群の真ん中で、ブルブルと振動している黒色の携帯電話。夢の中の私は、何も考えずにその携帯電話に出た。
「浜岡こらぁ!今日の撮影バックレやがって!違約金500万円だぞ分かってんだろうなコラァ」
スピーカーを破壊しそうな程の恐ろしい怒声。まず私は浜岡って名前じゃないし、こんな怒鳴る大人なんて知らない。確かに私の中学校には怖い男先生もいる。でも怒られることなんてしてないし。
「あ……あの撮影って、どういうことでしょうか……」
驚いたことに私の口から発せられたのは、まるで男性のような低い声だったのだ。もちろん「なんで?」とビックリしたのだけれど、電話の向こうの声がその些細な疑問を吹き飛ばしてしまう。
「AVの撮影に決まってんだろ。とぼけやがってその耳引きちぎってやろうか」
衝撃的な言葉を耳にして、震える手からスマホが落ちる。慌てて拾いあげて詳細を確認する。
「確認しますけどAVというのは、あの……男女がまぐわう的な。私達子供が見てはいけない映像のことでよろしいでしょうか」
「てめぇが出演すんのはゲイポルノだろ!分かってんだろうな500万円だぞ」
私は強引に電話を切った。それでも何度も着信が来るので携帯の電源を落とす。煎餅布団を踏みつけて立ち上がると視線がやけに高い。私の身長が大きくなっているようだ。洗面所の鏡の前で恐る恐る自分の顔を確認してみると……そこには見知らぬ大男が映っていた。そこで夢は覚めた……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-19 11:24:11
237文字
会話率:0%
オタク少年、航(わたる)は秋葉原で友人との待ち合わせ時、何故か起きるはずの無い混信を起こしたスマホの所為で、『こよみ』と名乗る少女と知り合ってしまう。
やたらと堅苦しい話し方をする少女、『こよみ』に戸惑いながら、オタク趣味の所為で女子との交
流なぞ無縁な航、初めて仲良くなった女子『こよみ』に夢中になって次第に『こよみ』に心惹かれていくが。
「お前着信時刻見て見ろよ……」
航の様子を心配した友人の言葉にスマホの画面を見れば。
こよみからの電話の着信時刻はまだ航が産まれても居ない1952年の日付。
航と交信していたのは過去の少女だった。
2025年の秋葉原を舞台に。
オタク少年航と1952年の新潟の女子高生こよみ。 かけ離れた価値観に戸惑いながら二人は次第に惹かれあう。
親殺しのパラドックスの知識がある航は、過去に干渉してはいけないとこよみに別れを促すのだが。
「航さんとお別れしたくない……」
事情が呑み込めないこよみの言葉に航は。
時を越えて惹かれあう少年少女。彼らの行きつく先に待つ運命は。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-01 17:41:59
1021文字
会話率:24%
時刻は午後の六時半.
そう、ちょうど晩御飯の時間.今夜はすき焼き.
僕は家のダイニングで、鍋のお肉をつっつく.
醤油にすこし甘味を足した匂いの煙は、いい匂いだけど若干僕の鼻をさしてくる.
最終更新:2020-06-01 00:24:50
2848文字
会話率:7%
去年の冬、俺は専門受験にまで落ちてから、不安と怒りに悩んでいた。今は二千二十年の夏、受験に落ちたからといって勉強する気にはならない。少し散歩しながら勉強について考えることにした。英語や数学は難しいが夢を広げることは好きだ。ゲームなら夢を叶
えてくれるのに。
「現在時刻九時ジャスト。」
と時計を見ながら俺は言って、暗き小路をチラ見した。いつもは何もないのに今日のところは違った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-26 19:10:26
86909文字
会話率:77%
魔女の時計台。
それが出来た経緯を知らない者はいない。
罪深い魔女を葬り去り、もう二度と復活なんてしないようにその魂を閉じ込めるための装置。
だから魔女の時計台には入ってはいけないし、魔女の魂を削りながら動力とする時計が正しい時刻を
示すことはない。
でも、本当にそうなのか。
疑問に思って時計台に向かった人たちは、誰一人として戻ってきていないという。
でもそんなのありえない。だって私は、あそこに行ったことがある。あそこは機械仕掛けの時計があるだけで、魂の残り香なんてどこにもなかった。
ならば、どうしてそんな伝承が残っているの?
これは、一人の学者が酷い目に遭いながらも魔女についての真実に迫っていくお話。
※基本的に残酷なお話です。最後に救いがあると思わないでください。
更新はスローペース。一週間に一回は更新予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-23 16:30:51
13446文字
会話率:67%
「なるほど、なるほど……そう、来るのね……」
私は一人、ゲーム開始地点でそうぼやいた。
意気揚々と冒険への一歩を踏み出そうとした私だったが無情にもそれが叶うことは無かった。
時刻は夜、種族は吸血鬼、本来なら絶好調の場面だっただろうに…
…
光輝の加護、なんてものを授かっていた私は夜に微かに残る光の力ですら致命傷だったのだ……
とはいえ、そもそもやる予定はなかったゲームなので別段致命的なショックというものはではない。
出来ないことは一旦放って、出来ることに楽しさを見出し、満足することができればきっと勝ち組なのだ。
というわけで!私は鍛冶を始めることにしたのである!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-15 21:00:00
95513文字
会話率:39%
白い花が咲く季節になると吟遊詩人がやってくる。
春先、六枚の花弁の小さな野の花が一斉に咲き誇る。深緑色の茎は細く、淡い黄緑の葉も葦のようだが引き抜いてみようとするとなかなかしぶとく、鎌で刈ろうとすると油のような汁が出る。だからその花
を知る農夫はその花を刈り取らないことにしている。そしてその花をよけて他の雑草を引き抜くので春の季節は一面の白い花が埋め尽くす。厄介な花だが、美しく可憐で匂いもほのかに爽やかなので、鑑賞には向いているのが救いだ。
その花が咲く地方では、春を「白い花が咲く季節」と言う習慣が多く残る。
国で一番南の小さな村では種まきで大騒ぎだ。
子供達は大人の言う事を良く聞いて手伝いをする。労働力は人間の力と、牛によく似たコレカという四つ足である。
この村の母親は一同に働き者で、子供達は母親達の真似をして子守りや水汲みを自発的に行い、寡黙な農夫の父親達は黙って野を耕している。
村の土地はほぼ平坦で、空と大地を遮らない。真っすぐ、一本道が豊かな水量の川と共にどこまでも続くその道に誰かの影が小さく現れると、子供達は目ざとくそれを見つけるのだ。
空が夕焼けに染まる時刻に一番年長の子供が嬉し気に声を上げた。
「ねえ母さん。誰かが歩いてくる」
「そうかい、誰かしらね」
「隣の村のジャイカかしら」
「あの子は無理だろう、子供を身ごもったと聞いたもの」
「それなら靴屋のコードーかもしれない」
「そうかもしれない。でもね、アイダ。いずれ解るのなら見ていなくてもいいのよ。すぐに解るんだから。あちらがくるというのならば、私たちは待てばいい」
「それでも母さん。誰かがくるというのは楽しみよ。それを誰かだろうと想像するのはもっと楽しいわ」
「そうね、それは母さんにも解るわ。…あら、アイダ。母さんには解ったわ。耳をすましてごらんなさい。音が聞こえる、誰かの声と、弦を震わせて音が鳴って、歌が聴こえてくる。誰かの足首に巻き付いた鈴の音が」
※ある世界では白い花の季節に吟遊詩人がやってくる。忌み子と呼ばれる子供と吟遊詩人の出会い。
忌み子の行方が語られ、ある男の成長譚となる。
そして時代が流れ、他の国で戦争が起こり争乱の時代になる時、忌み子と呼ばれた男が次第に時代に選ばれ時代に翻弄される。大人が読めるファンタジー伝記物目指してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-01 11:28:17
36325文字
会話率:43%
高校生の並波大海は幼馴染二人と共に何故か異世界に召喚されてしまう。すぐに彼らを召喚した二人が「国王と宰相」ではなく「バカ男爵と無能家宰」と気付き、ちょっとした機転でうまく危機を乗り越えた時、思いもしなかった助っ人が参戦する。
どうやらうち
の家族、僕の知らないうちにこっちとあっちを行き来してたみたいです。
父と母は仲良く日帰り冒険者ですか。
温泉じゃなかったんですね。
ミノタウルス狩ってたんですね。
ばあちゃんは、施設に入ったんじゃなかったんですね。
金属バットでオークを撲殺ですか。
姉ちゃん……ドラゴンが怯えてるのは気のせいですよね。
俺だって、この世界楽しんでやろうじゃないか。
いつでも帰れるお手軽異世界。
楽しまなきゃ損だろ。
肉体派の家族の中で唯一の頭脳派として、頭を使ってこの世界で成り上がってやるさ。
……そんな風に思ってたんですが。
いつのまにか、気づいたら国王をおっさん呼ばわり。
気に入らない相手にはヤクザ紛いの恫喝。
圧倒的な暴力を背景に理性0を演じれば、交渉は落とし所の探り合いではなくなります。
【原則毎日更新です。更新時刻はバラツキがありますが、日中の午後が多めです】
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-20 14:08:59
340148文字
会話率:35%
売れないモノマネ芸人の三島鉄之介〈みしま てつのすけ〉は、ネタの練習で使っている公園で一人の少女と出会った。時刻は夜中の12時頃で、鉄之介は心配になって近所の自分の家に連れて帰った。一緒に住んでいる恋人の八雲千恵子〈やくも ちえこ〉は夜中に
見知らぬ小さな女の子を連れ帰った鉄之介に驚きを隠せなかったが、女の子の体に虐待のものとしか思えない大きな痣があるのを発見し、さらに驚くこととなった。翌朝、近所の交番に鉄之介が女の子を連れていくとすでに捜索願が出されており、高崎杏〈たかさき あん〉という名前と5歳であることを知った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-15 11:00:00
102423文字
会話率:42%
カニバリズムゲーム
①あなたはカニバリズムゲームに参加しました。途中辞退は認められず、ゲームに敗退した場合も含め、ペナルティが発生します。
②プレイヤーは村人サイド、喰人サイドに別れています。クリア条件は各プレイヤーごとに異なっていますが
、原則同じ役職同士のプレイヤーのクリア条件は競合しません。同じサイドのプレイヤーと遭遇した場合、積極的に協力すると良いでしょう。ただし、一部例外も存在します。なお、クリア条件については自分の携帯から確認してください。
③プレイヤーには一人一台ずつ、そのプレイヤー用の携帯が支給されています。ゲームを有利に進めるうえで必要な物となりますので、紛失等に気を付けましょう。
④携帯は、以下の機能を使用することが出来ます。
(1)「マップ」からゲームフィールドと現在地を確認する。
(2)「スキャン」から、半径十メートル以内に隠されているアイテムなどを表示する。
(3)「スキル」から、パッシブスキルの確認やアクションスキルを発動する。ただし、他のプレイヤーにこの画面を見られた場合、ペナルティが発生する。
(4)「プレイヤー情報」から自分の役職やクリア条件を確認する。ただし、他のプレイヤーにこの画面を見られた場合ペナルティが発生する。
(5)プレイヤーの残り人数を確認する。
(6)現在の時刻を確認する。
⑤フィールド外にプレイヤーが出ることは出来ず、破るとペナルティが発生します。
⑥プレイヤーは以上のルールに抵触しない限り、あらゆる行動が容認されます。
――なんだ、温いルールだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-01 20:31:24
157542文字
会話率:46%
ゲーム好きの高校生、かっしーは抽選で選ばれたゲームをプレイしようとすると異世界に飛んでいた?
仲間がチート、邪神討伐のための異世界生活が今、始まる!
*現在不定期更新中
春からは毎日更新に切り替えます
投稿時刻は12/4から19:0
0に投稿することになりました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-09 18:21:10
60955文字
会話率:34%
時刻は午後八時を回る頃。生まれつき目の見えないルカとその弟のヴァシリーは腹を空かせて父親の帰りを待つ。
最終更新:2020-03-07 18:13:18
1132文字
会話率:24%
あんまり習いごとが多いもんだから、家を飛び出したアリス。
あんのじょう、マンホールに落ちてしまった!
そのなかに広がっていたのは、ちょっと奇想天外荒唐無稽摩訶ふしぎなふしぎな世界。
途中から誰に向けて書いてんのかわからなくなった物語!
め
ちゃくちゃな話が好きな人向け?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-06 08:06:49
52081文字
会話率:32%
そして男は左手の腕時計に注視する。その時刻は、4時をさしていた。
女子高生しかいない街(A駅 4時)
最終更新:2020-02-25 12:23:21
341文字
会話率:23%
電車
時刻は23:37。私はアルバイトから家路につく電車の中でちまちまと怪しげにスマホを触っている。何故か?それは、私が今苦しくてたまらないからだ。周りの、遠くの笑顔を妬む自分がどうしようもない存在だと毎日のように思うからだ。真夜中の枕元
で音楽を流しながら手で顔を覆い夢想するからだ。半年後、私は笑顔だろうか。それともまだ苦しみ足掻いている途中だろうかと。そして思いついたのだ。今を書き記すことを。この苦しくてたまらない日々が、明日もわからない不安が、未来に実を結んでいることを信じるために。(本文より) / いや本当、就活って大変ですね!!!特に今年厄年かってね!!!ハーーーーー!!!なおこれはフィクションです!!実在する団体人物その他諸々とは関係ありません!!!noteに投稿するかもしれません!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-24 21:38:26
3331文字
会話率:5%
システムエンジニアの奮闘記。深夜の緊急コールから始まり、予定時刻までに復旧させるために、考え、悩み、挑戦していく。培ってきた知識とスキルを最大限に活用し、時間と闘いながら、もがき苦しむプロフェッショナルの物語。
最終更新:2020-02-15 00:00:00
7996文字
会話率:11%
ある日を境にオトナが消えた。
フツーの高校生、夜宮光明は、突然動きを止めたこのセカイで生き残ろうと立ち上がる。
──だけど『生き残る』って一体いつまで?──
オトナの影が見え隠れするこのセカイでどうやって生き残るのか。
そして何
より、どうしていきなりオトナが消えたのか。
『大人なんていらない!』本当にそうですか?
大人への依存に気づかされる
サバイバルミステリーここに開幕。
毎月1日(時刻未定)更新予定!!
延々引き延ばして申し訳ございません...折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-01 18:00:00
31495文字
会話率:51%
ツンデレ美人OL冴子のマンションのベランダにある夜イケメン武士が降ってきて
そして同時刻・・・
時空を飛ばされた陰陽の藤麻呂、冴子の幼馴染の雄二、3人の恋の行方は・・・??
魔界との全ての戦いは終わり、花火大会の夜、浴衣で歩くふたり
の前に現れたのは??
なんと!!
衝撃と感度のラストにご期待くださいませ。
*カクヨムにも同時掲載中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-01 16:59:38
3615文字
会話率:64%
語り手の会話をとばして読んでみると新たな発見があるかも。
詩雨先生とのお題、「あっちゃった」です。
ぜひ詩雨先生の作品も読んでみてください~。
あ、ところで投稿時刻を過ぎた言い訳ですが、
すみません投稿しようとしたらすべてが消え去ったん
です。
書き直しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-31 23:04:56
2760文字
会話率:33%