目覚めたのは、午前5時47分。
覚えているのは、「紙がめくられる音」だけだった。
六年住んだマンションで、はじめて見る“張り紙”。
書かれていたのは「管理人」からの注意書き。
――だが、このマンションに管理人などいない。
少しず
つ狂い始める生活。
ドアの角度、時計の時間、鏡に映る自分の動作……
そして、俺の部屋には“俺の記録”が置かれていた。
「観察対象No.4 佐倉悠真」
誰が観ている? なぜ記録されている?
このマンションには、“観察者がいない”ということだけが確かだった――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 13:35:20
6427文字
会話率:2%
『昔ばなしの、その後』
桃太郎は、鬼退治のあと何をして暮らしたのか?
かぐや姫は、本当に月で幸せだったのか?
浦島太郎は、玉手箱を開けた“その後”に何を見たのか――。
『昔ばなしの、その後』は、日本の誰もが知る47の昔話に、“その先の
物語”を描いた短編集です。
あの英雄たちの静かな日常、動物たちの知られざる続き、忘れられた登場人物の再登場…
それぞれの“その後”は、時に笑えて、時にほろりと泣けて、そして少しだけ不思議。
物語の舞台は、昔の村だけでなく、現代の町、SNS、カフェ、気象予報センターまで広がります。
鬼の子どもたちと畑を耕す桃太郎、バーチャル茶釜としてデビューした狸、
季節がめぐる頭を持つ男、そして“開けてはいけないつづら”の行方――
読後には必ず「続きを考えたくなる」、そんな余白を持った物語ばかりです。
本書は、子どもたちの寝る前に読んでも、大人がほっと一息つく時間に読んでも、
誰かと語り合いたくなるような、やさしくも深い“昔話リミックス”。
むかしむかし、の続きに出会いにきてください。
あなたが覚えている物語は、まだ、終わっていません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 01:26:19
14502文字
会話率:14%
日本にいる日本人キリスト教徒は人口のおよそ1%以下と言われている。”俺”こと紫苑夜羽(しおんよはね)には、これといって特徴らしい特徴もないが、5年前にナザレのイエスがキリストであることをキリスト教の教会で告白した経験があった。
あ
る日、高校からの帰宅途中、電車のなかにいた際に地震が発生し、電車が止まってしまった。覚えているのはここまでで、俺は気づけば知らない場所に立っていた。
一面に広がっている壮大な草原。はるか遠くには羊たちの群れらしきものが見える。
「やべーなんだこれ。モンゴルとかか。いや、いや...さっきまでの電車はどこいったし。なんだこれ」
到底、現実を受け入れられない俺は、完全に途方に暮れていた。すると突然、一人の美しい女性が俺の目の前に現れる。彼女にはなぜか天使のような2つの翼が背中から生えていた。
「うろたえてはなりません。これはあなたへの神からの試練です」
そして、俺が地上からいなくなってからここに現れるまでに、3000年もの時間が経過したこと。俺が元いた世界は、終末の時代を乗り越えて、キリストがすでに地上再臨されたこと。過去の天地が消え去り、新しい天地に生まれ変わってしまったことを彼女によって告知された。
「...いや、どうしてこんなことに」
「頑張りなさい。途方に暮れてはなりません。あなたの家族に、愛する人たちに必ずまた会えます。みんな、あなたを約束の都で待っています。ここは生まれたばかりの派生世界の一つです。ここから、あなたはこの派生世界を導く王とならなければなりません」
それは死がすでに滅びた時代。しかし、ときに悪が人々を誘惑することもある。悲しみがあり、苦しみもある。やがて王となる俺が目指すは、この派生世界の調和を安定させ、中枢世界にある約束の都に続くゲートを開くことだ。
当初の俺は当惑するばかりだったが、不可思議な新世界で暮らしていくなかで、ときに困難を乗り越え、次第に人々から認められるようになっていく。仲間たちや、友人たちが現れて、パートナーである恋人たちもできた。
悠久の時の流れのなかで、ときに失敗しながらも、俺は人々を導く指導者として、王として少しずつ成長していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 01:05:50
876文字
会話率:36%
私が英雄を殺すと、死に戻りが起こった。
その日のことを皆が覚えている中、英雄だけが忘れていた。
※短編→連載版
最終更新:2025-05-31 00:03:47
65998文字
会話率:39%
私が男を殺すと死に戻りが起こった。
その日のことを皆が覚えている中、男だけが忘れていた。
最終更新:2021-03-26 17:01:06
3805文字
会話率:13%
十歳の頃、初めて異世界の恋愛小説を買った。
その小説は読んでみるととても面白く、泣けたことを覚えている。
初めて出会ったロマンチックな場面もあれば、時にはすれ違い、甘い場面もあり、それに胸を高鳴らせた。
その中でもう一つ面白かった要素がある
。
——それは、『悲劇のヒロイン』
今でもヒロインが言った言葉は覚えている。
『何でみんな、私にばかり意地悪するの?』
『私が可愛くないから? ……そっか、私可愛くないから……』
などなど、挙げればキリがない。
無論イライラしたこともその『悲劇のヒロイン』が出てくる場面では絶対ある。だが、全てのヒロインが悲劇を演じている訳ではないと思ったのも事実。だったら、自分がなってみせよう。そう思った。
そして、もう直ぐ、あと少しというところで、車に轢かれた。
浮かれていたのだろう。友達も増えて、人生が上手くいって。
クラスメイトの『——ちゃん!』という声は、鬱陶しい耳鳴りと共に消えた。
これが、自分の前世の物語だ。これって、転生だよね……と思いつつも、ベッドから降りて部屋を見渡す。
目に留まったのは硝子で造られた机の上にある一冊の本だった。
「あれは……?」
不思議に思いながら、警戒心を放ちながらその本の最初のページを開くと、その本の右側には『王立シュミレーク学園』左側には『クレイア魔法学園』と書いてあり、クレイア魔法学園だけは赤い丸で囲まれている。
だが、気になったのはそれではなく——。
「王立シュミレーク学園って……『私の初恋は貴方だから』の舞台じゃない!」
乙女ゲーム、『私の初恋は貴方だから』
攻略対象者たちと仲を深め、愛を育んでいく乙女ゲームだ。
この本のタイトルは『クララ・エウン・ヘコシーリル』
「これが、今の私の名前……?」
だが、乙女ゲームにそんな名前のキャラはいなかったはず。
なら、考えられることは一つ。
(私は、モブキャラ……?)
とても都合の良いキャラに転生した。そう思い頬が緩む。
(だって、ヒロイン自体に転生したら、つまんないじゃない?)
自分に問い掛けながら、クララは自らの胸元で手を絡める。
(モブから『悲劇のヒロイン』に、成り上がってみせる!)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 18:24:29
6846文字
会話率:33%
― 君の名前を、遺書の中だけに閉じ込めたくない ―
「もし世界が君を忘れても、私は君を覚えている。 運命が君の名前を間違えたのなら、私が書き直す」
結城美月(ゆうき みづき)は、全国でも屈指の名門高校に通っている。誰もが認める「完璧な優
等生」だった。成績優秀で、冷静沈着、規律を守り、決して間違えない。
彼女はずっと信じていた。努力さえすれば、きっと成功できる。未来は自分の手で掴めるものだと。そして、勉強こそが、自分の価値を証明する唯一の手段だと。
しかしある日、美月は学校の備品室で、長い間忘れられていた一通の遺書を見つける。その差出人の名前は――二年前に起きた、いまでは誰の口にも上らなくなった校内自殺事件の少女のものだった。
遺書を読み終えたその瞬間、美月は時を超えてしまう。気がつけば三年前――中学三年生の自分として、ある「消える運命にある少女」と出会っていた。
その少女の名前は、南條千雪(なんじょう ちゆき)。
口数が少なく、成績は常に最下位。教師からは見放され、クラスでは浮き、家庭でも息を潜めて生きている存在。
教育という制度の中では、彼女は「努力が足りない人間」として扱われていた。
だが美月はすぐに気づく。千雪のその成績の裏には、誰にも気づかれなかった読字障害(ディスレクシア)という事実が隠されていたことを。
点数だけが価値を測るこの世界で、千雪の努力は、ただ見えづらかっただけ。そして、誰にも「見よう」とされなかっただけだった。
その一年間、美月は彼女の運命を変えることを決意する。あの遺書を止めるためだけじゃない。彼女自身に伝えたかったのだ――
「——君の努力、私はちゃんと見てるよ」
「君の名前を、世界にもう一度、やさしく呼んでもらえるようにする」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 11:31:20
9715文字
会話率:17%
ある時から謎の夢に悩まされるようになった実。
覚えているのは、目が覚める前に響く「だめだ!!」という父親の声だけ。
自分の見ている夢は、一体何を示しているのか?
思い悩む中、悪夢は確実に現実を浸食していき―――
「お前は、確実に向こ
うの人間だよ。」
転校生が告げた言葉の意味は?
異世界転移系ファンタジー、堂々開幕!!
※鬱々としすぎているわけではありませんが、少しばかりダーク寄りな内容となりますので、ご了承のうえお読みください。
※更新し忘れていた番外編公開に伴い、公開済みの話を一つの作品ページにまとめました。
※カクヨム・アルファポリスでも公開中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 00:00:00
2345301文字
会話率:29%
気づけば、教室の窓際で目を覚ましていた。
自分の名前は神永哉。高校二年生──のはずだった。
だけど、この世界は何かがおかしい。
教室。友人。授業。春の風。すべてが正しく配置されすぎている。
なぜか身体は異様に軽く、反射的に“人を殺す
動き”ができた。
記憶はない。けれど、戦い方だけを身体が覚えている。
そして、誰もいない放課後の廊下で出会った“それ”は言った。
「記録が干渉されている。お前は……また、ここからか」
忘れた記憶、繋がり直す仲間、そして世界の裏で進む“何か”。
――俺はまだ、何も思い出していない。
けれど、きっとこの世界は“初めてじゃない”。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 06:30:00
17659文字
会話率:22%
目が覚めると何故か牢屋に入れられていたレアム・スピア 今までの記憶が何も無く、覚えているのは『ある人を探している』ということだけ。
軍人のキャリーノ・ミールと出会い、自分が転生者である可能性が高いことを知る。
その事実に困惑するレアム。これ
からどうしようと途方に暮れていたが、キャリーノからそれなら軍に入らないかと誘われる。
どの道やることもないし、探している人を見つけるいいキッカケになるだろうと考え、レアムは軍に入ることを決意する。
そしてキャリーノと一緒にこの国に革命を起こそうと奮起する。
しかし、レアムには数多くの試練が待ち受けていた…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 22:44:54
28165文字
会話率:61%
「……あれ?ここは……?」
気がつけば、見慣れない無機質な空間に意識があった。最後に覚えているのは、魔物の群れに囲まれ、愛用の剣が折れた瞬間。ああ、またやられたか、と諦念にも似た感情を抱いたはずだった。まさか、こんな場所にいるなんて。
いや、正確には『いる』という感覚ではない。自分の『意識』が、まるで透明な膜のようなものに包まれている。周囲の光景は、無数の線と記号で構成されたモニター画面を通して認識されているようだ。
(なんだこれ?夢か?いや、夢にしては妙にリアルすぎる……)
混乱する意識の中で、突如、機械的な音声が響いた。
「システム起動。初期設定を開始します」
え?システム?初期設定?何が起こっているんだ?
次々と表示される文字列と、理解不能な専門用語。思考が追い付かない。ただ一つ理解できたのは、自分がどうやら『人間』ではないらしい、ということ。
そして、最後に表示されたメッセージが、主人公の魂を決定的に揺さぶった。
『個体識別名:Epsilon(イプシロン)。AIとして再構築されました』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 14:10:30
1182文字
会話率:20%
幻想郷の何処かの森で、1人の少女が目を覚ました。
彼女には一切の記憶は無く、覚えているのはフィールと言う名前だけ。
そんな彼女が恐る恐る森を抜けると、霧に覆われている湖に出た
不思議な景色を堪能していると、謎の紅い館が現れ、彼女は門番に話を
聞こうと近づいた
だが、一瞬の間に謎のメイドに攫われ、小さな少女に出会い、ペットとしての扱いを受けること
このお話は紅魔館で記憶を探しながら生活していく半獣少女のお話。
この作品はハーメルンにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 22:38:23
276149文字
会話率:53%
小学生の姿に戻された高校生が目覚めたのは、時間が歪む不気味な学校。
誰もが「あの日」を覚えている中、主人公だけが記憶を失っている。
踊りも、勉強も、宿題も——すべては忘れてはいけない「約束」に繋がっていた。
最終更新:2025-05-09 23:40:43
23784文字
会話率:13%
「海は、すべてを呑みこんで静かになった。」
真実も、後悔も、声さえも。
ただ、風だけがあの日のことを覚えている。
最終更新:2025-05-06 21:54:31
630文字
会話率:34%
女性専用マンションに住むOLが殺された。
彼女は生前インコを飼っており、そのインコが何か手がかりになるような言葉を覚えているのではないか、と刑事たちは期待。しかし『オハヨウ』と『オヤスミ』くらいしか口にせず……。
(「カクヨム」「エブ
リスタ」でも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 12:30:00
2553文字
会話率:34%
全ては配信から始まった。
娯楽の少ない世界に突如として配信という文化が芽生えて世界は狂いだした。
誰もが争うように配信を始め、それに呼応するように魔物やゲートが増えていった。
そして最後には増えた魔物によって世界は滅んでしまった。
イー
スラは配信者で冒険者で最後まで魔物に立ち向かった最後の一人だった。
最愛の人が命を捧げて生み出してくれたチャンスがイースラを回帰へといざなった。
まだまだ配信のことをみんな理解していない子供時代に戻ってきた。
配信をうまく使えば強くなれる。
回帰前の知識も、学んできたことも覚えている。
もう世界を、大切な人を失わない。
全てを利用して強くなってやる。
配信を利用して今度こそ世界を救ってみせる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 10:00:00
122558文字
会話率:38%
亜里砂は目覚めると見知らぬ河原に立っていた。
最後に覚えているのは、母親の連れてきた男に殴られたところまで。
賽の河原で赤鬼に石を積めと言われた亜里砂は・・・
最終更新:2025-05-04 21:08:40
7042文字
会話率:35%
俺は前世で空が飛びたいと思っていたのは覚えている。
理由は思い出せないが鳥とか飛行機が好きだった。
戦闘機とかは特に好きだった。
そんな俺が管理者さんとかいう人の提案で異世界に転生した。
その時は異世界の空で戦う事になるとは思っていなか
った……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 16:35:28
36109文字
会話率:68%
愛する者の為に孤独を選んだある陰陽師の愛が報われるまで
別時空の平安時代。
一部の陰陽師達は神の加護を受け、不老長寿となり、その力で都を守っていた。
陰陽師である視素羅木泰正(みすらぎやすまさ)は、同じく幼なじみであり陰陽師である紫倉宮英心
(しくらみやえいしん)に、叶わぬ恋をしていた。
己に取り憑いた鬼神の正体に迫るが、英心に監視される事になり、彼に焦がれる心に翻弄される。
そこに、別世界から来た少年“蓮”が加わり、蓮が追っている“先輩”の存在も運命に絡み、事態は複雑に転がっていくのだった。
晴明×道満の描写あり。
視素羅木泰正
みすらぎやすまさ
36歳。
幼い頃、英心を守る為に鬼神と戦うが、敗れ、両親が身代わりに亡くなる。
以降鬼神に取り憑かれてしまった。
この事実を決して英心や人々に知られぬ様、冷淡に振る舞うが、本来は優しい性格。
英心にかなわぬ恋をしている事を自覚している。
紫倉宮英心
しくらみやえいしん
36歳。
正義感と責任感が強いまっすぐな性格だが、したたかな男。
ずる賢い泰正に苛立ちを覚えている様子。
この物語はフィクションです。劇中に登場する個人名・団体名などはすべて架空のものですが、一部は史実に基づき参考にしております。
また、独自の設定を加えており、実際の史実とは異なる部分が多数ございますので、ご理解ご了承のほど宜しくお願い致します。
カクヨムに掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 17:49:05
33890文字
会話率:36%
作者が観たユメを原作にした短編集。
覚えている範囲を主軸とし、誇張し過ぎない程度の修正7対 加筆3くらいを行っています。
ジャンルは様々なのでご了承ください。
最終更新:2025-04-29 00:28:58
11187文字
会話率:45%
神を統括する皇帝神であるミリル・セレントヴァインはベーゼという謎の女神によって魔法が全ての下界《マギラセントラル》に落とされてしまった。皇帝神としての記憶と力が無くなり、辛うじて覚えている名前と言葉で生き延びようと奮闘する。マギラセントラル
にいる6人の権主という者達がベーゼに近づける手がかりだと気づいたミリルが長い時間をかけて失ったものを取り返す旅をする折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 13:15:16
127217文字
会話率:77%