寺子たちに課せられる日々の鍛練の中でも、山行は一際過酷なものとして知られていた。
土掬い、蜘蛛蜂、苔頭、蜜殻虫。そんな得体の知れない化け物共が跋扈する山々を身一つで越えてゆかなければならないのである。
そして今宵も少年たちが山に解き放た
れた。底知れぬ闇のまえに、彼らはただ無力であった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-15 12:39:11
9487文字
会話率:23%
私の名は高山行蔵幸隆(たかやまこうぞうゆきたか)である。
かつては陸奥国の役人であった。とはいえ日々の食事にも窮するほどの木っ端役人ではあったのだが。
日々を漫然と過ごしていたがあるときなんの因果か世界の歪みに巻き込まれ異界の扉をくぐること
となってしまった。
こちらの世界へ旅立ち幾星霜、親しきものも出来ず恋仲になるものもおらず。およそ人と関わることなく過ごしてきた。
しかし、ここ最近咳に血が混じり我が生の先が長くないことを感じたため筆を執る。
決して短くはなかったが長くもない我が人生においてこの世界で私が見聞きした内容をここに記す、願わくば我が同胞の一助となることを願って。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-22 07:33:16
3059文字
会話率:0%
僕は松山に向かっている。
最終更新:2016-08-31 23:41:07
7926文字
会話率:4%
自サイトからの転載です。初めて作った漢詩と意訳を載せました。
最終更新:2015-10-11 14:05:27
295文字
会話率:10%
新しく入会した山の会は新聞で見て応募した山の会と違っていました。
初めての山行で遭難し、その結末はどのようになったのでしょうか。
作家でごはんでも投稿します。
最終更新:2015-03-09 10:04:16
4888文字
会話率:19%
有名商社の精鋭営業マンから落ちこぼれた主人公は、新たな生き方を見出そうとするが、相変わらず冴えない毎日を過ごしていた。唯一の楽しみは四季折々の登山だったが、ある山行の列車で謎めいた女性と偶然隣り合わせになる。ふとしたきっかけでその女性と宿を
共にした主人公は、相手が言語に障害を持つ人と知り憐憫の情を抱く。そして憐憫の情は恋心に化学変化を起こし、やがて純愛ロマンへと発展してゆくが・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-10-25 23:46:00
29316文字
会話率:23%
水門の町。吹き荒れる黒い嵐。大地は削られ。消えていく。一年の大半を夜の闇が支配し。月ばかりが海を銀色に照らしていた。これはそんな終わりの迫った世界で、懸命に生きていた。ある小さな海の上の水門と言われる町の、一人の少年と世界のお話である。
最終更新:2006-10-03 02:31:03
15582文字
会話率:54%