俺が生まれたのは、魔族の中でも特に弱い奴らがひっそりと住むごみ溜めだ。母親は娼婦で、父親は初めからいなかった。母は俺を生んですぐに死んだ。成長し魔王となった俺の元に、一人の聖女がやってきた。
「貴方が王座に座ってから、魔族は更に力をつけた。
だから、貴方を倒して、戦力を削ぐの」「それが私の…聖女としての最後の務め。だから一緒に死んで、魔王」
彼女はそう言って、剣を上へと振り上げる。辺りが目映い白い光に包まれ、俺は耐えきれずに目を閉じた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-17 00:36:31
596161文字
会話率:55%
三回婚約破棄突きつけた王子がいた。
そこはイセカイと呼ばれる世界で、百年周期で発生する魔王に存亡の危機に晒さらされていた。
王家は魔王を討伐すべく勇者召喚を行い、13代目の勇者によって魔王は完全に討伐。
イセカイから魔王の脅威が去った。
しかしそれは新たな戦いの始まりでもあった。
魔王と言う共通の敵を失った貴族たちが、愚かにも権力争いを始めようとしていたのだ。
それを見越した者が一計を案じ、事前にそれを防ぐ手立てを講じる。
それは勇者の息子でもある王子を囮にするという計画。
王子は囮となり、その過程で三回の婚約破棄した。
そして役目を終えた囮の王子は、最後の使命を果たすべく冒険者へと身を落とす。
最後の務め、それは冒険者となって無残な最後を晒すこと。
蔑み恨み憎しみ、全ての憎悪を一身に集めて屍を晒すことが王子の最後の使命だった。
これは、そんな王子が狼人の少女と出会い、己の道を見つけて最後の使命を果たすまでの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-17 04:22:18
925389文字
会話率:35%
太陽神の加護を失い暗闇に覆われた世界。魔法使いのリセルは自身にかけられた『呪い』を解くため、一人、『聖なる山』へと向かっていた。幽鬼に追われながら闇の森へ逃げ込んだリセルの窮地を救ったのは、太陽神に仕える黒髪の神殿騎士の青年。
「大丈夫かい
? お嬢ちゃん」
「……お嬢ちゃんって、呼ぶな!」
ちょっと口の悪いリセルと、お人好しの神殿騎士の青年は、お互いにワケありな秘密を抱えながら、共に旅をすることになる。
その邂逅は偶然か、それとも必然だったのか。
「今ならわかる気がする。あんたに言われたこと。わたしは自分が何者か、ちゃんと知らなければ……ならない。でないと、わたしは……」
※自サイト(天竜堂)掲載作品ですが、こちらには加筆・改稿して投稿しています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-12 09:35:39
95741文字
会話率:34%