「――うぐっ!」
「これは制裁だ! お前が約束通り金を用意できなかったから、当然の罰だ!」
いつものようにイジメを受ける高校2年生の主人公小路和刻。
今日もそんな自分の不幸に憂いていると唐突に脳内でアナウンスが流れた。
『――参加
者全員に告ぐ。瘴気は満ちた。これで【触媒】さえあれば完全なものとなることができる。我々は人間の生み出した兵器を遙かに凌ぐその力でこの世を牛耳るのだ。ともあれまずは【触媒】を見つけ、不要な人間やモンスター共を殺し、食い、レベルを上げ……時には同胞を蹴落とし新世界の王として君臨することも面白いだろう。……これにて我の務めは終わった。今度こそ魔族の繁栄を、理想郷を……』
魔族、触媒、瘴気。
訳の分からない言葉が並ぶアナウンスに耳を傾けていると、姿を現したのは1人の魔族。
人類の敵であるその魔族の手によって窮地に立たされた主人公だったが……。
『伝達可能確認終了。適合魔力、適合者として認識完了。適合者に告ぐ、レベルの付与を行いますか?』
とあるきっかけによりレベルの付与、さらには《時間操作》というスキルまで顕現させる。
そしてその結果、魔族やモンスターとの戦いにその身を置くこととなるのだった。
これは魔族という存在によりレベル・ランクという概念が生まれた世界で、レベル付与の適合者となった主人公がモンスターや魔族と戦い、英雄と呼ばれるまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-24 12:02:30
20590文字
会話率:41%