「――偽りの聖女ルナ、貴様を火炙りの刑に処す」
そうしてルナは焼かれた。これまで助けた人々に、罵詈雑言を浴びせられながら……。
(あぁ、疲れた……。もしも来世があるのなら、今度は自由に……そう、小説の中の『悪役令嬢』のように自由気ままに生
きたいな)
300年後、彼女は元の世界に転生し、絶大な聖女の力をそのままに伯爵令嬢の地位を――二度目の人生を手に入れた。
「もう誰かが困っていても、絶対に助けたりなんかしない。悪役令嬢に、私はなる!」
聖女学院に入学したルナは、聖女バレしないよう目立たず静かに過ごし、『悪役令嬢的セカンドライフ』を満喫する……はずだったのだが……? 聖女の力はあまりに凄まじく、無意識のうちに注目を浴びてしまう。
一方その頃――世界には邪悪な魔王の手が伸び、人類は存亡の危機に瀕していた。
追い詰められた人々はかつての過ちを後悔し、聖女の救済を求める。しかし、今更になってもう遅い。聖女は死んだ、否、彼らがその手で殺してしまったのだ……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 18:21:30
430606文字
会話率:43%
『こんにちは! 妙高型重巡洋艦の一番艦、妙高です! 妙高は今、コスタリカにあるプエルト・リモン鎮守府、長門様が率いる第五艦隊に所属しています。親友の高雄やちょっと変わった信濃、駆逐艦の峯風ちゃん、涼月ちゃん。頼れる仲間と一緒に、人々を守るた
め、人類の敵アイギスと日夜戦いを繰り広げています! 今日はちょっと変わった任務で――高雄、危ない!! え……? 長門様、どうして……?』
『我々人類は本当の意味で機械を操れてはいないのです。我々は常に計器で機械の状態を把握し、ボタンやレバーで間接的に制御している。だから私は、機械と人間とを直接に繋ぎ合わせ、五感のように機械を把握し、手足を動かすようにそれを動かせる、そんな方法を研究しているのです。東條参謀長殿、いかがですか?』
『マイン・フューラー(我が総統)、命令を。スターリンもチャーチルも、我が艦載機で雑作もなく殺してやりましょう。――え? どっちも殺さないで欲しい?』
『タヴァーリシ(同志)スターリン、御命令を。我らが祖国を侵す敵は全て、この私が殲滅いたします。――決して沈んではならない、ですか。無論、政治的に私が沈むわけにいかないことは――そういうことではない?』
『――船魄(せんぱく)。それは軍艦を自らの手足のように操る少女達。艦が肉体であるのなら、私達はその魂。艦そのものである私達が操る軍艦に、人間が対抗することは不可能に近いわ。人類が最初に手にした船魄は、日本がフィリピン沖海戦で投入した瑞鶴、つまり私ってわけ。私は日本を守るためアメリカと戦い、奴らから全てを奪ってやった。その代わりに何もかも失ったけど。この話、聞きたい?』
本作のメインテーマは、あくまで史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。
新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。またブックマークや感想などよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 18:02:04
223276文字
会話率:70%
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛の予定です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品はアルファポリスでも公開します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-18 21:00:00
207187文字
会話率:41%
始めて来る町、よく知らない親戚。
私はここでひと夏を過ごす。
安心して帰れるところがあるのなら、きっとただ楽しいだけの日々。
──愛されている、必要とされている自信が欲しい。
最終更新:2024-05-15 10:50:00
51344文字
会話率:34%
百人一首があるのなら、一人百首があっても良いのでは?
最終更新:2024-05-08 07:00:00
7075文字
会話率:53%
「貴様はナイーゼ家内の部屋に軟禁させてもらうこととする」
「お願い、どうかそれだけはっ」
実の妹に数々の悪事を働いた公爵令嬢リリア・ナイーゼ。彼女は遂に皇太子の手によって断罪された。それも、大勢の貴族の前で。
けれどもリリアは無実だ
った。
ずっと愛し続けた皇太子に捨てられた彼女は、苦しみの中ひっそりと一度目の生涯を終えた。
"今度出会うことがあるのなら、今度は彼を愛さない"そう心に決めて。
彼女の思いに応えるように、次に目を覚ますと、彼女は幼少期まで戻っていた。
今ならまだやり直せる。そう思って行動に移そうとするも、皇太子の様子がおかしくて‥‥‥‥‥。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-31 23:31:43
37714文字
会話率:21%
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女
は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
コチラの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n0951iq/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-15 12:00:00
37360文字
会話率:39%
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女
は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-08 19:05:42
11216文字
会話率:34%
とある時代の転換期、人の命を奪うことを生業として生きてきた女がいた。死の間際、その女は望む。もし、自分に来世があるのなら、普通の町娘として、普通の人生を歩み生きて行きたいと・・・。
最終更新:2024-01-31 22:00:00
1392文字
会話率:3%
もしも約束に形があるのなら、それはどんな姿をしているのだろう。
家紋 武範 様主催、『約束企画』参加作品です。
最終更新:2024-01-14 16:57:18
1148文字
会話率:22%
憤りを感じた事はありませんか? 世の裏に巣食う、無数の屑どもに。
殺人、強盗、恐喝、強姦……法の抜け目を潜り抜け、社会の闇に息づくクソどもに。
恨み辛みを感じながらも、自分の力じゃあ何の復讐も出来ないと、泣き寝入りした事は?
果たせ
ぬ願いと傷を胸に携え、涙も枯れ果てた瞳で睨み付ける――そんな人の為に、コイツがいるんです。
クソどもへの復讐なんてのはクソ野郎の役目。ゴミクズの手に任せなさい。
晴らせぬ恨みを晴らす者、返せぬ借りを返す者、届かぬ怒りを届ける者。
他人の恨みを食らって生きる、彼の名は『始末屋』。
死神(ペイルライダー)を名乗るゴミクズが、恨みを晴らしにやって来ます。
もしあなたの胸に燻る想いがあるのなら、彼に任せてみるのも一興では?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 03:50:58
148474文字
会話率:44%
ただの平社員だったある男は、偶々会社の上司が不正や横領をしていることを発見しそれを会社の上層部に報告した。
しかし次の日に会社に行くと、それら全て自分がしたことになっており、更には報告したもの以外の犯罪まで自分がしたことになっていた。
その
後身に覚えのない証拠が次々と出てきて裁判で有罪となり、実刑判決を下されてしまった。
妻とは離婚し、その後の人生は犯罪者ということで散々な人生だった。
数十年後、元上司と偶然出会いあの事件の真相を聞かされた。上層部もグルで嵌められたのだと。
馬鹿にしてきた元上司に掴みかかり揉み合いとなった際に車道に突き飛ばされそのまま車に轢かれて死んだ。
死の間際に思ったことは、自分が弱かったからダメだったのだ。もし次があるのなら、誰にも屈することのない絶対的な力・立場を手に入れる!何の力もない者の言葉など無意味。ただの薄っぺらい正義感など何の役にも立たない。力こそ全てだ!という思いだった。
そして次の人生では決して間違えないと誓ったのである。
そんな思いが実ったのか記憶を持ったまま公爵家の三男として転生した男であるが、その公爵家は王家よりも権威があり絶対的な強者であることを強いられるその男にとって理想の家であった。
誰にも屈さぬ力を手に入れるための物語が今始まる。
※この作品はカクヨム様にも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-23 07:00:00
1030247文字
会話率:21%
最近、とある工房で、兄妹職人は、新商品を考える。
洗い物の魔法が流行していて、食器で一発当てれそうだから。
一発逆転になる食器を、
「味わい」「拘り」「叫び」……『命(デザイン)に積み増す』
※婚活チャージ・元ネタ 413※
洗い
物の魔法があるのなら、
もっと独創的なデザインの食器がありそう……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-06 04:00:00
1156文字
会話率:0%
もし、生まれた意味があるのなら、あなたに出会うためだと言おう。
皆等しく【シルヴィア】と呼ばれる戦女神ジルフィアラの戦乙女の一体として創られたシルヴィアは、使命として降り立った人の世でヴィンセント王国の王太子レオンと出会う。眠りの半ばで目
覚めた不完全体ゆえに幼い少女の姿をしたシルヴィアだが、人々との交流を経て少しずつ成長を遂げていく——それは叶わぬ恋をすることでもあった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-27 07:00:00
266660文字
会話率:41%
北方の辺境、ポロ伯爵領では、エリザベート率いる聖女団が、活躍をしていた。
しかし、聖女ハウスの訓練場は固い。広告費は全部伯爵へ、魔物の買取り金額も数が多くなれば安くなる。聖女グッズを作っても利益は伯爵へ、音響魔道パーティがくれば、荷物を出
さなければいけない等々不満がたまっていた。
ある日、エリザベートは、条件を交渉をしようとしたら、売り言葉に買い言葉で、自ら追放される道を選んだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-21 15:38:16
3584文字
会話率:64%
私は人生に絶望していた時、婚約者である王子の姉であるレイラ様と出会った。
その出会いが私の人生を大きく変える。
だが、私は一生の主人と決めたレイラ様を守れず、レイラ様は亡くなってしまった。
悔しい、もし次の人生とやらがあるのなら、私は…
そして、私は生まれ変わり、記憶を取り戻した。
この人生では間違えない。
私は姫様と復讐にこの人生を捧げるわ。
あらすじだけ読むと、すごく暗い話みたいになりますが、そこまで暗い話ではない…はずです。
残酷な描写はありますので、ご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-11 06:00:00
28771文字
会話率:39%
昨日のうれしかったことを書きました♪ 小さな幸せを一つずつ大事にしたいです♪
最終更新:2023-09-10 12:08:00
4860文字
会話率:0%
機会はある。その寡多を問わず。
もし果たせるときがあるのなら、遠慮はいらないというもの。
最終更新:2023-08-21 18:00:00
2342文字
会話率:0%
【アン・リベルテ】。知る人ぞ知る魔物研究者だ。魔物を愛し、魔物に嫌われる魔物研究の第一人者。これはそんな変人博士の助手となってしまったわたしの変人博士の観察記録である。
例えば、半人半蜘蛛の魔物、アラクネの口はどこにあるのか?外骨格なのか?
内骨格なのだろうか?そんな素朴な疑問を抱いたことがあるのなら、あなたもこの記録を読むといい。
***
魔物に異様な愛を捧げる変人博士と、そんな博士の助手になってしまった辺境の村人による、魔物の生態観察コメディ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-20 19:04:27
10646文字
会話率:9%
辺境伯令嬢アリシアは困っていた。
この国唯一の王子の婚約者である公爵令嬢フェリシアナの学友に選ばれ、最終学年に在籍する愛しの婚約者様にも三年ぶりに会うことができ、充実した学園生活を送っていたというのに…ーー
王城に現れた異世界人、通称“迷い
人”の少女に、王子が心を傾けているというのだ。
「ねぇ、アーロン。そんなにかの御方は素敵なの?」「さて、私にはちっとも魅力は感じないが…ああアリシア。君の憂いになるのなら、私がどうにかしてしまおうか?」「いいえ、貴方の心が私にあるのなら、憂いたりえないわ」 // これは相思相(溺)愛の、後に王家の盾と呼ばれることになる辺境伯爵夫妻(予定)が、各々の未来の主人のために奔走する話 // 流行りに乗って悪役令嬢系…と言ったら怒られそうなほんのりです // 設定緩いので、あまり深く考えずに読んでくださいませ // さりげなく、初投稿作品です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-02 09:00:00
18543文字
会話率:27%
ジルは夢をみた。知らない土地に、見たこともない文明。けれど、一人の女性が熱心に見詰めていた先には、ジルのよく知るものが映っていた。
――七年後に弟が死ぬ?
聖女の儀式に並行して紡がれる、ヒロインと攻略対象五人の恋愛模様。そのゲーム
の終盤、わき役である弟は殺されていた。夢でみたゲームというものが予言であるのなら、未来を変えてみせる。ジルは弟に成り代わり、聖女の従者となることを決めた。
===
週2回(月・木)更新中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 23:23:10
631555文字
会話率:42%