高遠真尋、17歳の高校2年。
幼い頃に事故で両親が他界してから、実の兄がたったひとりで面倒を見てくれた。
将来の夢を諦めて高卒で社会人となり、真尋の大学進学の準備までしてくれている優しい兄。
そんな兄には彼女がいて、真尋の高校卒業を見届けた
ら結婚する約束までしている。
大切な兄たちの祝福を祝うべきなのに、真尋は心の底から素直に喜べずにいた。
兄の恋人にずっと叶わない密かな片想いを続けていた真尋にとって、この幸せは仄暗ささえ感じる。彼らが結婚すれば諦めがつくとずっと考えていたのに、実際は後悔しかない。
自分が告白していたら、未来は変わったのだろうか?
彼女は振り向いてくれただろうか?
彼女が自分だけを見てくれたらいいのに……そんな願いが皮肉な形で叶えられようとは、夢にも思わなかった。
奇怪な殺人事件が頻発する世間を、どこかで関係ない世界だと思っていたのに。
なんらかに取り憑かれた兄は化け物となり、愛する女性を殺そうとしている。
真尋が選んだのは実の兄ではなく、義姉となるひとだった。そして----
彼女はいま、真尋とともに暮らしている。
記憶を失い、自分は17歳の少女と自覚し、義弟のことを愛する男と思い込みながら。
叶わない恋と知っていてもなお、愛する人のために戦うSFっぽいアクションファンタジー(仮)です。
ちょっとかなり見切り発車。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-03 23:12:13
33680文字
会話率:20%
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最終更新:2010-02-23 16:03:31
308文字
会話率:0%