舞台は日本の戦国時代を彷彿とさせる架空の世界。
元領主の娘、暁は出自を隠して山奥に隠れ住んでいたが、ある日山で鬼に遭遇する。鬼に魂を喰われかけた暁だったが、「不味い」という理由で食い殺されずに済む。
その後、暁は山で迷っていた現領主の成頼を
偶然助ける事になり、かつての父の城に向かう。
同じ頃、暁の弟、春彦は身の上を偽って城仕えを始めたところだった。
城で再会を果たした姉弟は、父の城を取り戻そうとお家再興を画策するが、その矢先、例の鬼が暁を攫ってしまう。
鬼に連れ出された暁は、何故か鬼の「探し物」を手伝う羽目になり、鬼に連れられて故郷を後にする。
旅先で暁は数十年前に都を荒らしまくった凶悪な鬼の伝説を耳にする。
暁を攫った鬼、「那由多」と伝説の鬼、「一壺天」。
呼び名は違うが同一とも考えられる二者の関係がやがて明らかになり、旅を通して世間を見ることで暁も成長して行く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-26 18:51:52
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会話率:57%