『学生時代は特別仲がいいわけではなかった部活の後輩とカフェでたまたま出会い、そんな偶然に戸惑いつつも二人は二人っきりの勉強会を通じて距離を縮める。その速度はとてもゆっくりではあったけれど、確実に小さくなっていくのは間違いなくて。ときどき物理
的に距離が開くこともあるんだけど、それは未来への布石。そんな苦しい時間が終わる頃、二人の距離は、あいだの空間がごっそりと消え失せたかのように近くなっている。それはやがてゼロに達し――物理的にもゼロになる。
これはそんな二人の人見知りが繰り広げるいじらしくも愛おしい物語。
どうか最後までお付き合いいただければ幸い』
「・・・・・・」
「(顔、真っ赤じゃねえか・・・・・・。だから読ませたくなかったんだ・・・・・・)」
「こ、これは水弦さんがわ、わたっ・・・・・・!」
「・・・・・・そうだよ、お前と再会したときにぱっと思いついた短編のあらすじだよ」
「そ、それはつまり・・・・・・そのっ!?」
「・・・・・・なに」
「わ、私のことを初めからす、すすすすすすすすすす好きだったということですか!?」
「あ、それはちがう」
「・・・・・・えー」
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-13 20:00:00
36365文字
会話率:44%