日ノ本で剣を修めた、常に無表情な青年鳴河は、英国で手広く商売を行う貴族のエドと出会い、彼の用心棒へと勧誘される。かねてより未だ戦乱の火種に満ちると聞いていた欧州へ渡るつもりでいた鳴河は、曰く『下手な戦よりも敵が多い』と宣うエドに『いずれ大戦
が起きる』と予言され、亡き師匠の流派の名を高め、広めるという大望を果たすため、エドとともに英国へ向かうことになる。
商売敵から命を狙われるエドの護衛をこなしつつ、鳴河は英国が抱える不穏な空気を感じ始めていた。実際英国では宗教上の対立や貧困など、いくつもの〝火種〟が散在しており、『断ち切り魔』と呼ばれる殺人鬼の存在まで噂されていた。
さらに鳴河は都市部の治安維持に努める貴族アドルファスや、エドの友人で海軍内での立場を強めていく海軍貴族ドラコとその妹アリィらと知り合い、彼らの密やかな企みに引き込まれていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-21 09:00:00
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