ここは、剣と魔法の世界。
いまだ魔王と勇者が戦い続けるこの世界で、少年ノアは一人の勇者候補としてこの隠れ里に生まれた。
隠れ里では、生まれた勇者候補を魔族や魔獣、魔王と戦える勇者とすべく、幼い頃から鍛えられ、あらゆる戦闘技術を叩き込ま
れる。
厳しい訓練に、気が弱く心の優しいノアは何度も挫けそうになったが、勇者パーティーの一人でもあった師匠シルフィの支えもあり乗り越えられることが出来ていた。
そして、勇者候補達は十五歳になった時、勇者の証しでもある自分だけの武器を手に入れ、勇者となる。
その武器は「神器」と言い、勇者が宿し体の中に流れる、「神力」というオーラから作られ、あるものは大剣、またあるものは弓、そして槍や鞭など様々な形の武器が発現する。
里では勇者の将来性をその武器の形状により、測るという風習があった。
これまでの歴史で、魔王へと届くと思われる程の力を見せた勇者が発現させた神器は皆、剣であった。そしてまた、歴代最強と謳われた勇者が発現させた神器も長剣、ロングソードだった。
そして数年後その日が来た。
僅かな希望を胸に、鍛練や訓練を...努力を重ねて来た日々。その結果が出る日、そしてノアの未来が決まる日。
「神器」を発現させる運命の儀式の日が来た。
その結果は...
発現したノアの「神器」は強い勇者になるとは到底思えない、ボロボロで所々歪みひび割れた小さな盾だった。
元々、ノアは他の勇者候補や、里の人々にイジメられていたのもあって、将来も期待できない「神器」を目の当たりにし、それを期に勇者になることを諦め始めていく。
数年前、魔王討伐へと旅立ち帰らぬ人となった、師匠シルフィの仇を討つと誓ったのが、それも果たせそうにない。
全てが無意味になり、失意の中、いつも一人鍛練を重ねていた場所へと自然に足が向かう。そして、出会った。ノアと似た境遇の、同じ心の傷を持ち、その気持ちをわかりあえる魔族の少女、ステラと言う魔王の娘と。
里の落ちこぼれ勇者ノアと、追放された魔王の娘ステラ。二人の世界を変える旅が始まる。
【たった一人大切な人がいれば、自分《世界》は変わる。】
※可愛い女の子がたくさん出てくる予定です。
※ざまぁ要素あります。
※主人公はいずれ最強になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-29 12:22:09
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会話率:32%