スレイスフィールド王国に2人目の王子が生まれた。彼の名はヴィンセント・スレイスロード。側妃エミリーは彼を産んで間もなく息を引き取り、父王フェルディナンドは彼の元を訪れることはない。それでも祖父や乳母、乳姉妹に囲まれてすくすくと育つ。
然れど
彼は王子。宮廷は否応なくヴィンセントとその周囲を巻き込み蠢く。卑しみ疎む者、厳しく当たる者、力を求めて近づく者、退廃へ誘う者――。
これは、幾重に折り重なる思惑に絡め取られゆくヴィンセントが、笑い、悩み、喜び、苦しみ、足掻いた先に未来を選び取る物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-28 09:00:00
445263文字
会話率:39%