かつて、青年は母に言われました。
働かなくてもいい、と。
どこかの神託にも思えるそれはとても甘美で、蠱惑的で……
そんなお言葉に飛びついた青年は所謂、無職でした。
ニートではありません。引きこもる気もありません。一応、自宅警備員では
あります。
毎日のように家事をこなし、アニメを見て、ゲームをして、ネットを巡り、わりと頻繁に買い物に出かけます。
そんな無職がある日、見つけたのは一つの求人冊子。
もちろん青年のモノではありません。なぜなら、青年は一度として社会に出ようとしたことが無いからです。
ですが、奇跡的に青年は冊子を開いてしまいました。
すると、どうでしょう。なにやら青年の意識は白く染まっていきます。
何もそこまでの拒絶反応を見せた訳ではありません。しかし、気が付けば、そこは緑豊かな森の中。どうやら、青年は森を仕事場として斡旋されてしまったのです。
果たして青年の物語はどこへ行き着くのでしょうか。
これは小さいようで大きいような、異世界就職から始まる寄り道だらけの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-25 16:23:52
74062文字
会話率:31%