そこには、一人。演劇を忘れられない少女がいた。
そこには、もう一人。父の形見である使い魔を使役する少年がいた。
その世界は魔法が発達した近未来。古より伝わる魔法はその時代の流れに沿って魔術へと変革され、いつしか魔術を専門とする魔術学園が広
まり、魔術という名の神秘の力が当たり前と口にされるようになった魔術が身近な物になった世界だ。
そして、各国に五つある学園の中で、日本支部に健在するセイヴァリアント魔術学園。
入学と同時に、どの魔術学園も同時に二つの科目を選択しなくてならない。
それは、魔道具を使用する魔術武装科。
それは、使い魔を使役する魔術使役科。
それらの科目を選択した生徒たちは日々学園で努力に勤しみながら、その先にある将来の夢に向かって勉学に励んでいく。
だが、二人の少年少女は……共にその思想とは違った思いを胸に秘めていた。
少女はただ、演劇をするために…。
少年はただ、一人静かに生きていくために…。
この物語は、少年少女たちが歩む逸脱者(ディヴィエイター)に至るまでの物語―――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-20 21:10:56
26395文字
会話率:27%