一瞬、強く吹く風、その風が鼻腔の奥を刺激する。
「いったーい」
――それはさも当然のように、赤在煉の頭上に飛来した。
赤在煉、十六歳は、突然空から落ちて来た少女と出会った。少女の名はメイ。メイは自分のことが分からない記憶喪失の
少女だった。
メイが唯一知っていること、それは自分が鬼であることだった。
出会って五秒でいきなり噛みつかれた赤在は、その場のノリと勢いで自らもメイと同じ鬼となってしまった。大きな角を生やした二人は、鬼がどこからきてどこに向かうのか、その答えを求めて東奔西走の日々を送ることとなる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-28 18:36:03
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会話率:36%