かつて、召喚された勇者によって、魔王は討ち滅ぼされた。
彼を支えた聖姫と結婚し、平和を勝ち取った国を繁栄させ、幸せに過ごしましたとさ。
めでたしめでたし。
これは、それから数十年後の話。
「フェンイザードの貴族に惑いは不要。この通
り、我が身は不死身である」
勇者と聖姫の孫であるアリアナは、たった一人の王家の生き残りとなっていた。
弱冠十四歳で戴冠、女王となったアリアナは、襲撃、毒殺――暗殺により窮地に陥るが、その度に生還。彼女は『不死身の女王』と畏れられた。
しかしアリアナの不死は、人族の敵――魔族の少年、ライの能力による虚飾であった。
大きな秘密を抱えながら、アリアナは女王を続ける。
『アリアナ、王族の一人として国の奴隷になりなさい。――正当な後継者へ、王位を繋ぐために』
たった一つ、どうしようもない願いを叶えるために。
「絶対に死なない体にしてください! 何でも差し出します!」
「言ったね? 後悔しても遅いから」
そして十五歳の誕生日、アリアナは再び毒を盛られ、生還する。そして――。
「今回殺意を向けたのは、どこの誰で、何が目的だったのかな?」
*過激表現あります。
*セルフレイディングは念のための保険。
*異世界設定ゆるいです。
*推理要素ないです。
こちらはカクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-05 20:20:00
55555文字
会話率:38%