朝起きると、その者(私)は顔を失っていた。
そして、自分の名前も.思い出せなくなっており、狼狽えてしまう。
一方で、人の身体から飛び出してくる奇妙な矢印を見ることが出来るようになっていることにも気がついた。
顔を失ったことでその者
は、自分が一体どんな姿をしており、どんな名前の人間であったのか、まったくわからなくなってしまう。
ただ、自身の顔を憎んでいたことだけは、覚えていた。
周囲の人間が、皆一様に昨日起こったことを示唆するため、その者は、昨日起こったことが、顔を失ったことや名前を思い出せなくなったことに関係しているのではないか、と疑う。
そして、戸籍上も血の繋がり上も兄弟ではないが、兄弟のように暮らしている明の協力のもと、「昨日のこと」を探ることにした――――が。
ほんのりミステリ風味のボーイ&ガールズの自意識過剰!小説。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-24 23:00:00
120387文字
会話率:33%