香りは嘘をつけない——そう言ったのは祖母だった。
帝都の香老舗〈瑞花香堂〉で祖母と暮らす香司見習いの少女・ソウカは、香りの記憶と観察眼に秀でた無口な変わり者。
ある春の日、後宮の妃へ香の納品に訪れた際、若い侍女が突然死する事件に遭遇する。周
囲が混乱する中、ソウカはただ黙って地面に木の棒で香の成分と犯人像を書き残し、静かに立ち去った——。
やがて「香に込められた違和感」が後宮の耳目を集め、帝の命により、ソウカは後宮香司見習いとして召し上げられることに。
香りが告げる嘘、香炉の底に沈む秘密。少女は香の痕跡から静かに真実を嗅ぎ取っていく。
これは、香りで語る推理譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 08:55:04
9700文字
会話率:35%
19世紀末のラシェル市。科学と魔法が交錯するこの都市で、探偵ノア・ヘリングと魔法使いの少女ティナは、奇妙な依頼を受けた。
「妹が、花嫁となった夜に消えた――影に連れて行かれた」
失われた花嫁を追い、ふたりは霧深い村へと向かう。そこに残された
のは、語られなかった契約と、ある少女の選択だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 16:00:00
3226文字
会話率:44%