剣と魔法こそが生存の要――。天変地異が頻繁し、魔獣が地上を席巻しつつある終末世界。かつて国内若手最強とも評された少年傭兵のサシャは、流れの神父の真似事をした放浪生活にその身をやつしていた。使い捨て同然の傭兵生活に嫌気が差していたし、そもそ
もお人好しの彼は傷つけるより癒す方が性に合っていたからだ。
ある日、そんなサシャが使う癒しの技が神殿に見咎められ、邪神の業を使う異端者として追手をかけられてしまう。
……人々は知らない。世間一般で広く信仰されている癒しや魔法の力を与えてくれる新世代の神々こそ、実はこの世界を侵略せんと企む外来の神々だということを。そんな新世代の神々が与えてくれる癒しや魔法の力、それを使うことこそが世界を蝕み崩壊へと追いやっているという事実を。
この世界本来の神と縁を結び、“正しい”力を使えるのはサシャただ一人。けれどもそのことは本人すら知らず、彼は追われるがまま遥か大陸北端の辺境、誰も自分のことを知らない噂の新天地へと一目散に逃亡する。
これはそんな隠れた神の使徒が、辺境の迷宮都市でなんやかやと真の神の力で騒ぎを引き起こして有名になりつつも、マイペースで世界を救っていく物語である。
◆前作「叛逆のヴァンパイア」の百年後の世界、という続編ですが、前作を読んでいなくても問題はありません。そのあたりの詳しい裏話?は活動報告にて。
◆セルバンテスでも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-24 10:00:00
534575文字
会話率:44%
その地下牢には、人知れずヴァンパイアが囚われていた。それは真祖直系の高貴な、けれど人の血は飲まぬと誓った異端のヴァンパイアだ。百余年ぶりに地上へと脱出した時、彼は知る。人間によって同族は逆に狩りつくされ、自分が最後のヴァンパイアであるかも
しれないということを。
欲深き人間達の執拗な追手、立ち塞がる魔法使いという名の天敵、群がりくる獰猛な魔獣群――世界は彼に牙を剥き、容赦なく追い立ててくる。孤立無援、心優しきヴァンパイアの生き残りをかけた壮絶な戦いが始まった。
そして、果てしなき戦闘の中で巡り合っていく孤独な彼の理解者たち。徐々に明らかになっていく、ヴァンパイアという種族の秘密と地下迷宮、世界を統べる神との悠久なる関わり。折しも王国は未曽有の戦乱に巻き込まれていき――
約六十万字、バトル&アクションの幻想英雄譚。第4回オーバーラップ文庫大賞(4期)最終選考作品を第一部とし、全四部構成に加筆・改稿した完結済作品です。
2018.12追記 ネット小説大賞応募用の設定集を第1話に挿入しました/続編「終末のアパスル ―世界が壊れていくのは、魔法のせいかもしれない―」投稿開始いたしました。
2019.3追記 本作にファンアートを頂き、「いただきもの」という題で物語末尾に追加掲載しました。
●暴力表現等はR15の範囲に収まるよう留意しておりますが、主人公の種族設定上、血が苦手な方は特にご注意ください。
●「セルバンテス」でも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-04 10:17:07
593344文字
会話率:26%