千のやり直しの果て、全てを諦めた主人公。
これはその力を手に入れた男の物語。
*
八月、夏真っ盛り。
灼熱の太陽がじりじりと河瀬宮町を照らす中、青年・新藤 翠(しんどう あきら)は人混みの中で彼女と出会う。
冬用の黒いロング
コート、紅い髪、コバルトブルーの澄んだ瞳、透き通るような白い肌。可愛らしい人形のような愛くるしい容姿、しかし鬼よりも鬼みたいな炎の似合うふしぎな女の子。
おかしな二人組に絡まれていたところを助けようとしたら、逆に助けられ。それをきっかけに翠は神の遺産――聖魂紋章《エンヴレイム》を発現させ、あらゆる因縁に巻き込まれていくことになる。
それは、混沌の火孔で渦巻く母への怨嗟・闍魂の子。
それは、愛する者の為に運命を捨てた者・壊れた正義。
それは、人であり人ならざる無貌の英雄・最古の王子。
それは、英雄の代わりとなった・無貌の少年。
※この作品はカクヨムにも掲載しています。
URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054921162389
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-06 20:26:04
31169文字
会話率:20%