彼女は(自称)闇魔族の由緒正しき魔法使いだったそうだ。名前は、そうシャケ・マシマロシュークリーム・ナンタラ・カンタラー……さん?
「だったっけ?しましま?」
私は、カタカタせんべいを囓りながら、しまし魔法の書という落書き帳にみみずの画(
自称魔方陣)を書いている動くウサギのぬいぐるみ、「しましま」に、問いかける。と、彼女は垂れていた耳をひょこりと立ち上げて、私の側へと寄り、手元のスマホをのぞき込む。
「ちょ、ちょっと何よこれ!」
「何って、しましまのお話だよ。しましまが主人公だよ。これで成功したらバケモンと妖怪ウィッチの仲間入りで、グッズが売れてウハウハだよ。ぐへへえ。」
「何馬鹿言ってんのよ。そんなに簡単に上手く行くはず無いじゃ無い。っ……じゃなくて、なんで私の許可無く勝手に私の話を書いてんのよ。しかも、私の名前はリッヒシュヒュッケ・マニュシュクール……よ。」
「ってちょっと、作者、なんで私の名前が三点リーダーで省略されているのよ。あんた私を馬鹿にしてるでしょう。これでも私は、正統派闇魔法の継承者であり、ミラスエル国の王女……」
ってな具合のぬいぐるみに憑依した異世界人と、女子高生のキャッキャウフフになったら良いなというお話である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-10 18:00:00
8442文字
会話率:46%
魔族により支配されるアリエンテス大陸。人は力なきものとして生きる他はなかった。力が全てである魔族は、癒しのわざを持つ者を迫害した。銀の闇王と呼ばれる月牙伯爵の領。廃村に住まう少女ユーラは、癒しの手を持っていた…。
2012年9月24日、W
EB上で読みやすいよう、全面的に空白と改行を入れました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-02 10:49:51
163492文字
会話率:54%