セキニン、とれよな。もうあたしだけの身体じゃねぇんだ。
◇
地の果てには、竜が棲む。
そう伝えられる世界で、ハルトたちは暮らしている。
魔式と呼ばれる小さな異能を誰もが持ち、その特性に応じて火を灯し、風を呼び、水を操る。
人々の暮らし
はその力により維持されていた。
大きな災害も、深刻な流行り病もない。
それでもこの百年ばかり、ときおり現れるようになった魔物たちが平和を脅かしていた。
これに対抗するため、特に強い魔式を持つものが集まり、竜祈師団が結成された。
男女の別なく、だれもが望めば幼少時から訓練を受けられ、能力を見出されれば竜祈師となれる。
ハルトもその育成学校の生徒のひとりだ。
が、生まれつき魔式の能力もほとんど認められず、体力も剣技も振るわない。
加えて臆病な性格から、学校ではいじめられ、爪弾きにされていた。
そんなハルトの前に、ある日。
彼女は堕ちてきた。
見たこともない巨大な魔物とともに、割れた空から。
横たわり、意識を失っている彼女の腕には、深い傷。
その傷から覗いているのは……黒鉄と銀の、機械だった。
剣と魔法の世界を覆う、巨大な秘密。
この世界のはじまりとおわりの物語に、ハルトは否応なく関わってゆくこととなる。
そしてその秘密は、彼自身の……。
*第一部完結済、最終話投稿済です。
*毎日12時に更新。
*最終回は2024/9/29となります。
*クセつよキャラと美麗バトル、ファンタジーとSFの融合!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-29 12:00:00
59855文字
会話率:29%