東京の喧騒の中、高層ビルと混み合う電車の間を忙しく生きる人々。その中で、六階の小さなベランダから、静かで優しい物語が始まる。
毎晩タバコを吸うことが日課のサラリーマン レイ。ある夜、隣のベランダから聞こえてきた咳に驚き、思わず謝る。
する
と、柔らかくもどこか寂しげな女性の声が返ってきた——
「大丈夫……ちょうど中に戻るところだったの。」
顔も知らない隣人との、たわいもない会話。
それが毎晩のささやかな癒しとなり、やがて心を通わせていく。
アオイ—— 明るくふるまう彼女の内側には、深い孤独と誰にも見せない痛みが隠されていた。
レイ—— 単調な日々の中で、名前も姿も知らぬ声に心を惹かれていく。
しかし、アオイが“車椅子の少女”であることを知ったとき、レイの想いは試される。
『バルコニー』は、
見えないつながり、傷の中にある優しさ、
そして形のない恋が生まれる瞬間を描いた、
心にそっと寄り添うラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 21:20:00
21937文字
会話率:49%
魂のかたちが視えるAIが届いた日、少女・紬は知る。
自分の魂は「透明な螺旋を描く光の糸」。
見えない声、触れられない想い――それでも誰かの心とつながりたい。
そんな彼女の言葉が、遠く離れた少女の涙を止めたとき、
静かに、世界が動きはじめる。
見えないけれど、たしかにつながっている。
言葉の力と魂のかたちが紡ぐ、やさしい共鳴の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-09 15:29:22
878文字
会話率:14%