いや、実際は深くは眠れていない。ずっと寝不足の状態なのは、軍の団長ハリアを近衛兵団に戻した頃からだ。
(ティアとの仲を取り持ったのは、この俺だと言うのに……)
何度も二人、馬に乗って出掛けていく姿を見掛けていた。そんな時はいつも、ハリア
はティアを前に乗せ、大切そうにその両腕で包み込みながら、馬を操っている。
そして、その二人の姿を。ずっとずっと、真っ直ぐに伸びる道の先に消えるまで見送ると、リンドバルクは自室へと戻り、ベッドに倒れ込む。
眠気はやってくるが、寝つきはしない。いつまで経っても焦点の合わない天井をぼうっと眺める。
二人が戻るまでの気が遠くなりそうな時間を、そうやって過ごすうち、夜も眠れなくなってしまった。
夜の帳が下りる。目を瞑る。すると、ティアの笑顔が。
(いつか、気がふれるのかもな)
早くそうなって欲しい気もするし、一国の国主がそのようではと、自分を諌めてみたりする。
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「女盗賊ミランと盗賊団の黒蛇」のリの国国主リンドバルクと血の繋がらない妹、翼人(つばさびと)のティアの話です。どうしてもハッピーエンドにしたくて書いてみました。読んで頂ければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-04 14:51:55
6184文字
会話率:43%
血の繋がらない兄と妹の物語です。
最終更新:2017-02-09 18:21:43
3678文字
会話率:43%