「貴方を救いにきました」
静かに死を待つフォティオスの元に現れたのは、そう言って泣きながら笑う女性だった。
彼女の瞳と声は、かつて憎んだ相手にそっくりで、いるだけでフォティオスの心をざわつかせた。
けれどそんなことを気にも留めず
、彼女はただ真っ直ぐな想いを向けてくる。
初めは距離を置いていたフォティオスも、次第に彼女に心を開いていった。
救われるかもしれないと、心の片隅で希望を抱いてしまうほどに。
そんな時、敵の魔の手が二人に忍び寄る。
「愛する人をただ守りたいだけなのに、そんなに悪いことですか?」
正義と正義がぶつかりあい、守り合う戦いの末に残されたのはーー
泣きたくなるほど残酷な、無償の愛だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 07:10:00
18974文字
会話率:25%