かつて大陸に名を馳せたという大国は、廃王クレトスの狂気により滅びた。それから千年後の夕月の年、亡国は美しい半透明の水のヴェールを纏って蘇る。日々範囲を広げ、全てを喰らっていく水の檻に、魔法使いのヴィヴィーは重い腰を上げた。魔法が邪悪な業と
して忌まれる世の中、更なる面倒は御免だったのである。「英雄ならば亡国を打ち破れる」という伝承に従い亡国に挑む彼女は、敵の打倒だけでない困難と謎に直面することになる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-10-23 23:28:49
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会話率:38%