――この世界は偽者だ。本当の魂はおろか未知の可能性さえも存在しない。
人類が金属生命体によって滅ぼされた後、生き残った人々は地球を精巧に再現した仮想空間で仮初の身体を得て、仮初の現実を生き始めた。それから100年。
仮想の東京に住む高校
生のアリトは、その日もいつもと変わらない日常を送っていたはずだった。しかしその日の学校の帰り道――目に見える全てが灰色に染まり、人一人いない世界に突然取り残されてしまったアリトは、そこで何故か自分を殺しにかかる闇色のデッサン人形に出会った――訳も分からず翻弄するアリトは遂に追い詰められ、今まさにその命が刈り取られようとしていた――寸前。
突然アリトの目の前に黒檀のような黒髪の少女が舞い降りる――。アリトが運命と出会った瞬間だった。
「もっと知りたい。俺の知らない真実を。まだ見ぬ地平線の彼方を!」
世界の全てを知ることを望んだ少年と、世界の全てを救うことを願った少女の、仮想と現実が逆転する世界を問う物語!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-18 08:00:00
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会話率:24%