家にほとんど、いえ、私の知る限り全く帰ってきていない父が、突然兄だという人を連れて帰ってきた。
何を言っているのか全く理解出来ないまま、その、兄という人を押しつけられた。
父の言葉に従って、父の振る舞いに沿うように育てましょうと、母が父に約
束をする。
私は恐らく、それが父の思うようにならないことを理解しながら、満足げに去る父を見送った。
かくて、兄は、父のように育ち、父の思うようには、育たなかったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-17 18:58:35
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