狭霧茉莉は、発光する胞子に満ちた森で目を覚ます。
この世界において、彼女は“未定義”の存在であり、「校正」と呼ばれる抹消の対象だった。
森には、見えない誰かの視線が漂い、茉莉は“視られること”そのものに強い恐怖を抱く。
そんな彼女の前に現
れたのが、霜茸胞と名乗る少年。
菌傘をかぶった彼は、茉莉を「君」と呼び、消されかけている彼女の存在を確かめるように寄り添う。
登場人物紹介
■ 狭霧 茉莉
この世界にとって“未定義”の存在であり、視られることによって存在を抹消されかけている。
■ 霜茸 胞
森で茉莉と出会い、彼女の存在が抹消されぬよう寄り添う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-10 05:24:34
7277文字
会話率:15%