【泉田あゆ】
それが私の名前だ
田舎でもない都会でもない普通の町に住み、学校に通い、テストの点数で一喜一憂する。
ただの中学生である
ただ一つ、他の人と違う所があるとすれば…
聴こえる音がおかしい事である
目だけでなく耳まで塞ぎたく
なるような、そんなホラーを折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 13:06:35
1008文字
会話率:17%
耳を塞ぎたい。口を塞ぎたい。目を塞ぎたい。そして、心の穴を塞ぎたい。
主人公の瀬川華那(せがわはるな)は美術部の高校2年生。
華那は自分の意思に反して、過去のトラウマを度々思い出してしまう。
特によく思い出してしまうのは、クラス
メイトの女子たちから嫌がらせを受けていた小3の頃の記憶だ。
理不尽な嫌がらせは華那の心に一生残る深い傷をつけた。
華那の唯一の異性の友人である清水雪弥(しみずゆきや)。
華那は不器用な自分とは違って、器用な雪弥の事を心底羨ましく思っていた。
五月十五日。雪弥が華那が飼っている猫たちに会う為に自宅に遊びに来た。
遊びに来る直前、学校で雪弥の異変に気づいた華那は雪弥の事をとても心配していたのだが……。
思いの外、楽しい時間を過ごす事ができた。
安堵していたのも束の間、帰り際になって華那と雪弥の二人の間に不穏な空気が流れ出す。
やがて、雪弥は自分の悩みを打ち明けてきて──?
仲の良い部活の先輩と喧嘩してしまった男子生徒。
「怪物」に執着し続けて、虚無感に苛まれながら生きている男子生徒。
「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」という病気を患い、自殺したいと思うようになった女子生徒。
心優しい性格なのだが、自分を「異物」だと認識しており、排除しなければならないと思っている男子生徒。
過去に、男子生徒がクラスメイトに嫌がらせしている様子を目撃しながらも見て見ぬ振りしてしまった事を、ずっと後悔している女子生徒。
大切な友人を支えるために今まで生きてきたのに、ある日その友人の秘密を後輩に暴露して友人を追い詰めてしまった男子生徒。
そして──……過去のトラウマや苦手な音に怯えながら、毎日を過ごしている女子生徒。
みんな異なる悩みを抱えていて、「独りぼっち」で「もがき苦しんでいる」。
誰かと繋がる事で、凍ってしまった心がほんの少しずつでも溶けていったらどんなに良いだろうか。
……多分、懸命に信じ続ける事しか他に方法はないのかもしれない。
これは、未だ脆く繊細な10代の彼女たちの灰色、青色、鮮紅色、そして朱殷(しゅあん)色が醜くこびりついた物語。
※この小説は、『カクヨム』・『アルファポリス』・『エブリスタ』でも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-04 20:50:54
127699文字
会話率:34%
私は見てしまった。
貴方の涙を。あなたの笑顔を。
あることがきっかけで仕事を辞めた実(みのり)は、不思議な親子と出会う。笑わない男の子・日葵(ひまり)とライ麦色の髪を持つ男・春(はる)。日葵に対して太陽のように優しく温かく接する春だ
が、日葵はまるで春が見えていないかのように無視を続ける。もどかしくむず痒く温かい彼らの間にあるものはなんなのか。みのりは彼らと関わり、そこ込められていた悲しく、苦しく冷たい背景に触れていく。
『生きるのが下手くそだと気付いた。』
『苦しくて痛くて哀しい。 目を瞑り、耳を塞ぎたい。』
『でも生きている限り、逃げる事はできない。』
『ねぇ、太陽って何色だと思う?』
不器用な人間の温かく悲しく切なく優しい想いが交錯する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-31 01:38:37
14616文字
会話率:20%
人付き合いに疲れて笑顔を作れなくなったミノリ。仕事を辞めて、生き方を見つめなおしていた。ある日毎晩野良猫にエサをやる隣人のハルに興味を持つ。毎晩観察しているうちにハルと話してみたいと思うようになり、勇気を振り絞って話しかける。どこかふんわり
と温かい雰囲気を持つハル。話している内に、ハルから『絵本作りを一緒に手伝ってくれませんか』と頼まれる。絵本を作る過程でミノリはハルと関わり、ハルを知る内に、それに込められた強い想いと悲しく、苦しく冷たい背景に触れていく。
『生きるのが下手くそだと気付いた。
苦しくて痛くて哀しい。
目を瞑り、耳を塞ぎたい。
でも生きている限り、逃げる事はできない。』
不器用な人間の想いが交錯する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-11 03:12:17
1150文字
会話率:34%