異世界の辺境にある後宮予備寮――そこには、病に伏した妃候補たちが静かに集められていた。
「治らぬのではない、診ていないだけです」
現代日本で総合診療医だったルアナは、異世界に転生後、その施設に派遣された“医療の異端者”。
だがこの世界では
、「病」は祈祷、「薬」は神託、「治療」は貴族のものだった。
嘘の診断、歪められた真実、口を閉ざす少女たち。
それでもルアナは、鋭い観察眼と心を解きほぐす言葉で、“本当の病”に切り込んでゆく。
──これは、“診る”ことで世界を変える、ひとりの女医の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 16:58:13
5693文字
会話率:38%
現代日本で“医者の医者”とまで呼ばれた総合診療医・志藤ユリィは、ある夜の当直中、不可解な意識消失により異世界の辺境へと転移してしまう。
そこは“病”という概念が存在せず、不調はすべて“呪い”と呼ばれる地だった。
医師免許も薬もないこの地で
、彼女に許された唯一の武器は──問診・視診・触診・聴診という、地味で確かな総合診療医の技術だけ。
「病気は、あなたのせいじゃない。名前をつければ、怖くなくなる」
やがて彼女の診療は、村を、王宮を、そしてこの世界の“常識”すら変えていく。
──これは、たった一人の医師が命を救いながら、《世界を診断していく》物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 16:48:00
6639文字
会話率:36%
病院のトップなのに、指示しない!怒らない!決めない!……ていうか、ほぼ座ってるだけ!?
南方総合病院・院長、野上清道。通称「何もしない院長」。
会議中はうとうと。研修医の悩み相談では、うんうん頷くだけ。
でもなぜか、ピンチのたびに病院が
助かる。人が育つ。空気が和らぐ。
看護部長、副院長、事務局長……みんながなぜか惚れこんでしまう、この“昼行燈リーダー”。
医師不足、収支悪化、看護師離れ、タスク・シフティング、働き方改革――
現場はギリギリ、だけど上は「責任は取る」と言うばかり。
そんな時代に、南方総合病院の院長・野上は、何もしない。
指示はしない、介入もしない、ただ「信じて任せる」。
だが、なぜか部下たちは育ち、病院は回る。
混迷する地域医療の中、
トップの「余白」が現場に光をもたらすこともある――。
これは、「こんなリーダーが本当にいてくれたら」と願うすべての医療従事者に贈る、静かな希望の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 16:01:18
3188文字
会話率:22%
初めまして、この診療所のスタッフ、ノラと申します。こちらの受診は初めてですか?では、ご案内させていただきます。
魔核科総合診療所は聞きなじみがないかもしれませんね。病気、怪我は治癒魔法や飲み薬であるポーションで対応できるので、一般の方にもあ
まり知られていません。当院は魔術師のためにある診療所となります。
後ろの二人ですか?当院の受付、ミシェルと、新く入職したテオドリックと申します。どうぞ、当院をよろしくお願いいたします。
(「テオ君お顔が真っ赤だね?」
「…触れないでください」
「うち、職場恋愛ありありのありだよ?ただし、ノアさんは別。仕事が恋人みたいな人だから。まずは男性として見てもらうところからだね!」
「触れないで、ください!」)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-08 22:55:19
7387文字
会話率:65%