《勇者》と呼ばれる、人類を超越した者たちが守護する世界で、ただひとり理から外れたものがいた。
72の勇者の内、最高の勇者と双璧をなす存在――《黒焉の勇者》は世界から弾かれながらも剣を振るうこと止めなかった。いつしか《善良》な人間たちから
《最兇》《死神》と恐れられる様になった勇者は絶世の美少女と共に、信条(テーゼ)に従い世界を救済していく。
そして、勇者の道筋に突如として分水嶺は現れた。死を量産し、悲しみの連鎖をその身に絡めながら、勇者はある一つの命を賭した決断をする。
その結果、勇者は《咎落ち》として残る全勇者たちから命を狙われることとなった。絶望と絶望の果てに勇者が掴み取るものとは……?
これは《死神》と謳われた勇者と、彼を支える従者の物語だ。
だだし、この物語は絶望の物語などではない。
理不尽も不条理も、総て薙ぎ倒していく、後に《伝説の勇者》と語られることとなる一人の男の英雄譚。
世界は動きだそうとしているのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-28 02:00:00
13830文字
会話率:22%