結婚して一年、これまで一度も帰って来なかった夫が、怒りの形相で現れた。
「この手紙はどういうことだ」
彼が冷ややかな怒りをまとわせて、紙面を突き出してくる。
そこにはこう書かれていた。
『夫ヨ スグ戻ルベシ サモナクバ オ前ノ エリーズ
殺ス』
「カロリーヌ――エリーズ王女を殺すと書くなんて、正気か?」
彼が問い詰めてきたので、カロリーヌはこう答えた。
「説明が難しいです……七日後に、事情をお話しできますが」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-16 22:35:09
5422文字
会話率:55%
セリアは事故に遭い、婚約者に看取られて死んだ――はずだった。
けれど何故か時は巻き戻り、婚約前の幼い頃の姿になっていた。
ただし。
セリアにも元婚約者のイーリオにもその時の記憶はない。
前のように再び出会うはずだった二人の間には、何かとピン
クの髪のかわいらしい女の子が割り込んでこようとする。
以前過ごした時間など知らないセリアとイーリオは、それでも互いに惹かれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-23 07:41:44
15905文字
会話率:34%