ジンライが目を覚ますと、自分が牢に捕らえられていることに気づいた。そして、何者かがジンライのもとへと歩みよってくる靴音を耳にする。
その一日前、ジンライたちが乗り込む海賊船"漆黒の牙"号と船長のゼヴィア、それにエイル
はフェロー岩礁帯のルーエン島の近くにいた。
ルーエン島はかつて、鉱山町としてにぎわっていたのだが、鉱脈が尽きるとたちまち、ゴーストタウンと化してしまったのだった。
そのルーエン島で海賊団、"青銅の斧"が"碧雲の七星"と裏取引を行うとの情報を得て、ゼヴィアやエイル、ジンライたちはやって来た。"青銅の斧"は港町への襲撃から人身売買、果ては地方の領主を賄賂づけにして直接統治を行うまでの、一地方どころか国家という枠組みすらも超えて活動している巨大な海賊組織だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-25 21:54:18
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