霊という概念が存在しない世界。
ミストと呼ばれる光る物体を空へと還す職業『還し屋』カイトが記憶を失った淡く光る少女、ミリと出会う。
記憶を取り戻そうとする中で、彼女の存在を知る。
最終更新:2025-07-23 08:32:09
12298文字
会話率:54%
若くもなく年老いてもいないが、未来への展望もない男が転がりながらジタバタする話。堕ちた先では、カエルが竜を空へ還していた。竜はカエルにとって災いであった。炎の塊と共に、突然に竜は空から降ってきた。絶望が降ってくる国には、光を。カエルの王はそ
う考えていた。そして隣の国では、ゴースト達が世界から色を失わせていた。色と光を奪われる世界で、それでも愉快に生きるカエル達。迷い込んだ男はその明るさに魅せられ、個性的な他者との出会いを通じ、少しずつ生きる力を取り戻していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 06:07:38
39227文字
会話率:34%
黒い羽を生やした少年は、明後日処刑されることを知る。
親兄弟は既に先立ち、仲間なんて存在しない。ならばせめて、憧れの空を夢に挑もう。どうせ死ぬのであれば、最期に1つくらい自分の好きに生きようとした。明け方に収容所を脱走し、禁則地の岩山に足を
踏み入れる。頂上でなにが起きるのか、少年はまだ知らない。青空への期待に胸を膨らませて、一歩ずつ登るのだった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 21:49:08
18776文字
会話率:47%
空を飛べるはずだ――
そう思ったのは、根拠などない本能だった。
魔法は覚悟があれば使える。そう信じて、ぼくは飛び降りた。
空に向かってではなく、落下へ。何も起こらず、世界は静かに終わった。
それが、始まりだった。
目を覚ますと
、赤ん坊だった。
知らない母の腕の中で泣いていたが、空だけはすぐに見つけた。
この世界には魔法があった。人々の生活を支える小さな魔法。
だが空を飛ぶ魔法は、誰にも知られていなかった。
幼い頃から、ぼくは空を見ては胸が騒いだ。鳥を見ては、翼を感じた。
母は言う。「また魔力を使いすぎて、気絶するよ」
それでも、ぼくは止められなかった。毎日、魔力を使い尽くす。少しずつ回復しながら、魔力が育っていく。
魔法を使うための知識も紙もない。
だから、ぼくの記録は“身体”と“感覚”の中にある。魔力が流れる指先、痺れる心臓、揺れる視界。
それらを積み重ねて、空に届く手段を探している。
前前世の記憶は、ない。
けれど、誰にも教わっていない魔力制御が、ぼくの中には確かに存在している。
それは、かつて空を駆け、魔法で戦った者の名残かもしれない。
魔法航空師団――その団長だった魂が、ラクスという名前の下で生き直しているのだとしたら。
空は遠い。
でも、命を軽んじて届く空ではない。
今度こそ、生きたまま、空へ至るために。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 20:00:00
7986文字
会話率:9%
高校生の健太は、憧れのクラスメイト・斎藤さんと岐阜城へ。しかしそこにいたのは、本能寺の変からタイムスリップしてきた織田信長と、彼を追ってきた斎藤さんの正体・濃姫だった! 健太は、自分が明智光秀の子孫(?)だと告げられ、未来で信長を導く役割を
託される。
ひょんなことから健太の家に居候することになった信長は、体操服姿の少年へと若返り、現代社会に順応していく。スマホの戦略ゲームで「尾張の第六天魔王ゲーマー」と名を馳せ、フライドチキンに感動し、ファストファッションで流行の最先端を行く。教師もたじろぐ歴史の知識と、並外れたカリスマ性で周囲を魅了する信長。健太は彼の才能に圧倒されながらも、濃姫が信長に向ける愛情に複雑な感情を抱く。
一方、現代の「斎藤さん」の父親は、かつての斎藤道三そのもの。信長は彼と奇妙な「再会」を果たし、その器量を認められる。信長は、かつて天下布武を夢見た故郷・岐阜の衰退を目の当たりにし、その活性化に乗り出す。インターネット、ドローン、地域特産品を駆使し、現代版「楽市楽座」を提唱。健太と濃姫も協力し、寂れていた商店街に活気が戻り、岐阜市最大のイベント「信長まつり」は大成功を収める。
しかし、祭り終わりに信長と濃姫は花火と共に消え去り、健太は一人残される。彼らが過去へ戻ったのか、別の時空へ旅立ったのかは不明だが、健太は彼らが残した「岐阜」の希望を胸に、未来へと想いを馳せるのだった。光秀の子孫として、そして一人の少年として、健太の非日常な夏は終わりを告げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 19:21:22
11059文字
会話率:24%
東京湾上空へ現れた巨大建造物に世界は震撼する。
全長十数キロに及ぶそれは、なんと攻略するごとに日本領内へあらゆる恩恵をもたらす不可思議なダンジョンだった。
効能は様々で、エリアのボスを倒すごとに日本領のあちこちに天然資源が溢れ出したのだ。
しがないヲタク陸上自衛官、新海トオルは第一次調査隊の一員として全世界に生配信される中、成り行きで莫大な成果を上げ、そんなダンジョンの効果を世界中に知らしめた。
これは、責任を全うする真面目な性格の日本人が、短期間の内に冷え切ったこの国を世界一位にまで昇らせてしまう物語である。
※ミリタリー知らなくても楽しめるように構成しています。
戦闘シーン多めで、様々な日本の強いところや自衛隊の活躍シーンを描いていきたいです。
好評であれば書き続けたいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 06:10:00
804079文字
会話率:37%
ボーイズラブ同人を愛する腐女子の女子大生、高瀬真琴は、コミケットに出す新刊漫画の追い込みで三日間貫徹をした結果、過労死してしまう。
次に目が覚めた場所は、西洋風パン屋の二階で、見たことの無い西洋風の兄がいた。
そして自分も西洋風美少女にな
っていた彼女は、自分がBL同人漫画を描いていた乙女ゲーム「光の空へ祝福を」の主人公、マコト・キンボール(ディフォルト名)に生まれ変わっていた事に気づき愕然とする。
ゲーム通りに、魔力属性鑑定式で規格外の光属性を得たマコトは男爵家にもらわれ、三年の間、マナーや学問にいそしみ成長していく。
アップルトン魔法学園の入学式前夜、マコトは、ある決意をする。
「親友キャラとの友情エンドを目指そう、修羅場とか面倒くさいし」
だが、その願いもむなしかった。
入学初日の王子さまとの出会いイベントを避けるために早めに登校した先で、親友キャラのカロルに絡む、悪役令嬢ビビアンの姿をマコトは発見してしまう。
思わず介入してしまったマコトに、ビビアン嬢は激怒し、子飼いの騎士、マイケルにマコトを打擲(ちょうちゃく)するように言うのだが……。
乙女ゲームの世界に生まれ変わった腐女子が、イケメンどもにも目もくれず、親友ポジションのヒロインと百合っぽくいちゃいちゃしたり、正統派悪役令嬢と派閥抗争したりするお話です。
だまされたと思って、五話目までお読み下さい。
とてつもないドライブ感と没入感をお約束しましょう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 01:14:02
3232340文字
会話率:45%
人類の傲慢さが生み出した人殺しの獣、<メタル>により人類は地上を追われ、生き残るために空へと逃げ出した時代。
“貴族殺し”の罪を犯して故郷の“浮島”を追放された少年“ムジカ”は、3年間を共にした傭兵団長ラウルに謀られ、彼の娘共々“人質”扱
いで学園都市、“浮島セイリオス”へと入学させられた。
「俺が傭兵兼講師、お前とリムが、俺が裏切らないよう人質兼学生扱いでワンセットの契約だ。悪い取引じゃねえだろ?」
「ふざけろ。なんで俺が、今更学生やらされにゃならねえんだよ」
だが否定むなしく始まった、学生生活。
嫌々ながらに学生をする羽目になったムジカは、だがひょんなことから<メタル>と戦う義務を負った“|貴族《ノーブル》”の子供たちと出会い――
「教えてくれよ――お前たちの言う“ノーブル”ってなんだ?」
貴族としての、誇りと名誉。責務と権利。幼い頃の憧れと――命を捨ててでも戦う、覚悟。
卑しさと、高潔さと。これはその狭間で生きる少年の、“戦う理由”を探す物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 19:51:51
559448文字
会話率:39%
世界が戦火に包まれていた20世紀の記憶――
戦場に散った飛行機たちとその搭乗員たちの「無念」は、時を越え、怨念の集合体
「アグレッサー」となって現代に蘇った。
謎の敵アグレッサーは、空を駆け、人々の街を襲う。その脅威に立ち向かうため、人類
は“兵器の魂”を宿す存在――
スカイフェアリー(航空妖精) を召喚した。
零戦、紫電改、震電、流星……
かつて空を翔けた伝説の名機たちが、僅かな命を燃やして歴史に消えた試作機が、少女の姿を得て再び空へ舞い上がる。
指揮官として新たに着任した若き機長は、
空の守護者たちと心を通わせながら、
失われた歴史の断片と、アグレッサーの真実に迫っていく。
やがて明かされるアグレッサーの正体、
戦争に翻弄された魂の慟哭、そして裏で蠢く「司令塔」の影。
これは、かつて戦場を駆けた“空の記憶”が、
人と共に歩み直す物語――
「戦うことだけが軍用機の定めじゃない、空を飛ぶ意味を、もう一度この翼で見つけたい…!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 16:22:56
8500文字
会話率:50%
月本 美月には、小学三年生の頃に両親が引き取った同じ歳の女の子、春咲 燕と言う妹のようで幼馴染のような女の子がいた。
そんな燕は、小五の時に難病を発症してしまう。
美月は毎週病院を訪れて燕の好きな駄菓子を買ってお見舞いにやって来ていた。
小学六年になったある日、燕に一つの白い箱を託された。「もし、自分に何かあったらこの箱を私の双子のお姉ちゃんに渡して」と頼まれた美月。
そして、それからしばらくして燕は空へ飛び立ってしまった。
それから時はすぎて、美月は中学二年になろうとしていた——そこでであったヤバいと有名な女子と出会い——折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 09:10:00
21704文字
会話率:44%
神の間違いで異世界へ召喚される筈だった
主人公斗鬼(トキ)は
他の神に怒られない為にと
異世界の神の元に召喚される。
異世界系の小説を読まされた後で
一緒に神の元に召喚された学校の先生に
何故か異世界の森の上空へ飛ばされ
強制的に1年間生活
をさせられる。
そして期日後に盗賊に襲われている
貴族を助けて・・・
「色々してたら子供達から先生と
呼ばれるようになったんだけど何で?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 08:00:00
1336442文字
会話率:33%
ある日、家の玄関を開けると突如として大空へ放り出され、気がつけば見知らぬ土地に立っていた少年――石動湊は、いく当てのない自分を拾ってくれた恩人のリリア・ガーネットや、軍学校でできた友人たちと共に、喜びを分かち合い、悲しみを乗り越えながら今日
もまた、魔獣と呼ばれる巨大な生物に人類が対抗すべく作り出したロボット「対魔獣殲滅兵器(ABER)」に乗り込む。
人と魔獣、様々なものに関わりながら、石動湊はやがて人と人の思惑が交錯した舞台へと関わることになる。
よくある異世界転移ものにロボットアクションを組み合わせた、異世界から来た少年の成長物語。
感想などもらえると大変嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 12:28:57
465318文字
会話率:50%
空に浮かぶ島、まるい世界。
そこで暮らす少年・アランは、いつかこの島を飛び出し、外の世界を見てみたいと願っていた。
不思議な生き物“グディ”たちとともに船を作り、冒険の第一歩を踏み出す。
だが──目の前に広がっていたはずの“海”は、空へ
と吸い込まれる巨大な滝だった。
島に落ちるその世界で、少年の運命は大きく動き出す。
一方その頃、地上の村には王国の王妹・エリュナが訪れていた。
予知の力を信じる彼女と、その護衛に選ばれた未熟な魔導士たちもまた、
知らぬ間に、大きな物語の渦へと巻き込まれていく――。
空から落ちた少年と、地上の仲間たちが出会うとき、世界の謎が動き始める。
これは、“まるい世界”で出会いと別れを繰り返しながら、成長していく少年たちの冒険の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 12:00:00
7696文字
会話率:27%
――その世界は、ゆっくりと滅びに向かっていた。
社会という名の迷宮で心を削り続けた、霧原優馬(きりはら ゆうま)二十六歳。
ブラック企業で使い潰され、心が壊れたある日、屋上から空へ飛び――そして目を覚ましたのは、剣と魔法の世界「エリ
ジオス」だった。
目の前に現れたのは「補助神」を名乗る存在。彼女から与えられたスキルは――
〈ソウルサクリファイス〉
【あらゆる魔法を自由に行使できるがその効果に応じて自身の寿命をコストとして使う】というものだった。
人間、獣人、魔族。
異種族の思惑が交差し、王国間の対立と陰謀が渦巻く中で、優馬は仲間と出会い、そして成長していく。
これは、命を代価に魔法を操る「異世界人」が、やがて時代の渦に飲まれながらも、世界の選択を担う存在へと至る物語
希望と絶望が交差する、王道(?)異世界ファンタジー。
――と、言ってみたものそんな重厚な話が書ける訳でもないのでサラッと読んで頂ければと。
「読みやすさ」を心して書いてはいますが、簡略化し過ぎてよくわからないよって所があればコメント頂ければありがたいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:30:00
96271文字
会話率:32%
――かつて世界は、大きな変化を経験した。
ある“果実”の発見により、人は進化の扉を開き、姿も力も思想すら多様に枝分かれしていった。
その果てに生まれたのが、空に浮かぶ巨大都市《イデアル・ネスト》。
雲海の上に築かれたこの都市では、誰もが
平等に与えられる生活と、安全が約束されている。
管理された環境、美しく整備された空中庭園、常に最新の医療と教育。
広告はこう謳う――
「ここに来れば、きっと幸せになれる」
「誰にでも、明日がある」
人々は地上を離れ、空へ憧れを託した。
その理想郷は果たして本当に理想郷と言える物なのか。
均衡を保つ世界にかつて何が起こったのか、市民には知らされない秘密、天空都市の裏側、平和と言われる世界の存在し続け拡大していく軍の存在……
誰もが見ているはずの空の下に、見てはいけない現実がある。
やがて、一人の青年がその中心に立つことになる。
それが、再び“創造”を巡る戦争の、始まりだったとは知らずに――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 00:30:00
19207文字
会話率:33%
いつかの思いを境に疎遠となった4人が星々のようにつながりあっていく。
これは一番星に魅せられた4人の少女のバンドとしての喜びあり、迷いあり、涙もありの群像劇。
最終更新:2025-07-15 22:39:46
1171文字
会話率:60%
ことばは、ふれるものだろうか。
音のかたちをしていても、
それが誰かに届いたとは限らない。
鳴り響いたあと、誰の中にも残らず、
ただ空へと消えていく声がある。
けれど、言えなかったこと、
飲みこんだままのこと、
壊してしまいそうで抱き
しめられなかったこと──
それらもまた、ことばだった。
ふれることを怖れながら、
それでもふれたかった。
ことばは祈り。
そして、ふれあうという奇跡の、
いちばんはじめの兆し。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 16:09:25
23075文字
会話率:7%
どこからともなく入り込んできた柔らかな風が、優しく頁を捲る。
そこには、美しい文字で、こう書かれていた。
これは――確かにあった世界の【コント・ドゥ・フェ】。
これは――マヨイビトの綴る、【おとぎ話】。
柔らかな金の光を
纏ったその風は、彼女の綴る【|おとぎ話《コントドゥフェ》】に満足したかのように、窓の隙間から夏の空へと消えていった。
太陽は西から東に昇り、雨は地から空へと落ちていく。影のない地面、言葉を話す動物たち、天を飛ぶ竜。空にそびえる塔と、星屑のローブをまとう人々――ここは、不思議な理が支配する国【メルミュール】。
この世界には、【扉】を通って迷い込んだ【マヨイビト】と呼ばれる者たちがいる。彼らは、夢の終わり際や古びた書庫の奥、昼と夜の溶ける時間、あるいは雨に濡れた電車の窓から――偶然にも、運命にも導かれ、この世界へ足を踏み入れた。
園崎茉莉もまた、そのひとり。どこにでもいる、ごく普通の大学生だった彼女は、異世界で魔法使いイレクトと出会い、何でも屋【木漏れ日】で暮らし始める。不思議と日常が入り混じるこの地で、彼女は少し風変わりな困りごとを解決する手伝いを始めるのだった。
そして、【扉】が再び開かれるとき――茉莉が選ぶのは、帰る道か、それとも。
これは――確かにあった世界の【|コントゥ・ドゥ・フェ《おとぎ話》】。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 19:00:00
5904文字
会話率:42%
コペンに乗った彼女は失恋の旅へ出た。
最終更新:2025-07-10 18:10:00
10567文字
会話率:62%
「ああ、かぐや! 行かないでおくれ、かぐやー!」
「う、う、ううう……」
月の光に包まれ、空へとゆっくり昇っていくかぐや姫を、おじいさんとおばあさんは涙をこぼしながら見送ったのでした。
それから幾年月――。
おじいさんとおばあさんは
、もとの小さな家で、昔と変わらぬ慎ましい暮らしを続けていました。かぐや姫と過ごした日々を懐かしく語り合いながら、寂しさを胸の奥にしまい込むように。
そんなある晩のこと。ふいに戸を叩く音がしました。かぐや姫がいなくなってからというもの、ここを訪ねてくる者など誰もいなかったため、おじいさんとおばあさんは顔を見合わせました。不思議に思いながら、おじいさんがそっと戸を開けると、そこには――
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-07-10 11:00:00
2720文字
会話率:88%
『おとーさん! あの星、きれーだね!』
『ああ、あれは金星だよ。一番星とも言うんだ……いや、あれはきっと、おじいちゃ――』
『ん、母さん。なにニコニコしてるの?』
『ふふっ、昨日ね、おばあちゃんの夢を見たの。今頃きっと天国、いや――』
星になった。死後、人は、その魂は天国でも地獄でもなく空へ昇り、宇宙を旅するのだ……なんて話は生きている間何度か聞いたことがあったけど、まさか本当だったなんて……。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-03-28 11:10:00
2512文字
会話率:90%
見上げる、見上げる、空を見上げる。その向こうの宇宙を見上げる。
そして首を下ろし見つめる先は国の威信をかけた大きなロケットだ。
先進国の手を借りず、一から作り上げたロケットだ。
現場に集まった人。人。人。人。押しかける見物客。
その
勢いに進入禁止区域は侵食されるように狭まった。
大地は覆い隠され肉の砂漠。
息苦しく時折、喧嘩だ喧嘩。怒号が飛ぶ。
殺すぞうるせえ死ね殺す誰だ今殴ったのはうるせえな。
対照的に雲一つない自由な大空。天国も見えそうだ。
その空へ向けてロケットは飛ぶのだ。
地上の熱気は頂点に達し、押し合いへし合い罵声悲鳴の中
ついにロケット発射のカウントダウンが始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-20 16:00:00
1011文字
会話率:0%