からす一家は夫〈からす〉、私〈かもめ〉、娘〈むく〉の三人家族。
むくが私立中学へ入学し、一年生の途中まではごく普通に幸せな生活を送っていた。
しかし突然からすが40代にして脳梗塞を発症し、重度の嚥下障害(えんげしょうがい)に陥り、その他にも
様々な後遺症を抱えることになり、一家の生活は一変した。
からすは懸命なリハビリの結果、疾病発症の時に勤務していた会社に、奇跡的に社会復帰を果たすことができたが、重度の後遺症は抱えたままで、生きているのがやっとという忍耐と苦労の日々が待ち受けていた。
一方むくは、からすの病気の直後に学校で、ちょっと信じられないような『携帯電話事件』を起こしてしまい、危うく警察沙汰になるところだった。
それに端を発し、むくは担任から嫌われて虐めを受けるようになり、段々とそれが激化した。そしてむくの性格的な問題も加わってクラスメートから疎外され、攻撃までれるようになった。
その結果むくは中一の終わりから不登校になり、その後鬱病を発症した。そして中二からは休学を余儀なくされた。
その数年後、(むく)の鬱病がきっかけでアスペルガー症候群(自閉症スペクトラムの中の一つ)であると判明。
更に自閉的傾向があったからすも、同じく自閉症(しかしこちらはアスペルガー症候群ではなく、幼少期に言葉の遅れがあったため、高機能自閉症)であると診断されるに至った。
この物事は、自宅と賃貸マンションとの可笑しな二重生活。からすの闘病生活、むくやからすの普通とはかけ離れた言動や行動、またそれに振り回され翻弄されながらも頑張るかもめ。そんなからす一家の奇妙な実話を小説化したものである。
※(現在夫と娘は自閉症スペクトラムと診断されている)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-15 15:19:05
114044文字
会話率:24%
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