私ことアルシャ=カンポは既視感を覚えた。降って湧いた妄想か、それとも未来視か。
とりあえず、保安隊長官の次男坊マリオとのラブラブ密売ルートは回避しよう。
本来であれば、私には役目があった。
義姉であり親友のハピナ=ルチアルノの恋路を邪魔され
ないようにすることだ。
主犯であるマリオと共に、お酒密売ルートへフェードアウト。我が身の破滅で、ハピナへの恩を返してオシマイになるはずだった。
でも、そのルートを回避した未来も知っている。文字通り力ずくで切り開いても振り出しに戻るのである。
待て待て、「強すぎた」からニューゲームって何さ!?
マリオとくっつかなかったと思ったら、なぜか敵対する予定だった犯罪者ギルドの若頭ジョセフ=プロフに惚れられて……。
ハピナや私自身を救うだけに限らず、国を裏から支配する未来さえありそうな予感。
少女は力と繰り返しの記憶を持って、奮闘する。定まらぬレールから脱線するために。
親友に、ハピナに、嬉し涙以外は流させない!
誓いを胸に、少女達は愛も富も名誉も手に入れられるはずの未来へと向かう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-16 13:06:10
58178文字
会話率:33%
禁酒法時代のアメリカ、シカゴ。
兄貴分のジョーに唆され、マフィアの密造酒に手を出したラークは追い詰められていた。彼らの酒を勝手に売り捌いたことがばれ、期日までに1000ドル(※当時の貨幣価値で約500万円)用意しなければ殺すと脅されてし
まったのだ。
必死に金を集めるラークだったが、世間は大恐慌の真っ只中、1000ドルなんて大金はそう簡単に集まらない。八方塞がりに陥ったラークはついに強盗という手段を決意するが……。
※「殺し屋」をキーワードにしたマイナージャンル応援企画『The Killer’s Project』第3回参加作品です。企画詳細についてはページ最下部のバナーより企画HPをご覧下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-16 00:00:00
49436文字
会話率:48%
「東京倶楽部」梗概
東京倶楽部は1920年ころのロスアンゼルスにあった日本人の賭博場です。 主人公の平井孫一は紀州の鉄砲集団「雑貨衆」の末裔に当たりますが堺で貿易業に行き詰まりアメリカに渡りました。時は悪く、アメリカは不況の経済下にあり
、職にもありつけない有様。 乏しくなってきた手持金では食事も満足にできず、ただで食事にありつけるという賭博場「東京倶楽部」に行きます。 その玄関で水野というやくざっぽい男に会います。かれは元は絵描きでしたが今は東京倶楽部で働いていました。東京倶楽部はアメリカの禁酒法時代の裏で酒の密輸にも手を出していました。これは水野の担当でしたが変なきっかけから孫一も水野の酒の密輸を手伝うことになります。ライバル組織に水野の運転する酒の入った樽を運ぶトラックが襲われますが孫一の射撃で切り抜けます。 孫一は射撃の腕を東京倶楽部に認められて、娼婦の用心棒のようなことをする羽目になりました。 水野は美代子という女性の情夫でした。 美代子はおとなしい普通の女性でしたがなぜか水野の言いなりになって娼婦として金を稼いでいました。 孫一は水野に連れて行かれた飲屋で働いていた咲と言う女性に会います。 咲は実は青鞜という雑誌の記者で、アメリカで娼婦として働かされている女性たちの実態を調査していました。 彼女に調査の協力を頼まれた孫一は、東京倶楽部が定期的に行う内陸部の炭鉱や鉄道の労働者相手に行う賭博に娼婦の用心棒として付いて行くことになりました。 アメリカの西部の山中部にある炭鉱や鉱山ではジャプ・キャンプと称されて日本人の労働者達が働いていましたが労働者たちのボス(雇用者)は、労働者が金を溜めて日本に帰るのを阻止するために年に何回か賭場を開き労働者の金を巻き上げていました。賭場には酒と娼婦がつき物で、東京倶楽部がこういったことを取り仕切っていたのです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-10-05 15:12:12
31535文字
会話率:39%