神の使徒。
それは神が創りし無数の世界を滅びから救う管理者を指す言葉。
白髪の青年ルイも、そんな使徒の一人であった。
数多くの世界を管理する彼は、今日も傍観者たる神に不満を抱きながら働く。
これはそんな彼が出会ってきた救済の、ほんのごく一部
を切り取った奮闘記である。
【1章】魔王と勇者
100年ごとに魔王が誕生し、人々を絶望に染め上げる、そんな世界。
これまでルイは対魔王兵器たる勇者をあらかじめ育成しておき、魔王を誕生と同時に討伐させることで、世界を救ってきた。
だが異変は突然訪れる。
前回の魔王討伐から20年しか経っていないにもかかわらず、新たな魔王が誕生してしまったのだ。
当然勇者など用意しておらず、慌てて候補を探すも、選んだ勇者は育てていないので歴代最弱。
このままでは世界は滅ぶだろう。
この緊急事態を受け、ルイは勇者育成のために現地に舞い降りた。
果たして勇者の育成は間に合うのだろうか。そして無事に魔王は倒せるのだろうか。
妥協なき使徒たちの戦いが、今始まる。
【2章】 地獄巡り
ある日、一人の使徒がルイの元を訪れる。
彼は仲間を助けるために、ルイに協力を要請した。
その依頼を受け、ルイはとある世界へと侵入を開始する。
依頼主、そして厄介者を引き連れながらの冒険で、ルイを待ち受けるものは一体何なのか。
いざ行かん、名実ともに“地獄”の冒険へ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-29 20:00:15
266537文字
会話率:33%
様々な種族が暮らす世界-クレセリアード。
三つの大陸で構成されたこの世界は七つの大国によってバランスを保たれてきた。
狐人、龍人(竜人)、虎人がそれぞれ治める3つの国。
人間、魔族がそれぞれ治める2つの国。
精霊が治める国。
そし
て、種族差別のない現在玉座が空席の新規国。
他国との交流に対して鎖国的な狐人の国…アリオクレイア
比較的種問わず友好的な龍人(竜人)の国…メラジーン
自然豊かで資源も豊富な実力主義の虎人の治める獣人国家…ミザルイス
種族差別が強く人間至上主義な人間の国…ドゥーベスタ
常に闇に包まれ、魔物が徘徊する魔の国…ベネトシュラ
この世とは違う理の中で動く妖精と精霊の国…メグレスフィ
王が不在の出来たばかりの新規国…フェクロード
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以前のクレセリアードは突如現れた“災厄の王”と呼ばれる存在により世界のバランスが崩れていた。
それにより国同士の争いが続き、生きるもの達は絶望に囚わたものも多く、破滅へと着実に進んでいた。
しかし、約十二年前ある青年が現れたことでそれが食い止められた。
その男は英雄と呼ばれていた。
しかし、男は途中で姿を消した。
英雄という肩書きを捨て、自分の存在まで捨て、消えてしまったのだ。
それでも、世界の厄介ごとは平穏に静かに暮らしていたかった男をまた表舞台に出すことになる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-16 20:12:20
40573文字
会話率:41%