胸を灼く炎は、まだ燃えている。
最終更新:2024-05-12 07:00:00
305文字
会話率:0%
羊飼いマリーは、父と二人だけで羊の群れを市場のある街まで連れて行こうとしていた。とこれが、夜になって隕石(いんせき)が近くに落下し、その影響で牧羊犬たちは動揺し、群れの統率が危ぶまれた。
父の判断で焚き火を増やし、出掛けていた三人の兄た
ちが戻るのを待つことにした。二人はそれぞれ別の場所で警戒しながら夜を過ごしていたが、マリーは眠気におそわれ、寝入ってしまった。
そこに、狼たちがおそってきた。父は馬に乗り鞭で追い払おうとするが、その鞭が狼に噛みつかれ、バランスを失い落馬して怪我を負った。マリーは眠気から覚め、慌てて父を救おうと、素手で狼に立ち向かおうとしたそのとき、更に近くに隕石が落下し一面衝撃と砂煙に覆われた。狼たちは驚いて逃げて行き、二人は奇跡的に救われた。そして、そこに兄たちが駆けつけ羊の群れを立直した。兄たちは、母の出産のため家に戻っていたが、危険を予見し夜通し戻って来たのであった。
父は、遊牧民の伝えに『流星の覇者』があることを息子たちに伝え、お互いの結束と慈愛の大切さを、改めて確認しあうのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-03 09:26:48
3937文字
会話率:54%
世は戦乱の時代。
世が明け、そして沈むまで砂煙が舞い、
日の光が途絶えようとも火の粉の灯りでまた絶え間なく
世は照らされてゆく。
人々は心より安堵できなかった。
同じ大陸で分離した"領土"と"軍事力"を巡る争いは絶え間なく、人はまた
今日も朱く染まり、
恐怖を恐怖で拭う人の性を愁き、
"国"が一つになるその日をただひたすらに、待ち望んでいた。
一方、戦乱の舞台より隔離されし近隣のある小さな島国で、一人の青年が暮らしていた。
その島国には人間の容姿に猫耳と尾が生えた赤眼の戦闘民族が隔離されるように存在していた。
青年はその赤眼の戦闘民族と人間との混血として生誕し、特有の猫耳や尾がなく、
それはまるで"人間"そのものだった。
国の領土争いに古より軍事目的で、人間によって利用されてきたその島国の者達にとって、人間は忌み嫌う存在であり、その青年もまた苦難の道を辿っていた。
親の他界により身寄りがなく、一人の老人の家で保護されたその青年は日々差別に苦しみ、
気弱でこれといった取り柄もなく、虐められることにももはや慣れていた。
そんな青年にとって唯一の繋がりであり支えだったのは大好きな姉と、共に同じ家で育った家族、幼少の頃に友達から譲り受けた碧い首飾りだった。
誰かとの繋がりが欲しかった。それを望んでも叶わない日々が続いていた。
夢も希望もなく、途方のない日々に疲れたその青年に追い討ちをかけるように、唯一の繋がりを断つように、
他国の戦火が青年の住む場所へ降り掛かった。
どうしようもない絶望感に襲われていたその青年の前に、島国を守る戦士達が登場する。それは国を守る防衛組織、"紅刃那(べにはな)"と呼ばれる者達だった。
絶え間なく降り掛かる戦火の、燃え上がる炎の中に立つその戦士を見たその青年は、心が打ち震えた。
避けては通れない時代の刃先に立つ者達の、勇気と強さ、優しさに触れたその青年は
やがて時代を動かすべく、時代との戦いに立ち向かう覚悟を決める。
これは後に、戦火轟く世の時代を変えるほどの大きな舞台へ踏み出した、
戦いと友情、そして恋愛を描いた
一人の青年の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-16 21:40:59
108807文字
会話率:58%
どこかの場所の、戦火に燃える町。
四つ足で走る鋼鉄の悪魔は銃火に照らされながら、砂煙を巻き上げて駆け抜ける。
群れ成し襲い来る鉄の悪魔を迎え撃つのは――赤い悪魔だった。
最終更新:2020-12-16 01:05:22
2298文字
会話率:24%
僕は小学校4年生。新一年生で僕たちの通学班に入ってきたコイケ君は、幼少時の病気の影響で、ちょっとどもりがあって、足をひきずって歩く男の子です。でもコイケ君はいつもニコニコしていて、そして自分の出来ることを一生懸命にやる子でした。
今年の
秋の大運動会は、毎年負けてばかりだった地区対抗リレーで、アッと言わせる秘密兵器を得た僕たちは、夏休み返上で特訓をはじめました。コイケ君も足をひきずり、ズックに何度も穴を開けながらも毎日練習に来ていました。
ごく普通の小学校の、砂煙のあがるグランドで起こった小さなキセキ。そのキセキに遭遇した僕が流した涙の理由を、読者の皆様と一緒に共有出来たらなと、思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-27 18:00:00
3431文字
会話率:30%
黒い革のレザー靡かせ、フルフェイスが黒光る。
砂煙蹴散らし爆音奏でて荒野を這う。
暮れる太陽系は、また不毛。
最終更新:2016-12-26 19:55:56
523文字
会話率:7%
遥か昔に栄えた超高度な古代技術を継承した機械文明が滅んでから二千年――。
二度にわたる混乱の世紀を経たのち、技術として体系化された魔法で栄えている世界では、各地で古代の技術を発掘し、今の魔法文明に新しい風が吹き込む『新時代』を迎えていた
。
長期休暇をとり、人工迷宮の地下階層を探索していた金色の瞳の青年・ライコウは、隠し部屋で見つけた箱に触れたが為に、不運にも遥か西方の砂漠のど真中に飛ばされてしまう。
砂漠をさ迷い、汗に体を濡らすライコウはどうしたものかと思案していると、遠くより砂煙を上げる一群が見えてきて……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-26 21:00:00
313984文字
会話率:47%