人は自らの限界を決めつけ……わきまえて生きているため、出来る事よりも出来ない事の方が圧倒的に多い。
もちろん、物理学上の不可能は考えていない。
本来、出来るはずが、苦手、下手、才能がない、どうせできないと決めつけて限界を決めることで逃
げた結果、本当に出来なくなる事が、自らを縮める事が多いのである。
だからこそ、出来る事によろこびを感じ、出来る事を少しでも増やしたり、出来る事に没頭するのだ。
そこで、もしすべてが出来る人が存在したならば、一体どうなるのか……
多くが何でも出来るなら楽しくて仕方がないと考えるだろう。
しかし、その考えこそが出来ない事があるからこそ出来る事に喜びを感じる典型である。
出来ない事がないのなら、出来る事に喜びを感じる事が少なくなるのだ。
そうなると何が楽しいと感じるのか……稼ぐ、遊ぶ、戯れる。
どれも違う。
出来ない事がない人が楽しみを感じる事は三大欲求に変える事だ。
つまり、食欲、性欲、睡眠欲。
しかし、性欲は相手がいなくては果たせないため、該当するかは怪しい。
だが残りの食欲、睡眠欲は切っても切り離せない絶対不可欠の欲求である。
詰まるところ、何でも出来る人はこの二つの欲求にハマりがちになるのだ。
堅苦しく、ややこしくなったが、これから綴られる物語は、この二つの欲求のうち睡眠欲にハマってしまったIQが脅威の300という大台かつ、何でも出来てしまう青年が異世界に迷い込んだ挙げ句、魔王にされたお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-10 10:00:00
6407文字
会話率:30%