陰陽道の流れをくむ古流柔術を修練している優希は、夏休みに映研の映画に出演していると、物理学者の伯父から謎の装置を渡される。しばらくして伯父は行方不明となり、その頃から、優希の周辺には、怪しい黒服の男たちが出没し始める。ある時、男たちに追わ
れた優希は、伯父の装置を偶然に起動させると、なぜかオーストラリアに出現してしまう。
装置を使って鎌倉に戻った優希は、祖父から黒服の男たちは国際機関の人間だと知らされ、装置を渡すように言われる。しかし、遭遇した男たちは、なぜか優希を拳銃で襲う。窮地に立たされた優希は、偶然、居合わせた神条に助けられる。男たちの執拗な追跡から逃れようと、袋小路に入ってしまった二人は、再び装置を使って追跡から逃れる。
一方、国立重力波研究センターでは、異常重力波の解析から深刻な事態が発覚する。それは突如発生した異常重力波の干渉により空間の連続体が崩れ、特異点が発生し、空間を崩壊させる可能性があるという。その回避のために、官民あげての対策チームが結成され、スパコンの「富岳」と光量子コンピュータを駆使し、重力波干渉を防ぐための演算を開始する。量子コンピュータを持つ米中仏もそれに協力する。
優希と神条は、演算結果をもとに空間転移を試みるが、神条が位相空間へ飛ばされ、失敗してしまう。異常重力波の同時多発的な発生を優希の連続転移でしのぐが、いつ特異点が発生するか分からない状況の中、優希の手には二人をつないだ黒帯の切れ端だけが残された。
母方に伝わる陰陽道では、今回の事態は千年前から伝承されており、安倍晴明から伝わる黒帯の縁起を辿ることが鍵だと知る。禍いを鎮め、神条を連れ戻すために、優希は同い年で陰陽師の寿賀子と連携して、使役した式神をあの世に送る、一世一代の祭祀を行う。
装置を奪おうとする組織との激しい銃撃戦の中、優希は空間の崩壊を喰い止めるために最後の転移を行う。位相空間を漂う二人。思いと黒帯が縁起を結び、二人は現世に戻る。科学と陰陽道の連携により空間崩壊の危機は去り、いつもの日常が訪れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 21:37:59
30114文字
会話率:48%
神武暁はサンと呼ばれていた。浮浪児の養護施設に入れられていたが、やがて椎葉村に行き、独学で物理学を研究した。
サンは4次元物理空間を発見し、その中に量子コンピュータを保存した。
また4次元物理空間でシンプルな陽子加速器を起動させ、ミニブラッ
クホールを生み出した。
サンは、ミニブラックホールから発生する大量の熱を電気を直接電気に変換した。
養護施設のゲン等の友達と「極楽グループ」の企業を興し、世界最強の汎用型量子コンピュータと無尽蔵のほぼ無料の電力を基に数々の画期的な物を生み出し、「極楽グループ」を急激に拡大していった。
やがて「極楽グループ」は中規模の国のGDPに相当する程の売上になり先進諸国と衝突する事になる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 15:58:57
10278文字
会話率:26%
先進的なスマートビルの最上階で、異常検知システム「CASSIOPEIA」が不可解な警告を発する。開発責任者の風間律は、その波形が5年前、テロで失った双子の妹が残した最後のデータと一致することに気づく。
同じ頃、建物の各フロアで奇妙な現象が発
生。建築構造自体が過去の記憶を保存しているかのような異常が次々と観測される。律は、建築工学の権威・深山誠司、そして妹の親友である物理学者・浅見遥とともに、その謎に挑む。
やがて彼らは、人類の意識進化を目指すテロ組織「クロスフィールド」の存在と、量子もつれによって時空を超えて繋がる人々の記憶の秘密に迫っていく。その先には、律の予知能力の源流と、姿を消した妹が追い求めていた禁断の真実が待ち受けていた——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-27 10:41:26
951文字
会話率:34%
これは「意識のはじまり」の付録です。意識が包括的に説明してあります。
最終更新:2023-03-05 09:03:05
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会話率:0%
● 概要はTwitterでも断片的に紹介しています。アカウントは「MagoyasYasda」「意識のはじまり(安田孫康)」です。(https://twitter.com/MagoyasYasda)
● 末尾には、付録(日本語・English
)が添付してあります。意識の概要が簡単につかめます。
● There is an appendix (in Japanese / English) at the end. The outline of consciousness can easily be grasped.
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【無は存在しない】生命と意識の関係を青葉が絵理とセァラに説明する。また、無は存在しないという考えを哲学者のベルクソンが表明せしことも紹介する。
【そんなの怪しい】ベルクソンの考えからの帰結として、青葉が世界はただ有であるばかりという考えを表明する。
【もちろん本当】絵理が嘘みたいと言い、青葉が嘘みたきことならこの宇宙には幾らでもあることを色いろ例示する。
【ちょっと変】ベルクソンの考えは哲学により発見されるに相応しい真理でありて、ベルクソンは大発見をしつ、と青葉がいう。
【ただ有であるばかり】世界の存在に、意図はなく、目的もなかりき、論理の厳密な定めでありき、という考えが導出される。
【そのバラは赤くない】ベルクソンによる無の説明を青葉が絵理とセァラに紹介する。
【難儀なことだ】存在の根源と有の開始点の問題につき三人が検討する。
【機能二面エナァジ一元論】意識の発生にかかわる物理的なことや理論的な根拠などにつき、三人が議論する。
【創発と量子】意識の発生に関して三人がさらに話を展開する。
【意識開闢】三人が意識発生の物理的なメカニズムなどにつき討論する。そして、ついに青葉が意識を発生させる。
【意識の様相】発生させし意識の様相や認知科学における様ざまな問題につき三人が話す。
【自由意志】自由意志の可否などにつき理論的な観点から三人が鳩首密談する。
【生物の能動的で生産的な動き】生物の能動的な動きの根拠につき三人がお喋りをする。
【自発的に動きだすジェリ】意識に関係することにつき三人が閑談する。
【存在しない人参】ベルクソンの命題に関係するジョークを青葉がいう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-09 15:38:31
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会話率:57%