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石神葵は、辺鄙な田舎へと越してきた。人生そういうものだと悟り、新しい生活のため道でも覚えようと寄り道をしていたところ、森に囲まれた神社を見つける。お参りでもしようかと近寄ると「修行だ」と絶叫する女の声が聞こ
えてきた。恐る恐る近付けば、何やら短距離走の練習をしている女の子と出会うが怖くて逃げる。それが有賀美月との出会いだった。
翌日体育の時間で再会し、勝負しろと言われる。葵は都会では強豪校の陸上部だったが、もう引退していた。けれど衆目を集められた腹いせから、全力で走って美月に完勝。その放課後、美月に陸上部に入るようお願いされるがもうその気が無いと拒否。それなら走り方を教えて欲しいと言われる。熱心で、ただただ純粋なその眼に葵は了承する。
熱心に吸収する美月に、次第に熱くなる葵。やがてベストタイムを更新し、地区大会で三位に入賞。しかし美月は壁にぶつかり、弱音を吐きながらも熱心に練習を続ける。葵はそんな美月を見るのが好きになっていた。寝る間も惜しんで練習に没頭する美月。しかしそれが仇となり、美月は疲労骨折を起こす。運悪く神経を傷付けてしまい、美月は再起不能となってしまう。
自分のせいだと謝る葵。美月はそれに怒り、葵と一緒に練習していた期間は楽しかったと涙する。葵自身、他人に対して熱くなっていたのは初めてだったため、互いに抱き締め合いながら泣き合う。一頻り泣いた後、もう一度一緒に楽しみたいから自分の代わりに走って欲しいと美月はお願いする。葵は美月からのバトンを受け取ると陸上部に入部し、猛練習を重ねる。
弱音を吐くまいと誓っていても、心折れそうな時は美月と思い出の神社で語り合った。そうして日々の苦しい練習を乗り越えていった。
インターハイ前日、葵は美月を呼び出して思い出の神社に行く。そうしてずっと抱えていた思いを吐露する。それは美月のためにと練習をしてきたけど、ここまできたら自分のために走りたくなったと。それを聞いた美月は当たり前の事を言うな、余計な事を考えないでコンマ一秒でも早く走りなさい。そして見えた景色を教えて欲しいと伝える。互いに抱き締め合いながら、涙を流す。そうして、葵はやっと走る事に全て納得させることができた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-08 23:20:38
29878文字
会話率:49%
スランプや怪我で苦しんでいる陸上部のヒロインを、主人公が『全力で応援』する物語。
もちろん恋愛もちゃんとします。
最終更新:2022-05-20 21:15:14
13840文字
会話率:30%
〇あらすじ
夏休み、井上美香(9)は一年前に行方不明になった父親で、ゲームクリエイターでもある久義(42)の作ったスマフォゲームアプリ『アトランティス』を友人の浩明(11)、淳介(10)と一緒に、いとこの大樹(11)の家でプレイしている
。大樹はスマフォを持っておらず、一人参加できないことを不満に思っていた。四人は、大樹の父親であり、久義の兄でもある久雄(46)が経営しているサッカー教室に通うサッカー仲間でもあった。
ある日の練習を見学に来た美香の母親、芳子(31)は、美香にサッカーを辞めさせたいとコーチの久雄に伝える。理由は久義が好きだったゲーム制作に没頭したせいで行方不明になったと思い込んでいる芳子の不安のためだった。その日の練習中に大樹は疲労骨折をしてしまう。
大樹の母親ゆかり(38)は怪我でふてくれされる大樹と久雄に、美香の家に差し入れを持っていくように頼む。久雄はそこで芳子と行方不明になった久義について話し合い、行方不明になった当時のままの部屋を芳子と初めて探る。しかし手がかりは見つからずPC画面には制作中のゲームソフト『アトランティス』が開かれているのみだった。
久雄は弟にプレッシャーを与えた自分のせいだと反省し、大樹にサッカーを押し付けることを辞めてスマフォを買ってやる。大樹は、美香、浩明、淳介と早速浩明の家で『アトランティス』をプレイする。その日、美香は「200時間を越えたらプレーヤーは実際にゲームの中に入るプログラムがされている」ことを三人に暴露する。美香は久義に仕事を頼んでいたゲーム会社の水上(52)に、ゲームの世界に入った久義含む行方不明者の居所を掴むように依頼を受けていたのだった。200時間に到達した大樹以外の三人は、ゲームの世界に入って久義と出逢うが、そのゲーム制作が伝説の都市・アトランティスの意志によるものであることを知っていく。
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最終更新:2021-04-16 18:36:05
37963文字
会話率:63%